ダイヤ改正(だいやかいせい)とは、鉄道、バス、船舶などの公共交通機関において輸送力増強や路線網の変更へ対応するために、時刻の見直しを行うことである。
概要
ダイヤ改正は、その規模により従来のダイヤを一旦白紙(=ゼロベース)に戻した上ですべてを書き換える白紙改正(ゼロベース改正とも言う)と、従来のダイヤを基本として、少しずつ修正・追加する挿入式改正に大別される。
ダイヤ改正を行う契機としては、
- 信号場・駅などの待避線・行き違い設備・折り返し設備・渡り線の新設・廃止による路線環境の変更
- 車両増備・運用本数増加
- 増結・減車など1列車あたりの輸送容量の増減、増解結の廃止、直通化、系統分割
- 駅の利用者数変動による優等列車の停車駅変更
- カントのかさ上げや重軌条化、一線スルー化、保安装置の更新などに伴う列車の最高速度の変更、ブレーキパターンの変化
- 新線開業による優等列車の経由変更、旧線の優等列車退避の時間短縮
- 複線・複々線の新設による線路の輸送容量の増加
- 電化、新型車両の投入などに伴う列車の最高速度・加減速度・曲線進入速度の変化
などが挙げられる。また乗り入れや接続を行う路線のダイヤが改正されると一緒にその路線のダイヤも改正される場合が多い。
ダイヤ作成の場において、鉄道事業者としては従来設定されていない列車の登場や利用率の低い列車の廃止なども予告されることがある。また新型車両の落成などによる優等列車の車両交代などはこの日を境として行われることが多い。
一般にダイヤ改正日の始発列車から施行されるが、夜行列車については改正前日より改正後のダイヤで運行される場合もある。そうした場合を含め、日付をまたぐ列車については臨時列車として運行することが通例となっていた。
ダイヤ改正により利便性が低下した場合、利用者などから「ダイヤ改悪」と揶揄されることもある。一部の鉄道会社やマスコミでも、「改正」ではなく「改定」や「変更」としているのはそのためである。ただし、「ダイヤ改悪」と称される場合、優等列車の本数や停車駅変更は利用者により利害が一致しない場合が多い。停車駅削減には削減対象駅の利用客や周辺施設などから反発が強いため、ダイヤ上の基幹となる列車種別を変更して実質的な停車駅削減を行う例なども見られる。
ただし近年では時刻変更そのものが「ダイヤ改正」という言葉で定着しているという理由から、京王電鉄や近畿日本鉄道など「改正」という言葉を再び使い始めた事業者もある。
なお、大井川鐵道などの一部の地方民鉄ではダイヤという言葉を用いずに「時刻改正」と表記している。
日本の鉄道におけるダイヤ改正
日本の鉄道草創期ではW・F・ページによってダイヤグラムが組まれていたが、1890年代からは日本人技術者によってダイヤグラムが作成されるようになり、その都度時刻改正が行われることとなった。
「ダイヤ改正」という語句は「国鉄監修 交通公社の時刻表」(現:JTB時刻表)1958年10月号で初めて使用されるようになり、以後時刻の変更が行われる際には「ダイヤ改正」という語句で統一されている。
旧・日本国有鉄道(国鉄)では数年おきに白紙改正が実施されていたが、その中でも1961年(昭和36年)10月に実施された通称「サン・ロク・トオ」や1968年(昭和43年)10月に実施された通称「ヨン・サン・トオ」、1978年(昭和46年)10月に実施された通称「ゴオ・サン・トオ」と呼ばれるダイヤ改正には通称があるなど、当時いかに関心があったかをうかがわせる。
日本国有鉄道では10月に全国ダイヤ改正を行うことが多かったが(特に一番多かったのは10月1日)、これは10月に鉄道の日があり、それに合わせ前もって行うためであった。
JR発足後最初に行われた1988年3月13日ダイヤ改正は青函トンネル開通に伴う「一本列島」白紙ダイヤ改正を実施した。またその後1991年までは3月に全国ダイヤ改正を実施した。
その後1992年頃から2010年代初めまでの間はJRグループは各会社ごとに独自でダイヤ改正を実施することが多く、東日本旅客鉄道(JR東日本)では1993年から2010年までは12月に独自でダイヤ改正を実施することが多く、北海道旅客鉄道(JR北海道)も2013年までは10月にダイヤ改正を独自で実施していたが、2014年以降は他のJR各社と同様に3月に実施することが多い。四国旅客鉄道(JR四国)ではダイヤ改正が実施されない年もあった。他のJR各社でも毎年3月頃もしくは10月頃にダイヤ改正を実施することが多かったが、2010年代以降はJR発足直後と同様に、一部を除いて毎年3月中旬頃に各会社一斉にダイヤを改正を行う。
