恐れていた!快速シティライナーの昼間消滅宣言と可部線の終電救済! JR西日本広島支社・広島高速交通アストラムラインダイヤ改正(2021年3月13日)

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恐れていた!快速シティライナーの昼間消滅宣言! JR西日本広島支社・広島高速交通アストラムラインダイヤ改正(2021年3月13日)

2021年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

JR西日本広島支社は2020年12月18日、プレスリリースにて2021年3月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 2021年3月ダイヤ改正について )。今回はこのうち広島県内のJR西日本在来線及び広島高速交通アストラムラインのダイヤ改正について見ていく。

2021年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 山陽線快速シティライナー大幅削減へ

今回の2021年3月13日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、管内の広い範囲にわたり大幅な減便を行う。

全国的に前年比20%程度旅客減となっているため、広島県内でも大幅な減便を行う。

広島~岩国間にて土休日に運転している山陽線快速シティライナーは、昼間毎時2本の20往復から朝夕のみの4往復に激減することとなった。これにより広島~大野浦間は昼間は快速毎時2本と普通毎時4本の合計毎時6本から普通のみの毎時4本に33.3%も減便することとなった。全国の旅客減と比べても極めて大きい減便となったのは快速シティライナーが宮島観光向け列車の側面が強かったからだろう(もっとも山陽新幹線との接続は悪かったのだが)。

まあ今回のダイヤ改正で快速シティライナーを完全廃止せず4往復残したことを考えると今後昼間の毎時2本運転を復帰させる可能性は十分考えられるのだが、当分の間は難しいだろう。なおこれにより土休日朝夕ラッシュ時は昼間の毎時4本より多い毎時5本での運転となる。

このほか山陽本線では三原〜白市間を昼間毎時2本から毎時1本に半減することとなった。なぜ空気輸送にも関わらず昼間も毎時2本運転していたかというと広島〜福山間の広島交通高速バスと競合したかったからだろうが、完全にあきらめ新幹線誘導にすることにしたようだ。

ただ利用の少ない西条〜白市間で昼間の減便を一切行っていないため、白市を境に昼間の運転本数が毎時4本と毎時1本に分かれることとなる。ある駅を境に半減するのはわかるが、75%も運転本数が減ることなんてあるだろうか。

また大野浦~岩国間は昼間毎時3本から毎時2本に減便し、輸送力を33.3%低下する。とはいえ影響を受けるのは4駅しかないこと、岩国で連絡する徳山方面の列車が昼間約40分間隔から1時間間隔に減便すると思えば接続改善になるわけで、影響は比較的小さかろう(もっとも五日市~大野浦間で毎時3本化しようものなら相当不便になるが)。




2. 可部線・芸備線でも減便実施へ

今回の2021年3月13日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、可部線や芸備線でも昼間の減便を行う。

可部線では昼間緑井〜あき亀山間を毎時3本から毎時2本に削減し、輸送力を33.3%削減する。

まあ可部まで昼間毎時2本というのはお隣の芸備線も下深川・狩留家まで昼間毎時2本なのであながち間違いではない感じもするが、可部線が昼間緑井〜あき亀山間を毎時3本から毎時2本に減らしたものの30分等間隔運転とせず20分間隔と40分間隔の交互にしたのは、社会実験として2012年3月17日ダイヤ改正より実施したJR東日本越後線内野〜吉田間で昼間1時間間隔から40分間隔に増発した際に、かえってわかりにくくなり利用者が減ったため社会実験を打ち切って昼間1時間間隔に戻した苦い教訓を活かしているのだろう。

また可部へは広島交通や広電バスなどのバスの方が圧倒的に運転本数が多いし広島市中心部の紙屋町・八丁堀まで直通で行けるので利便性が高いが、広電バスも4月1日から上根吉田線にて1往復あった平日土曜の朝夕運転の下土師発着を廃止し減便するほか、昼間の上大林始発終着の毎時1本を削減するなど大幅な減便を図っている。人口減少が続き合わせて8万人しかいない八木と可部は減便しなくてはならない時がいつかは来るのだ。

また芸備線では広島~下深川間の昼間毎時2本運転は保つものの、下深川~狩留家間は昼間毎時2本から概ね毎時1本に削減することとなったほか、昼間の志和口始発終着(平日は2往復・土休日は1往復)が下深川始発終着に短縮することとなった。

芸備線沿線も過疎化がかなり深刻で、並走する中国JRバス雲芸南線は2003年に路線の大半を備北交通や広交観光に転換したほか、中国JRバス雲芸南線の2015年以降深川台発着は広島交通のみの単独路線になったほか研創(上深川)発着も毎時1本あったものが今では平日3往復・土休日2往復までに激減している(この区間は広交観光井原線や広島バス深川線などもあるが、ともに1日数往復しかないので中国JRバス雲芸南線の減便はかなり痛い)。しかも広島駅~三次間は広電バスや備北交通の高速バスが毎時2本運転していることを考えると、JR西日本芸備線の昼間毎時1本運転を維持しろという方が無理があったのだろう。

