全国各地で臨時ダイヤと運休も一部で接続改善へ Osaka Metro・名古屋市交通局・仙台市交通局・叡山電鉄・京阪電鉄・湘南モノレール・静岡鉄道臨時ダイヤ運転(2020年4月~5月)

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名古屋市交通局は2020年4月17日、プレスリリースにて2020年4月17日以降の金曜臨時列車を運休すると公表した( 地下鉄・市バスの一部運休について )。またOsaka Metroは2020年4月22日、プレスリリースにて2020年4月~5月の土休日に一部列車を減便すると公表した( Osaka Metroの4月25日(土曜日)以降(土曜日・日曜日・休日・祝日)の減便について )。さらに仙台市交通局は2020年4月23日、プレスリリースにて2020年4月~5月の土休日に一部列車を減便すると公表した( 地下鉄の終電延長ダイヤの運休及びゴールデンウイーク期間の運行ダイヤを変更します )。また叡山電鉄は2020年4月24日、プレスリリースにて2020年4月~5月に臨時ダイヤで運転し減便すると公表した( 4 月 29 日(水・祝)から当面の間、「土曜・休日ダイヤ」の列車を減便します )。さらに京阪電鉄は2020年4月24日、プレスリリースにて2020年4月~5月に石山坂本線を臨時ダイヤで運転し減便すると公表した( 石山坂本線における「土曜・休日ダイヤ」の列車減便について )。また湘南モノレールは2020年4月15日、プレスリリースにて2020年4月~5月に一部列車を減便すると公表した( 新型コロナウイルス感染症に伴う運行ダイヤの変更について )。さらに静岡鉄道は2020年4月8日、プレスリリースにて2020年4月~5月に臨時ダイヤで運転し減便すると公表した( 新型コロナウイルス感染症の影響による静岡清水線 運行計画(ダイヤ)の変更について )。今回はこれから、都市鉄道(平常時昼間25分間隔以内で運転の線区)の2020年4月~5月実施の臨時ダイヤついて見ていく。

2020年4月~5月実施のJR九州及び西日本鉄道臨時ダイヤ運転はこちら!

1. 曜日運転列車を運休へ

今回の2020年4月~5月名古屋市交通局臨時ダイヤ運転では、金曜日及び休前日に地下鉄東山線運転している深夜列車を運休することとした。

これにより地下鉄東山線では金曜日も他の曜日と同じ終電で運転する。

このような金曜臨時列車の運休は京都市交通局の地下鉄烏丸線及び地下鉄東西線でも実施している。

このように都市鉄道の多くではあえて車内を空かせたり直通先との調整が難航しているなどの理由によりこのご時世であっても平常ダイヤで運転している路線は多い。強いて言えば曜日運転列車の運休が関の山となっている。

また特定の曜日だけ変えるという意味では、京急電鉄が2020年4月17日より土曜日に行っている12両運転を全て取りやめ、休日同様8両での運転としている。




2. 臨時ダイヤ設定で運転本数半減へ

2020年5月2日~6日仙台市交通局臨時ダイヤ運転では、地下鉄南北線及び地下鉄東西線で臨時ダイヤ運転を行う。

この臨時ダイヤはゴールデンウィーク期間中のみに行うもので、4月中の実施はないほか5月中の土休日も今のところ実施予定はない。

内容は地下鉄南北線・東西線ともに昼間を15分間隔で運転するのであるが、単なる減便による間引き運転ではなく大晦日元旦臨時ダイヤで運転する。なお土休日の初終電の変更はない。

大晦日や元旦に限り臨時ダイヤを運転しているのはほかに札幌市交通局があるが、経費削減と職員の休暇取得目的で予め1円数日だけ臨時ダイヤを組んでおくと今回のような非常事態になっても柔軟に対応できるようだ。

このほかに5月1日より終電後に金曜日に運転している臨時列車1往復を減便する。この金曜日の臨時列車運転は2015年3月14日ダイヤ改正まではJR東日本の仙台地区でも行っていた終電増発で(いまは終電自体の繰り下げでなくなった)、東京22時12分発東北新幹線臨時「やまびこ249号」最終仙台行きから連絡するように運転している。

しかしこの東京22時12分発東北新幹線臨時「やまびこ249号」最終仙台行き自体が2020年4月24日より運休となってしまったことから、わざわざ増発して運転する必要が無くなったものと思われる。




3. 一部列車運休で間引き運転実施へ

2020年4月~5月Osaka Metro臨時ダイヤ運転では、Osaka Metroの全路線で列車を運休し運転本数を見直す。

ただ、全線に及んでいると言っても全区間とは言っていない。概ね2割削減しているとしているが、他社直通の関係でうまくできていないところも多い。堺筋線は京都線普通高槻市発着を中心に運休しているし、中央線は近鉄けいはんな線直通のうち生駒発着を中心に減便し半減させている。また北大阪急行では行先変更を含め変更を行っておらず、御堂筋線では新大阪~江坂間では1本たりとも減便していないほか天王寺~なかもず間でもほとんど減便がない。

御堂筋線や中央線、堺筋線などの他社直通路線であれば致し方ないが、会社内完結路線であれば運転間隔の均等化は比較的たやすくできるはずなのだが。

今里筋線なんて平常時でも昼間15分間隔(毎時4本)で十分運べるし、どうぜ間引きした次の列車が混むんだから10分間隔のところ1時間に1本運休するのと1時間に2本運休するのでは利便性に大きな差はない。というか中央線に接続しない今里筋線を運転したって困る。だったら毎時2本運休にして職員を休ませての感染リスクを下げるほうがよっぽどいい。