今日において3月にダイヤ改正を行うことが多くなったのは、年度末であり高校以上の教育機関では学生が長期休暇であることが多いこと、4月の新生活・新入学に向けてサービス向上を謳えることなどが挙げられる。
ダイヤ改正実施日の曜日は通勤・通学に影響を及ぼしにくい土曜日がほとんどで、次いで月曜日が多い。月曜日が多いのは、土休日ダイヤを変更しないダイヤ改正を行う事業者も一定数いるためである。
JRグループ各社の改正はその会社の管轄が広いことから影響を受ける範囲が大きいため、郊外を中心に関係する私鉄やバス事業者も同時に改正を行うことが多い。このこともあり、毎年3月のJRグループ一斉ダイヤ改正では、JRグループ各社も含め同時に少なくとも20社局、多い時で50社局を超える鉄道事業者が同日にダイヤ改正を行っている。
私鉄のダイヤ改正は、東京近郊ではJRグループダイヤ改正と同日に行うかその周辺で行うことが多いが、大阪近郊やそのほか地域では独自に行うことが多い。これは、東京近郊の私鉄は地下鉄と直通する路線が多いため他社との調整も行う必要があるためであるが(2017年より東京メトロが柔軟になったことにより東京メトロでは月3回ダイヤ改正を行うことで3月のバラバラな日に各線でダイヤ改正日がずらせるようになった)、大阪近郊では地下鉄と直通する私鉄が少ないほか、地下鉄と直通する近鉄けいはんな線や京阪京津線など本線系統等と車両規格が独自ゆえに本線系統と別日でダイヤ改正を行うことが多いためである。
国鉄監修 交通公社の時刻表→JTB時刻表では、ダイヤ改正の大きさに応じて強調表現を使い分けており、全国規模で大きなダイヤ改正を実施する場合は「ダイヤ大改正」、全国規模ながらも中規模程度のダイヤ改正を実施する際には「全国ダイヤ改正」、全国規模でも小規模のダイヤ改正の場合や一部の地域・線区のみでダイヤ改正を実施する場合には単に「ダイヤ改正」という語句を用いる。
国鉄時代には新線開業が行われる場合、該当線区及び周辺線区のみでダイヤ改正を行うこともあったが、国鉄分割民営化が実施されてJRグループ各社がダイヤ改正を実施するようになってからは全国ダイヤ改正と同時に新線を開業させるケースが多い。また全国ダイヤ改正と新線開業の時期をずらす場合でも、全国ダイヤ改正時に予め新線開業分のダイヤも組んでいることが多く、新線開業時に新たにダイヤ改正を行う必要を小さくしている。
また国鉄監修 交通公社の時刻表では、1978年10月2日「ゴオ・サン・トオ」ダイヤ改正より1986年11月1日ダイヤ改正まで、全国規模でダイヤ改正が行われる際には時刻表にダイヤをモチーフにしたロゴを表紙に掲載していた。
ダイヤ改正を行う手順
日本で鉄道のダイヤ改正を行うにあたり、大きな改正であれば2~3年前から検討が始められることがある。特に新線の開業など大きな変更がある場合には、長い時間を掛けて検討が行われる。これは車両や線路の設備をどのようにするかにもダイヤが影響してくるため、概略を検討しておく必要があるためである。また、運転時刻は鉄道会社にとって商売に直結するため、経営戦略とも絡んで検討が行われる。
より具体的なダイヤは、改正まで1年をきった頃から実際の策定作業が始められる。新幹線や長距離列車といった骨格となる列車の計画が中央で行われ、地域の普通列車などはその地域を担当する支社などが行うのが通常である。作成には路線ごとの輸送需要や線路容量、車両の速度種別や運用効率、乗務員の運用等が勘案される。所要時間については、車両性能や制限速度に基づき地点ごとの速度を表した運転曲線(ランカーブ)から基準運転時分を定め、そこに余裕時分を加えて決めている。
手順としては在来線幹線系線区の場合最初に1時間ごとの大まかなダイヤグラムを作り、その後10分ごと数分ごととダイヤグラムを作っていき最終的には15秒単位の二分目ダイヤを作っていく。路線によっては一分目ダイヤを使うこともある。普通列車と比べ、優等列車(特急・急行など)の運転時刻が優先的に決められる場合が多い。
また、新幹線でも最速達種別の停車駅の少ない列車から順にダイヤを決めていく。東海道新幹線もかつて「のぞみ」から運転時刻を決めていたが、2003年10月1日「のぞみ大増発」ダイヤ改正で「のぞみ」が大幅に増えたため、「のぞみ」が昼間も最速達で走ると「こだま」がその合間を縫って走れなくなったことから、「こだま」の運転時刻を考慮しながら「のぞみ」「ひかり」の時刻を決めることとなった。
ダイヤを作成するにあたり、線路の容量をフルに使うのではなく、ある程度の余裕を見込む必要がある。特に新幹線では定期列車だけでは多客期の需要を賄えないため、臨時列車のダイヤも予め用意している。