なお呉線呉~広間は平日夕ラッシュ時も毎時3本のみにも関わらず昼間は毎時3本のまま維持し減便しなかった。昼間は快速安芸路ライナー(呉~広間各駅に停車)の毎時2本だけに減便しても良かったのではないかとは思うが。




3. 終列車繰り上げ実施へ

今回の2021年3月13日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、各方面で終電繰り上げを行う。

まあ広島都市圏より都市圏人口の多い岡山都市圏ですら最終の新幹線からの接続は山陽本線24時07分発普通倉敷行きと瀬戸大橋線24時12分発快速マリンライナー77号高松行きしかなく(むしろマリンライナーの最終があるのは岡山都市圏のためというより高松都市圏のためと言っても過言ではない)、それより都市圏人口の少ない広島都市圏の最終の新幹線接続が4方面もあるのが多いのである。

では各方面別に今回のダイヤ改正でどのように終電が繰り上がるのか見ていこう。




3.1. 山陽本線は終電繰り上げも新幹線接続を引き続き確保へ

まず山陽本線。東行きは広島24時07分発西条行き最終を広島24時03分発に、西行きは広島24時08分発岩国行き最終を広島24時04分発にそれぞれ4分繰り上げることとなった。これらの列車は引き続き東京19時51分発「のぞみ109号」広島行き最終新幹線から連絡できるため、一種の接続改善と言えよう。

もし最終新幹線からの接続範囲を岡山都市圏における終電範囲にまで縮めるのであれば、広島駅で連絡するのは山陽本線普通五日市行きと普通瀬野行きだけでもよかったのではないかとは思うが。




3.2. 呉線で終電大幅繰り上げへ

次に呉線。終電は広島24時11分発広行きから広島23時32分発広行きに39分繰り上がるほか、可部線の終電は広島24時05分発あき亀山行きから広島23時41分発あき亀山行きに24分繰り上がるので、東京19時51分発「のぞみ109号」広島行き最終新幹線から連絡できなくなる。

ちなみに呉線は標準乗り換え時間が7分のところ乗り換え時間が5分しかない東京19時30分発「のぞみ107号」岡山行きの臨時広島行き延長からも連絡できなくなるのだが、この「のぞみ107号」の広島行き延長は2019年までは週3日程度行っていたのでそこそこ頻度があったのだが、このご時世で旅客が減ったので今後復活する気はないようだ(2021年4月も山陽新幹線では当初計画していた臨時「のぞみ」の全運休が決まったが、この「のぞみ107号」の広島行き臨時延長はそもそも当初の臨時列車運転計画にも設定がなくなっていたので)。




3.3. 可部線で終電大幅繰り上げもアストラムラインと広島交通深夜バスで救済へ!

次に可部線。今回のダイヤ改正で広島24時05分発あき亀山行き最終を廃止し、広島23時41分発あき亀山行きが可部線の最終となり終電が24分繰り上がる。これにより東京19時51分発「のぞみ109号」広島行き最終新幹線から連絡できなくなる。

ただし広島高速交通アストラムラインの最終は変わらないので山陽本線最終普通岩国行きに乗車し隣の新白島でアストラムラインに乗り換えれば大町に着くことができるほか、2021年3月1日から一部で運転を再開した平日土曜運転の広島交通深夜バス広島駅24時15分発サンハイツ行きを使えば安芸長束・下祇園・古市橋の3駅も救済できる。

ただこのご時世で深夜バスの旅客需要が激減したため、2019年まで設定があった広島駅24時30分発可部経由勝木行きは運休を継続するのである(おそらく事実上の廃止)。そうなると可部線緑井から先の各駅への救済はなく、平日も含め東京19時51分発「のぞみ109号」広島行き最終新幹線から連絡できなくなるのである。せめて広島駅23時55分発可部経由桐陽台行き深夜バス最終を5分繰り下げ広島駅24時00分発とすればなんとか救済できるのであるが、佐東と可部を合わせてついこの前人口が10万人を切った一方で未だに人口増加の続く祇園と安古市だけ終電接続を良くしておけばいいというのはあながち間違いではない。

(2021.3.20 追記)しかし広島交通は動いた。なんと2021年4月1日より広島駅23時55分発可部経由桐陽台行き深夜バス最終を10分繰り下げ、広島駅24時05分発としたのだ。これにより広島到着の最終の新幹線から連絡可能となり平日土曜は東京19時51分発「のぞみ109号」広島行き最終新幹線から可部線緑井~可部への各駅へも救済できるようになった。まあ厳密には安佐北区内でも河戸帆待川とあき亀山は救済されないのだが、可部中央から歩いてくれ。

なお広島交通深夜バスの場合広島駅~可部は920円かかる。可部は広島市内なので普通乗車券であれば東京や新大阪から乗れば差額ゼロだし、EX-ICやプラスEXなどのICカード利用でも可部線330円で済むのだが、タクシーより安いんだし救済されるだけマシだと思われるべきだろう。

まあそれでも広島交通深夜バスにかける運賃を安くしたいのであれば、広島駅で山陽本線最終岩国行きに乗車後横川で広島交通深夜バスに乗り換えればいい。そうすれば可部駅前まで800円、可部中央・可部上市まで840円で向かうことができるので広島市内行きの乗車券利用の場合は多少節約することができる。