もっとも西鉄のように完全臨時ダイヤを組むのが一番運行効率は良くなるのだが、運行行路などを1から作り直さなければならず大変な作業にはなるし、そんな作業をするくらいならほかのもっと重要な作業をしたいというのはわかる。でも他社直通のない路線は全線で3本に1本運休にしてしまえば簡単に運休列車を決められるのだが、それができないのが不思議でたまらない(なぜ2本に1本にしないかと言うと、運休した次の列車は混みやすいため、次の列車を空かせることで混雑した列車に乗せたくない人を後続列車に誘導するため)。運休するなら運休するなりに頭使おうぜ




4. 減便実施でかえって接続向上へ

2020年4月~5月叡山電鉄・京阪電鉄臨時ダイヤ運転では、臨時ダイヤによる減便を行う。

叡山電鉄では土休日昼間は出町柳~鞍馬間及び出町柳~八瀬比叡山口間の列車を15分サイクルで交互に各毎時4本ずつ運転し、出町柳~宝ヶ池間では毎時8本の運転を行っている。しかし今回の臨時ダイヤ運転では2020年4月29日より土休日に限り15分サイクルから20分サイクルに拡大し、各毎時3本ずつの毎時6本の運転とする。まあ昼間だけ見れば20分サイクルで運転している平日昼間から出町柳~二軒茶屋運転の毎時3本をそのまま減便しただけなのだが。

ちなみに親会社でお隣の京阪電鉄はどうかと言うと、石山坂本線は2020年4月29日~5月6日の土休日に限り昼間10分間隔から20分間隔に減便するものの、京津線や本線系統全線では通常の土休日ダイヤで運転し減便はない。

そうなると、叡山電鉄が15分サイクルから20分サイクルに広がったことで、10分毎に運転する京阪特急と出町柳での接続が改善してしまったのである。間引きの仕方と等間隔運転はうまいので叡山電鉄単体のダイヤとしては成功だが、逆に大阪方面と移動しやすくしてどうする

あと、京阪電鉄は正月恒例の臨時ダイヤのように12分サイクルダイヤを組もうとは思わなかったのか。もっとも京阪の正月ダイヤは本線で特急、急行、普通をそれぞれ毎時5本(12分間隔)で運転することで京阪間で運転する本数を多くするためのものであるが、これをアレンジして急行を準急に格下げ、普通は中之島~萱島間でのみ運転とすれば通常の土休日ダイヤよりも減らせる。また交野線や宇治線でも10分間隔から12分間隔に減便することができる。

別に他社直通をやっているわけでもないので、京阪は12分サイクルダイヤに延ばすことができるはずだが、それをやらずにあえて接続改善し移動を促進させたのはテロ行為だと思うのは私だけだろうか

5. 昼間を中心に間引き運転実施へ

2020年4月~5月湘南モノレール臨時ダイヤ運転では、平日朝夕や土休日朝を除き列車運休により減便を図る。

昼夕輸送力比は50%となるが、朝と夕方同じ本数運転していたら当然夕ラッシュ時の方が空くわけで、単線であるがゆえに10分間隔運転をできなかったのだろう。

そう考えると、湘南モノレールの昼間の減便はそもそも平常時から空いているために行ったものと思われる。

6. 完全臨時ダイヤ実施で大幅減便へ

2020年4月~5月静岡鉄道臨時ダイヤ運転では、完全な臨時ダイヤ実施で減便を行う。

平日朝は6時台~8時台に運転している新清水発新静岡行き通勤急行12本(12分間隔)及び新静岡発新清水行き急行8本が消滅し、全て全線運転の各駅停車を6分間隔(毎時10本)で運転する。これにより新静岡~県総合運動場間では平日朝ラッシュ時の輸送力が33.3%低下した。もっとも新清水発基準では平日朝は6時台に1本しか減便していないし、入江岡と県立美術館前は通勤急行の格下げにより利用チャンスは増えるだろうが。

また平日夕ラッシュ時は6分間隔(毎時10本)から6分40秒間隔(毎時9本)に減便し、輸送力が10.0%低下する。

昼間は平日も土休日も6分40秒間隔(毎時9本)から10分間隔(毎時6本)に減便し、輸送力を33.3%減少する。

もっとも昼夕輸送力比90.0%の路線のため、昼間は毎時6本くらいなら平常時でも概ね座れるので、そこまで大きな問題ではない。

なお今回の臨時ダイヤでは8運用で済むようになり、予備編成を入れても10本あれば運用が回るようになる。

移動等円滑化取組計画書によれば、1000形12本をA3000形12本で置き換える予定だから、減便する予定はなかったはずなのだが、もし2020年度以降の車両新造計画を縮小しても予備編成入れてもあと2本入れれば間に合うようになってしまう。

そもそも2019年10月1日静岡鉄道運賃改定で消費税率改定を大きく上回るほぼ全区間での20円値上げを行っている。

なんだか静岡鉄道に限りこの減便が恒久的に続けさせ、新製車両投入本数を抑えるように見えるのは気のせいだろうか。

ちなみに都市封鎖まで行った中国は2020年4月23日に杭州杭港地下鉄5号線の延伸及び16号線の新規開業を行い、合計70kmほど路線拡大を行った。しかも中国全国で減便ダイヤを行っていたにもかかわらず新規開業区間は平常ダイヤで。強気すぎると思う節はあるのだが、日本も平常ダイヤへの復旧は遠くはないのではないだろうか。


7. 結び

今回の2020年4月~5月臨時ダイヤ運転では、土休日昼間を中心に減便を図った。

ただ間引き運転の仕方が不十分だったり他路線との運転間隔が均等化してしまいかえって接続が向上してしまったところさえある。

今後日本各地の都市鉄道でどのような臨時ダイヤを実施するのか、見守ってゆきたい。

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