また保線作業を行うために必要な時間(保守間合い)を確保する必要があり、通常は夜間に保守間合いが確保されるが、主要な路線においては夜行列車や貨物列車の運転との兼ね合いが最大の問題となる。昼間に大規模に列車を運休してリフレッシュ工事を行う路線もある。会社間を越えて直通運転が行われている列車の場合は会社間で協議が行われる。1箇所での変更が他に影響を与えるため、何度も担当部署の間でやり取りが行われて詳細が策定されていく。
かつての国鉄時代に行われた全国ダイヤ改正会議では、全国の担当者を一堂に集めて数週間にもおよぶ下案会議や本会議が行われていた。これには、温泉旅館を借り切って長い時間を掛けて作業を行っていたため「温泉会議」とも称されたが、JRに移行してからは全国規模で一斉に白紙ダイヤ改正を行わないため、このような光景はなくなった。
ダイヤの詳細が決定すると、全国規模の場合ダイヤ改正の3か月前程度を目処にプレス発表が行われる。この時期に発表されるのは、ダイヤが確定する時期に合わせたものである。
実際に改正されたダイヤを実施するに当たっては、新製された車両の投入や既存の車両の転属を行うことがある。これらの回送の計画も一緒に行われる。新製車両を投入する時は、既存の車両と合わせると営業の際に使用する車両基地が溢れてしまうことがあり、一時的に他の場所で保管しておいて、ダイヤ改正に合わせて一斉に入れ替えることもある。
一方で新幹線では臨時列車の運転が多いため、車両置き換えに合わせ臨時列車の運用車両を逐次新型車両に変更することにより、次のダイヤ改正まで定期列車の運用を変えることなく、車庫の拡充を行うこともなく次のダイヤ改正を迎えさせることもある。
また東海道本線や東北本線などの夜行列車や貨物列車が一晩中走り続けている重要幹線などでは、ダイヤ改正時の時刻の移り替わりが問題となる。このためにダイヤ改正前日または当日に一部の列車の時刻を変更したり、運休したりして対応する。この計画のことを移り替わり計画という。
また改正日には駅の時刻表を貼り直したり、車両基地で編成の組み換えを行ったり、改正のための作業が徹夜で行われている。近年では作業の簡略化を目的として、改正後のダイヤが確定した時点で駅掲載の時刻表は改正後のものへの変更が順次なされ、改正日までは改正後の時刻表の上に改正前の時刻表が貼り紙で貼りだされていることが多くなっている。
ダイヤ改正を実施してしばらくすると、実施してみてはじめて判明した不都合な点が出てくることがある。これは乗換接続の問題であったり、特定の列車だけ遅れがちであるというような運行上の問題であったりする。こうした問題を解消するために、細かい時刻修正(訂補)が行われることがある。近年JR西日本では10月に実施されることが多い。
ダイヤ改正の公表手法
ダイヤ改正を実施する際には、時刻が変更することで利用する列車が変わりうることから、事前に周知させることが必要となる。
市販大型時刻表
日本国有鉄道では月刊誌「国鉄監修 交通公社の時刻表」(現:JTB時刻表)を用いてダイヤ改正内容について周知させていた。1960年代まではダイヤ改正が行われる当月号で「今月のお知らせ」にダイヤ改正内容について数行程度の記述で済ませることが多かったが、1967年10月1日ダイヤ改正時には1967年10月号で「新しく設定された列車」としてダイヤ改正に関する記述に1ページを費やすようになった。
1969年9月号では、付録ページ(現:特集ページ)に「ダイヤ改正のあらまし」が設けられ、取って代わられた。
1970年代にはいると全国規模でダイヤ改正が行われると時刻表の本文2ページ以上割くことが多くなり、図説も多くなった。このころから、全国でダイヤ改正を実施するとその都度本文ページ数が増え、発売価格が値上がりしていった。
国鉄の分割民営化が決まると、シティ電車の増発などにより時刻表本文におけるダイヤ改正ダイヤ改正に割いたページ数増え、1985年3月号では歴代最多の7ページにも上った。
1986年11月1日の国鉄最後のダイヤ大改正では、さらに改正内容が多くなることから、ダイヤ改正に関する記述を9月号~11月号の3回に分けて合計8ページに記載した。これがダイヤ改正プレスリリースの前月号記載の始まりとされる。
その後も1988年~1991年に実施された3月ダイヤ改正の時刻表での公表は1月号と2月号の2つに分けて実施され、ダイヤ改正号となる3月号ではダイヤ改正内容についての記述はされなくなった。また1992年以降は3月ダイヤ改正が縮小してきたことから、前月号となる2月号に記載を一本化した。