3.4. 芸備線で終列車繰り上げへ

最期に芸備線。終列車は広島23時46分発下深川行きから広島23時20分発下深川行きに26分繰り上がる。まあこれについては東京19時30分発「のぞみ105号」広島行きからの乗り換え時間が39分から13分に減るし、後続の東京19時30分発「のぞみ107号」岡山行きの広島行き臨時延長はあきらめたようだし、広島交通の深夜バスであれば下深川までなら広島駅23時48分発高陽車庫行きに乗れば平日と土曜はこれまでの芸備線最終とほぼ同じ時刻まで利用できるしかつ高陽地区ではJRの駅より住民に身近な広島県道37号線沿いに直接行くことができる。このことから実質下深川への最終が繰り上がるのは日曜祝日のみで、ほかは広島交通深夜バスで救済できるため影響は小さい。

ただ志和口への最終は広島23時11分発から22時39分発に32分繰り上がるほか、三次への最終は広島22時11分発から21時09分発に1時間02分も繰り上がるのだ。おいおい、備北交通の高速バスは2021年4月1日に最終が繰り上がっても三次行き最終は平日は広島駅新幹線口22時15分発、土休日は広島駅新幹線口21時45分発だし、三次経由庄原行きでさえ広島駅新幹線口21時15分発なのだが。

まあ三次は芸備線の駅で最初にみどりの窓口をみどりの券売機プラスで置き換えた駅なので、もはやJR西日本が営業する気がないのは重々承知ではあるが。JR西日本が定例記者会見で路線の廃止を進めたいまで踏み込んで言っていたが、まさか三次市内全線廃止の可能性まであるとは。

ただ、東京からの新幹線最終「のぞみ109号」は広島に23時52分に到着するのだが、鹿児島中央や博多からの最終「さくら410号」広島行きは広島に22時59分に到着するし小倉からの最終「こだま878号」福山行き最終は広島に23時19分に到着するのである。そう考えると23時30分頃に広島駅からの在来線の最終列車を出すのは九州・山口県からの利便はほぼ損なわなくなっている。

なお昼間の減便のない呉線はもちろんのこと、昼間に減便した山陽線及び可部線では朝夕の減便を行わないどころか可部線では混雑分散のために平日朝ラッシュ時の緑井7時02分発広島行きを梅林6時55分発広島行きに延長することとした。

また芸備線では平日夕ラッシュ時の快速みよしライナーを廃止し、三次行き普通列車を40分間隔で運転することとした。このほか平日運転の三次6時19分発広島行きを狩留家7時24分発広島行きに短縮したことで恐らく5両から4両への減車を図っているのだが、そもそも1運用削減するので5両が浮く見込みだ。キハ40系列の老朽化が進みながらも今のところ車両置き換えの予定がないJR西日本では極力車両運用数を減らすことで部品取り車を用意し残りの車両を維持することもできるし、今後普通列車用気動車の置き換え時に用意する車両数を減らせるので一石二鳥となりそうだ。

ちなみに竹原は2021年2月28日を以てみどりの窓口を廃止し、みどりの券売機(プラスなし)に置き換わった。




4. アストラムラインで夜間に減便へ

今回の2021年3月13日広島高速交通アストラムラインダイヤ改正では、2019年3月4日ダイヤ改正以来約2年ぶりにダイヤ改正を行う。

今回のダイヤ改正では夜間に減便を図ることとなった。

平日夜間は本通20時台発を8分間隔から10分間隔に延長し輸送力を20.0%減少するほか、本通21時台発も9分間隔から10分間隔に延長し輸送力を10.0%減少することとなった。さらに本通22時台発は10分間隔から13分間隔に延長し23.0%減少したほか、本通23時台は11分間隔から13分間隔から延長し15.4%減少した。21時台以降に2両~4両の運転(平均3両)から全列車4両運転に増結して輸送力を増加したお隣のJR西日本可部線とは大違いである。

なおアストラムラインでは本通24時11分発長楽寺行き最終は据え置いたのだが、運転間隔を延ばした影響で広域公園前行き最終は本通23時51分発から23時45分発に6分繰り上がることとなった。

なお土休日夜間の23時台の減便はこれまで広域公園前行きの最終を平日と同時刻で設定するために23時30分以降11分間隔で運転していたものを22時台同様15分間隔に延ばすこととなった。


5. 結び

今回の2021年3月13日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、各方面で減便を図ることとなったほか、終列車繰り上げにより東京からの最終新幹線から連絡できるエリアが減ることとなった。

ただし可部線沿線の一部はアストラムラインや広島交通深夜バスを活用すれば最終の新幹線からも連絡可能であり、比較的多くのエリアで救済は行えそうだ。

今後JR西日本広島支社で快速シティライナーの復便はあるのか、またどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

コメント

  1. Kaisoku-Hiroshima より:

    山陽線では朝夕の減便は行われなかったと書かれていますが、実際には五日市~岩国で3往復減らされています。

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