JR東海は2020年8月21日、プレスリリースにて2020年10月に運転する秋の臨時列車について公表した( 東海道新幹線 10月の運転計画について )。またJR西日本は2020年8月21日、プレスリリースにて2020年10月~2020年11月に運転する秋の臨時列車について公表した( 【山陽新幹線】臨時列車の運転について )。今回は2020年10月~2020年11月に運転する東海道・山陽の各新幹線の臨時列車について見ていく。
1. 東海道新幹線で大幅減便へ
JRグループ各社では例年に引き続き多客期を中心に新幹線では臨時列車の増発、在来線特急では増結を中心に行われる。しかし本来8月21日に11月分まで公表するべきところを11月分のみ9月18日に公表するなど、依然不安定な状況が続いている。
今回は東海道・山陽の各新幹線の2020年秋の臨時列車について前年同時期と比べながら見ていく。
まずは東海道新幹線。JR東海のプレスリリースによると、今回の2020年10月~11月東海道新幹線夏の臨時列車運転における定期列車も含めた総運転本数は22,019本(前年比1,609本減、6.8%減)となっている。特にJTB時刻表やJR時刻表の原稿締め切りの関係上8月20日頃まで調整ができた11月の臨時列車運転分の方が前年と比べ多く減便しており、依然想定より利用が下回っているようだ。
なお2020年10月1日乗車分より特別企画乗車券としてぷらっとのぞみを発売するが、発売対象は1日10往復のみと列車を限定している。またJR東海ツアーズでは日帰りで東京~新大阪間を15,000円程度で往復できる企画乗車券を発売しているが、早朝・深夜のみしか利用できないなど制約は多い。
ただこれらの企画乗車券の発売分が2021年3月12日乗車分までであることを考えると、次のダイヤ改正は2021年3月13日以降ということを意味している。もっとも当初は山陽新幹線内で九州新幹線からの直通列車の停車時間を延ばして「のぞみ」が3分時刻変更してもいいように組まれておりダイヤ改正フラグが立つほどやる気満々だったのだが、東京オリンピックの延期に伴いやる気が失せたようだ。
2. 山陽新幹線で全車指定席「ひかり」運転へ!
またJR西日本のプレスリリースによると、今回の2020年10月~11月の秋の臨時列車の期間中「のぞみ」は526本(前年比476本減、47.5%減、うち10月355本、11月171本)、「ひかり」は28本(前年比46本減、56.3%減、10月と11月に各14本ずつ)、合計554本(前年比743本減、57.3%減)の臨時列車を運転する。しかも今回増発する臨時「ひかり」は全てN700系8両編成(「さくら」型車両)での運転となっており、しかも全車指定席である。
全席指定席の臨時「ひかり」として運転するのは新大阪10時18分発「ひかり629号」博多行きの片道のみであり、しかも姫路で後続の定期「のぞみ13号」博多行きに抜かれる。後続の「のぞみ13号」の自由席利用の方が速いし安いではないか。
なお山陽新幹線と直通する九州新幹線では臨時列車の増発を一切行っていないことから、臨時「みずほ」「さくら」の設定はない。また2020年夏の臨時列車運転で運転した山陽新幹線完結「のぞみ」の設定もない。
山陽新幹線では2020年9月19日~22日の4連休は前年比で55%の利用があったとしているが、そもそも前年2019年は3連休2つだったのに対し本年2020年は4連休で移動しやすかったこと、8月のお盆は移動の自粛が相次ぎお盆に行けなかった分9月のシルバーウィークに旅行した人がいることなどが挙げられる。またウィルスの特性から乾燥した冬に広がりやすいことを考えると、年末年始が前年比50%の利用があるとは思えない。そう考えると12月~2月の冬の臨時列車運転でも前年より運転本数を減らすのだろう。
3. 結び
今回の2020年東海道・山陽新幹線秋の臨時列車運転では、前年よりも大幅に臨時列車を削減しているほか、山陽新幹線で全席指定の「ひかり」を運転することとなった。
今後東海道・山陽新幹線でどのような臨時列車を運転するのか、見守ってゆきたい。
コメント