2007年3月18日ダイヤ改正時には、改正後の時刻を4月号に掲載することとなったため、ダイヤ改正の詳細について3月号に記述した。その後2008年3月17日ダイヤ改正は改正後時刻を3月号に記述したが、ダイヤ改正の詳細について3月号に記載し、1986年11月号以来21年5カ月ぶりに同月号記載が復活した。
2015年以降はダイヤ改正号の前月号にカラーでダイヤ改正に関する記述をし、同月号でモノクロで同内容を記述することが多くなった。
テレビCM
ダイヤ改正の告知には他媒体でももなされている。国鉄CMでダイヤ改正が扱われるようになったのは1985年3月14日ダイヤ改正からで、当時国鉄公式の時刻表であった国鉄監修 交通公社の時刻表の宣伝も兼ねていた。その後1986年11月1日ダイヤ改正よりダイヤ改正の内容についてもCMで触れるようになった。
ダイヤ改正CMは国鉄分割民営化後もJR東日本やJR西日本、JR東海、JR九州を中心に実施されたが、1990年代をピークに減少し、2010年代は下火となっている。
なお、CM放送に合わせて時刻表から消滅したダイヤ改正ロゴ・キャッチコピーを各社で制作するようになった。なお、ダイヤをモチーフにしたダイヤ改正ロゴは2005年12月10日JR東日本ダイヤ改正が最後とされている。
WEBサイト
1990年台後半になると各社公式ウェブサイトが整備されたことから、ダイヤ改正の約1か月前までを目途にウェブサイト上でプレスリリースとして公表することが多い。史上初のウェブサイト上におけるダイヤ改正プレスリリースは、1996年12月4日公表の1997年3月8日JR西日本ダイヤ改正である(ちなみに臨時列車のプレスリリースが始まったのは、1999年5月17日の夏の増発列車のお知らせである)。
またJR東日本では2002年9月20日のダイヤ改正プレスリリースよりHTMLから小分けしたPDFファイルに変更したほか、2004年7月23日のダイヤ改正プレスリリースより各支社PDFファイル1つになった。
またJRグループや旧国鉄・JRグループ各社の第三セクター鉄道ではダイヤ改正の概要をウェブサイト上のプレスリリースとして公表している。公表は概ね金曜日のことが多い。
3月のダイヤ改正に関するプレスリリースは12月中旬以降に公表することが多い。JRグループ各社は直通列車が多く、他社のプレスリリースで自社のダイヤ改正情報が間接的にわかることも多いことから、JRグループ全社統一した日にプレスリリース公表を行うことが多い(一部例外として、ダイヤ改正内容がまとまらなかったため管内完結列車のみ別プレスリリースで後日出した例はある)。また公表日は12月第3金曜日に公表することが2008年以降固定化されている。
WEBサイトでのプレスリリースは、ページ数制約のある時刻表記載のダイヤ改正のあらましより詳細な記述が多いが、3月ダイヤ改正の場合概ね4か月程度前に公表されることとなるから、公表時点で不確定な部分も多い。そのため、WEBサイトにおけるダイヤ改正プレスリリースはダイヤ改正実施までに変更されることがある。
なお、過去最もダイヤ改正実施から離れたWEBサイトにおけるダイヤ改正プレスリリースは、2007年7月1日JR東海ダイヤ改正の2006年12月22日公表で、6か月13日前(195日前)となっている。
以下の表は横スクロールできます。
ダイヤ改正実施日 | プレスリリース公表日 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
JR東日本 | JR東海 | JR西日本 | |||||
1997年3月8日月曜日 | – | – | 1996年12月4日水曜日 | ||||
1997年3月22日月曜日 | – | – | 1996年12月6日金曜日 | ||||
1997年9月1日月曜日 | – | – | 1997年7月18日金曜日 | ||||
1997年10月1日水曜日 | – | – | 1997年7月25日金曜日 | ||||
1997年11月29日土曜日 | – | – | 1997年7月25日金曜日 | ||||
1998年3月14日土曜日 | 1997年12月19日金曜日 | – | 1997年12月19日金曜日 | ||||
1998年10月3日土曜日 | – | – | 1998年7月31日金曜日 | ||||
1998年12月8日火曜日 | 1998年9月25日金曜日 | – | 1998年9月25日金曜日 | ||||
1999年3月13日土曜日 | – | – | 1998年12月17日木曜日 | ||||
1999年5月10日月曜日 | – | – | 1999年2月12日金曜日 | ||||
1999年10月2日土曜日 | – | – | 1999年7月30日金曜日 | ||||
1999年12月4日土曜日 | – | – | 1999年7月30日金曜日 | ||||
1999年12月11日土曜日 | 1999年9月24日金曜日 | – | – | ||||
2000年3月11日土曜日 | – | – | 1999年12月17日金曜日 | ||||
2000年9月23日土曜日 | – | – | 2000年7月3日月曜日 | ||||
2000年12月2日土曜日 | 2000年9月22日金曜日 | – | – | ||||
2001年3月3日土曜日 | – | 2000年12月8日金曜日 | 2000年12月8日金曜日 | ||||
2001年10月1日月曜日 | – | – | 2001年7月27日金曜日/2001年8月3日金曜日(管内) | ||||
2001年12月1日土曜日 | 2001年9月21日金曜日 | – | – | ||||
2002年3月23日土曜日 | – | – | 2001年12月14日金曜日 | ||||
2002年10月5日土曜日 | – | – | 2002年7月26日金曜日 | ||||
2002年12月1日日曜日 | 2002年9月20日金曜日 | – | – | ||||
2003年3月15日火曜日 | – | – | 2002年12月20日金曜日 | ||||
2003年10月1日火曜日 | – | 2003年7月30日水曜日 | 2003年7月30日水曜日 | ||||
2003年12月1日月曜日 | – | – | 2003年9月16日火曜日 | ||||
2004年3月13日土曜日 | 2003年12月12日金曜日 | – | 2004年1月13日火曜日 | ||||
2004年10月16日土曜日 | 2004年7月23日金曜日 | – | 2004年7月23日金曜日 | ||||
2004年12月19日日曜日 | – | – | 2004年10月19日火曜日 | ||||
2005年3月1日火曜日 | 2004年12月22日水曜日 | 2004年12月22日水曜日 | 2004年12月22日水曜日 | ||||
2005年7月9日土曜日 | 2005年4月12日水曜日 | – | – | ||||
2005年10月1日土曜日 | – | – | 2005年8月5日金曜日 | ||||
2005年12月10日土曜日 | 2005年9月30日金曜日 | – | – | ||||
2006年3月18日土曜日 | 2005年12月22日木曜日 | 2005年12月22日木曜日 | 2005年12月22日木曜日/2006年1月30日月曜日(管内) | ||||
2006年10月21日土曜日 | – | – | 2006年8月23日水曜日 | ||||
2006年12月10日日曜日 | – | – | 2006年11月13日月曜日 | ||||
2007年3月18日日曜日 | 2006年12月22日金曜日 | 2006年12月22日金曜日 | 2006年12月22日金曜日 | ||||
2007年7月1日日曜日 | – | 2006年12月22日金曜日 | 2006年12月22日金曜日/2007年5月9日水曜日(管内) | ||||
2008年3月15日土曜日 | 2007年12月20日木曜日 | 2007年12月20日木曜日 | 2007年12月20日木曜日 | ||||
2009年3月14日土曜日 | 2008年12月19日金曜日 | 2008年12月19日金曜日 | 2008年12月19日金曜日 | ||||
2010年3月13日土曜日 | 2009年12月18日金曜日 | 2009年12月18日金曜日 | 2009年12月18日金曜日 | ||||
2010年12月4日土曜日 | 2010年9月24日金曜日 | – | – | ||||
2011年3月12日土曜日 | – | 2010年12月17日金曜日 | 2010年12月17日金曜日 | ||||
2012年3月17日土曜日 | 2011年12月16日金曜日 | 2011年12月16日金曜日 | 2011年12月16日金曜日 | ||||
2012年9月29日土曜日 | 2012年7月6日金曜日 | – | – | ||||
2013年3月16日土曜日 | 2012年12月21日金曜日 | 2012年12月21日金曜日 | 2012年12月21日金曜日 | ||||
2013年9月28日土曜日 | 2013年7月5日金曜日 | – | – | ||||
2014年3月15日土曜日 | 2013年12月20日金曜日 | 2013年12月20日金曜日 | 2013年12月20日金曜日 | ||||
2015年3月14日土曜日 | 2014年12月19日金曜日 | 2014年12月19日金曜日 | 2014年12月19日金曜日 | ||||
2016年3月26日土曜日 | 2015年12月18日金曜日 | 2015年12月18日金曜日 | 2015年12月18日金曜日 | ||||
2016年12月10日土曜日 | 2016年9月29日木曜日 | – | – | ||||
2017年3月4日土曜日 | 2016年12月16日金曜日 | 2016年12月16日金曜日 | 2016年12月16日金曜日 | ||||
2017年10月14日土曜日 | 2017年7月4日金曜日 | – | – | ||||
2018年3月17日土曜日 | 2017年12月15日金曜日 | 2017年12月15日金曜日 | 2017年12月15日金曜日 | ||||
2019年3月16日土曜日 | 2018年12月14日金曜日 | 2018年12月14日金曜日 | 2018年12月14日金曜日 |
このほかに、JRグループでは新幹線が延伸及び開業する際に、ダイヤ改正実施の6〜7か月前程度を目安に運転本数をプレスリリースで伝えている。また在来線特急の再編を伴う場合には、新しい特急列車の運転区間や列車愛称なども伝えている。
一方、私鉄各社ではダイヤ改正のウェブサイト上でのプレスリリース公表は1カ月~2カ月前であることが多い。これはJRグループ各社と直通していない会社が多いこと、座席指定を行う列車の比率がJRグループ各社と比べて圧倒的に少なく影響が比較的小さいことなどが挙げられる。
そのほか、駅構内や列車内でのポスター掲示、パンフレットの配布、ダイヤ改正後のポケット時刻表の配布などは私鉄を含め多くの鉄道会社で行われている。また私鉄ではダイヤ改正に合わせ各社で時刻表を数百円程度で発売することもある。
日本の公共交通機関におけるダイヤ改正
バス
バスでも運行本数の増回・減回・時刻変更を行うことをダイヤ改正という。
路線バスにおけるダイヤ改正は需要の増大などにおいてバスを増回させる、新規鉄道路線の開業に伴い運行路線を再編する、新しい商業施設の開業に伴い新路線を設定したり既存系統を経由させたりするようにする、施設の廃止により路線の経路を変更したり廃止したりする、営業所移転に伴い系統再編する、連接バス導入により新しい運転系統を設定と既存バスの削減を行う、人員が確保できずやむなく減便するなどの理由により行われる。
また都市間バスの場合には高速道路の新規開業など、空港連絡バスの場合には航空機の時刻変更によってダイヤ改正が行われることがある(特に地方空港の場合)。
郊外では接続する鉄道のダイヤ改正と同時に行われることが多いが、都心部に直接乗り入れる路線や大都市圏では鉄道のダイヤ改正とは関係なく独自にダイヤ改正を行うことが多い。
船舶
船舶でも運航本数の増便・減便・時刻変更を行うことをダイヤ改正という。船舶におけるダイヤ改正では、船種変更により行われることもある。
航空
航空機では、一定の期間の運行スケジュールによってフライトの時間をその都度決定するため、運航本数の増便・減便を行うことをダイヤ改正と公に述べる会社はないが、一部の外部の記事では「ダイヤ改正」という語句を用いる。また、航空会社各社では時刻表を更新することによって運航本数の増便・減便を利用者に知らせている。
中国の鉄道におけるダイヤ改正
中国では中国鉄路とそれ以外の都市鉄道(地下鉄など)で大きく分かれる。
中国鉄路では1993年より「提速」と呼ばれる高速化を図っており、「提速」という語句が大規模な「ダイヤ改正」に相当する言葉として扱われていた。
しかし「提速」は2007年4月18日の第六次提速における在来線における中国高速列車(CRH)運転開始により幕を閉じた。その後2009年より行われた高速新線の開業や高速列車の高速化が逐次行われるようになり、それらを以降「调图」(tiáotú/調図)という言葉で表すようになった。「调图」(調図)は図(ダイヤグラム)を調(ととの)えるという意味である。今日では「调图」は在来線快速列車のダイヤ改正でも用いられ、中国鉄路のダイヤ改正に相当する語句として人民にも広く定着しつつある。
中国鉄路のダイヤ改正は専ら高速新線の開業に起因するものが大多数を占めている。高速新線が直前まで予定通り開業できるか判然としないため、改正後のダイヤが分かるのが開業2日前であることも珍しくない。その際には通常28日前より購入できるきっぷも時刻公表以降の発売となる。
また中国鉄路総公司のウェブサイトにおけるダイヤ改正実施のプレスリリースは少なく、12月または1月実施の大调图以外では公式プレスリリースの公表はないことは多い。そのためダイヤ改正内容については高鉄網や本地宝などの外部記事の方が詳細な内容まで確認できる。ただ中国鉄路総公司のプレスリリースは新線開業の場合開業後にプレスリリースが出されることもある。ただ鉄路局(支社)単位で微博(ウェイボー)を運営しており、事前に内容が分かることもある。
中国鉄路では省を跨ぐ長距離列車も走っており、在来線快速列車の場合1泊2日も珍しくなく、2泊3日や3泊4日で運転される列車もあり、毎日1往復運転させるだけでも6運用を必要とする列車もある。そのため、在来線では線区ごとにダイヤを組むが、列車の運用も重視される。
特に長距離列車は支社ごとに調整が必要で、支社内のみの列車よりダイヤ改正頻度が少なくなる。また国際列車ともなると他国の他社とダイヤを調整する必要があり、なおさらダイヤ改正を実施することは少ない。
また中国鉄路でダイヤ改正が行われる場合、高速列車はダイヤ改正日より時刻が変わることが多いが、在来線では先述したように3泊4日列車もあることから、ダイヤ改正日3日前より3日後まで移り変わりダイヤを実施することもある。
一方、地下鉄などの都市鉄道ではダイヤ改正に関して「调图」を使用する例は外部記事にとどまり、各社の公式プレスリリースでは輸送力増強や運転間隔短縮などの語句を用いることが多い。
また中国の都市鉄道運営各社でプレスリリースにも大きくばらつきがあり、上海地下鉄では時間帯ごとに運転間隔がどのように変わるのか明記されているが、成都地下鉄、西安地下鉄、昆明地下鉄、杭州地下鉄などでは最小運転間隔しか記載しないなど、昼間や早朝・深夜でどのような変更を実施するのかわからないケースが多い。
中国鉄路の全国規模のダイヤ改正は提速以前は1月1日と7月1日に行われていたが、2010年代では4月上旬、7月上旬、9月下旬、12月下旬に行われる。特に12月下旬実施のダイヤ改正では全国で複数の高速新線が同時に開業することから、年内で一番の大規模ダイヤ改正となっており「大调图」と呼ばれる。この12月ダイヤ改正は新線開業が遅れ実施日が1月上旬に遅れたとしても、前年最後のダイヤ改正として扱われる。
また、7月上旬実施のダイヤ改正も全国的に大きく列車時刻が改正される。そのほか、2010年代後半では全国規模のダイヤ改正とは別に新疆ウイグル自治区内を管轄するウルムチ鉄道管理局単独でのダイヤ改正が実施されている。
中国の都市鉄道は中国鉄路と直通運転を行っていないため、独自にダイヤ改正を実施している。特に2010年以降は地下鉄開業ラッシュにより、ダイヤ改正を行う頻度が多くなった。地下鉄でも12月に多くの新線が開業するが、開業時に本来必要な車両数が揃わず、1カ月後に車両増備した際に平日ラッシュ時のみ増発することも珍しくない。寧波軌道交通1号線では開業3年で17回もダイヤ改正を実施している。
また、路線網が3路線程度までなら全線一斉にダイヤ改正する事業者もあるが、各都市の地下鉄内でも直通運転を実施していないことが多く、路線網が大きくなればなるほど各線それぞれでダイヤ改正を実施することが多い。15を超える路線数を持つ上海地下鉄では2018年10月18日~24日の7日間に3回のダイヤ改正が実施され、それぞれ1路線ずつ合計3路線でダイヤ改正を実施した。
なお、中国の地下鉄でダイヤ改正が最も多いのは12月で、ほかにも4月や10月に行われることが多い。10月(上海地下鉄を除く)や12月ダイヤ改正は新線開業に伴うダイヤ改正が多い一方、4月ダイヤ改正は既存路線の輸送力強化のために実施されることが多い。また上海地下鉄の10月ダイヤ改正は、12月に延伸開業する路線の開業に向けて事前にダイヤの一部を開業後向けに変えるものが多い。
韓国の鉄道におけるダイヤ改正
韓国では旧国鉄のKORAILが時刻表掲載をしているが、プレスリリースとして出す場合は新しい種別が設定された場合にとどまり、ソウル首都圏電鉄を形成するソウルメトロなどの各社を含めダイヤ改正に関してプレスリリースすることはほとんどない。
また「ダイヤ改正」に相当する語句が存在しないことから、外部記事を含めて新線開業や新しい種別が設定がない限り扱われないことが多い。
韓国では概ね7月上旬に全国規模のダイヤ改正を実施する。
台湾の鉄道におけるダイヤ改正
台湾では台湾鉄路が時刻表を掲載しており、公式ウェブサイトにて2カ月前を目途にダイヤ改正の予告を行うお知らせを行っている。また都市鉄道でもプレスリリースを1カ月前を目途に公表することが多い。
台湾にも「ダイヤ改正」に相当する語句は存在せず、プレスリリースのタイトルはダイヤ改正の内容を記載することが多い(例:終電繰り下げなど)。
台湾では概ね10月中旬に全国規模のダイヤ改正を実施する。
香港の鉄道におけるダイヤ改正
香港では香港MTRがダイヤ改正を行う際に公式ウェブサイトにてプレスリリースを出している。
香港にも「ダイヤ改正」に相当する語句は存在せず、プレスリリースのタイトルはダイヤ改正の内容を記載することが多い。
ヨーロッパの鉄道におけるダイヤ改正
国際列車が多数運転されているヨーロッパでは、鉄道のダイヤ改正は多くの国で一斉に実施される。
近年の傾向として、国際列車が関係するダイヤ改正は、毎年6月中旬(通称「夏ダイヤ」)と12月中旬(通称「冬ダイヤ」)に実施され、12月中旬に実施されるダイヤ改正のほうが規模が大きくなることが多い。高速新線の開業も概ねこのダイヤ改正にあわせて実施される。
2001年までは夏ダイヤの開始が5月最終日曜日または6月第1日曜日、冬ダイヤの開始は9月末から10月初めであり、冬ダイヤより夏ダイヤの改正規模が大きかった。ただし、国によって改正日がずれることがあるほか、上記以外の時期でもダイヤ改正を実施することもある。
ダイヤ改正を行うにあたり、国際列車のダイヤを協議するため、1872年から国際時刻表会議(のちヨーロッパ時刻表会議、現ヨーロッパ列車フォーラム)が定期的に開催されている。
ダイヤ改正内容はヨーロッパ鉄道時刻表の「What`s new in this month」で確認することができたが、2017年~2018年で版では掲載を見送っていることから、読者が各自で探すほかなかった時期がある。
また、ヨーロッパでは地下鉄などの都市鉄道のダイヤ改正も一斉に行われることが多い。
そのほかの地域の鉄道におけるダイヤ改正
そもそもインドや南米などを中心に海外の地下鉄などの都市鉄道では、時刻表が整備されていないところも多くある。そのため、時刻表を修正するという概念が存在しない。
年表
- 1958年10月1日 同日発売の国鉄監修 交通公社の時刻表1958年10月号で史上初めて「ダイヤ改正」という語句を用いる。
- 1967年10月1日 同日発売の国鉄監修 交通公社の時刻表1967年10月号で新しく設定された列車として1ページ分の記述が設けられる。
- 1969年10月1日 同日発売の国鉄監修 交通公社の時刻表1969年10月号で史上初のダイヤ改正のあらましが付録ページに組まれる。
- 1985年3月1日 同日発売の国鉄監修 交通公社の時刻表1985年3月号でダイヤ改正のあらましが過去最多の7ページの記述になる。
- 1986年9月1日 同日発売の国鉄監修 交通公社の時刻表1986年9月号でダイヤ改正のあらましの前々月号記載が始まる。
- 1986年10月頃 国鉄ダイヤ改正初のTVCMが放送される。
- 1988年3月1日 同日発売の交通公社の時刻表1988年3月号でダイヤ改正のあらましの当月号記載を見合わせる。
- 1992年1月1日 同日発売の交通公社の時刻表1992年1月号でダイヤ改正のあらましの前々月号記載を見合わせ、前月号記載に一本化。
- 1996年12月4日 JR西日本がJRグループ各社で初めてWEBサイト上でダイヤ改正プレスリリースを公表。
- 1997年4月1日 同日の中国鉄路ダイヤ改正に対して初めて「提速」という語句をを用いる。
- 2007年4月18日 同日の中国鉄路ダイヤ改正に対して初めて「调图」という語句をを用いる。このダイヤ改正が最後の「提速」となった。
- 2008年2月1日 同日発売のJTB時刻表2008年2月号でダイヤ改正のあらましの前月号記載を見合わせる。
- 2008年3月1日 同日発売のJTB時刻表2008年3月号でダイヤ改正のあらましの当月号記載が復活。
- 2015年2月1日 同日発売のJTB時刻表2015年2月号でダイヤ改正のあらましの前月号記載をカラーで復活。
参考文献
- 国鉄監修 交通公社の時刻表/JTB時刻表 各号 日本交通公社/JTB/JTBパブリッシング。
- 列車ダイヤ研究会 『列車ダイヤと運行管理』 成山堂書店、2008年。ISBN 978-4-425-76151-7。
- 井上孝司 『ダイヤグラムで広がる鉄の世界』 秀和システム、2009年。ISBN 978-4-7980-2412-7。
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