JR東日本は2021年1月13日、プレスリリースにて1月20日にダイヤ改正を行うと公表した( 終電付近の一部列車運転取りやめについて )。今回はこれについて見ていく。
2021年1月20日実施の東京都市圏23社局ダイヤ改正はこちら!
1. 終電繰り上げを別時刻で早期実施へ
今回の2021年1月20日JR東日本ダイヤ改正では、東京都市圏各線で終電繰り上げを行う。
この急な終電繰り上げは国土交通省からの要請なのだが、JR東日本としても少しでも駅営業時間を短縮し列車走行キロを減らすことで経費節減をしたいようだ。なお実施時期は当面の間としているが、ほぼ次の2021年3月13日ダイヤ改正まで続くと考えてよさそうだ。
ただこの終電繰り上げ、当初から予告していた2021年3月13日ダイヤ改正とは別時刻で設定することとなった。
これは実施が急に決まったことから23時以降の大規模な列車整理を行うことができず、列車運休と回送化で済ませたところが大きい(もっとも韓国ソウル首都圏電鉄では2020年にダイヤ改正前日に終電の最大40分繰り上げを公表したので、それと比べればはるかにマシではあるのだが)。
また2021年3月13日ダイヤ改正では終電繰り上げを17線区で実施するが、今回の2021年1月20日ダイヤ改正では11線区に抑えられている(JR東日本公表の線区数をそのまま掲載)。今回の1月20日ダイヤ改正で終電が繰り上がるのは山手線、京浜東北・根岸線、中央・総武線各駅停車、中央線快速、常磐線快速、東海道線、横須賀線、京葉線、武蔵野線、埼京・川越線となっており、それ以外の高崎線・両毛線・宇都宮線・南武線・横浜線・青梅線は今回の1月20日ダイヤ改正では終電が繰り上がらないこととなった。このほか今回の1月20日ダイヤ改正では初電の繰り下げは行わない。
では1月20日ダイヤ改正ではどのように終電繰り上げを実施するのだろうか。
まず全体傾向として、今回のダイヤ改正は既存列車の運休及び回送化のみで終電を繰り上げる。この既存列車の繰り上げ幅は原則3月13日ダイヤ改正での終電繰り上げ幅よりも小さく設定しており、原則3月13日ダイヤ改正より終電が早くなることはない。逆に言えば、今回の1月20日ダイヤ改正で終電繰り上げを行う線区の多くは2か月以内に2回終電が繰り上がると言っても過言ではない。
では各線ごとにどのように終電を繰り上げるのか、見ていこう。
2. 山手線の終電繰り上げで私鉄連絡も変更へ
今回の2021年1月20日JR東日本ダイヤ改正では、山手線で終電繰り上げを行う。
そもそも2021年3月13日ダイヤ改正時点の終電繰り上げは2020年時点の私鉄各線の終電全てと接続できるように設定しているため、山手線から他社線に乗り継ぐ場合の終電は今回の1月20日ダイヤ改正の運休列車設定の工程を考えればでは変わりはないはずなのだ。
しかし今回の1月20日ダイヤ改正では大崎23時56分発内回り大崎行きを池袋行きに短縮したことで、3月13日ダイヤ改正時点と比べても6分終電が繰り上がることとなった。
これにより池袋から小田急線新宿24時53分発各駅停車経堂行き最終や京王新線新宿24時55分発各駅停車桜上水行き最終に連絡する山手線が14分繰り上がることとになるのだが、そもそも小田急も京王もこの終電を運休し終電を繰り上げることが決まったため結果問題なくなったようだ。
なお今回のダイヤ改正で外回りの最終は大崎24時24分発池袋行きとなるが、1月20日ダイヤ改正時点では池袋着24時50分着であるが3月13日ダイヤ改正で新宿→池袋間で3~4分繰り下がり池袋24時54分着に繰り下がる。
3. 京浜東北・根岸線では大幅な終電繰り上げへ
今回の2021年1月20日JR東日本ダイヤ改正では、京浜東北・根岸線で終電繰り上げを行う。
京浜東北・根岸線でも3月13日ダイヤ改正時点より遅い時刻に運転している列車を部分運休することにより終電繰り上げを図る。これにより東京・品川から川崎・横浜への最終が31分繰り上がるのはまだわかる。ただその川崎・横浜への最終列車は桜木町行きではなく磯子行きになるのだ。おいおい、終電に混雑が集中しすぎやしないだろうか…
4. 東海道線では終電繰り上げをそのまま実施へ
今回の2021年1月20日JR東日本ダイヤ改正では、東海道線でも終電繰り上げを行う。
ただ、そもそも東海道線の終電繰り上げは東京23時54分発最終小田原行きを最終平塚行きに短縮するだけだった。このため本来3月13日ダイヤ改正で実施予定だった終電の運転区間短縮をそのまま実施を1月20日に繰り上げただけである。
ちなみに横須賀線でも逗子→久里浜間は本来3月13日ダイヤ改正で繰り上げるはずだった終電繰り上げをそのまま1月20日に実施を繰り上げただけだが、大船→逗子間の終電繰り上げは今回の1月20日ダイヤ改正では見送ることとなった。
5. 常磐線では快速のみ終電繰り上げへ
今回の2021年1月20日JR東日本ダイヤ改正では、常磐線では快速のみ終電を繰り上げる。
が、常磐線快速に限っては3月13日ダイヤ改正と比べても実施が概ね10分程度ゆるいほか、上野24時34分発の快速は我孫子行き最終から松戸行き最終に繰り上がるのだが、各駅停車の終電を繰り上げなかったので終点松戸で各駅停車我孫子行き最終に連絡できる。これにより北松戸~我孫子間の各駅は上野・北千住からの終電が変わらないのだ。
しかも常磐線各駅停車は終電を繰り上げなかったのだが、3月13日ダイヤ改正で終電繰り上げをほぼ行わない東京メトロ千代田線が1月20日ダイヤ改正でまさかの終電繰り上げとなった。これにより常磐線各駅停車最終我孫子行きは代々木上原始発から北千住始発に短縮することとなった。おいおい、松戸行きならまだしも最終我孫子行きは北千住始発にしてまで残したい列車なのだろうか?
なお取手~勝田間の終電繰り上げは今回1月20日ダイヤ改正では行わない。
6. 新幹線連絡も一部不可能に
今回の2021年1月20日JR東日本ダイヤ改正では、一部の駅で最終の新幹線からの連絡ができなくなる。
とはいえ、多くは2021年3月13日ダイヤ改正での終電繰り上げより規模が小さいため、2021年3月13日ダイヤ改正では最終の新幹線から到達できなくなる駅でも2021年1月20日ダイヤ改正での終電繰り上げではまだ到達できるところもある。
そもそも今回の1月20日ダイヤ改正では南武線や青梅線は終電繰り上げ対象から除外となったため、3月13日ダイヤ改正で東海道新幹線最終「のぞみ64号」東京行きから到達できなくなる予定の中野島~稲城長沼間や西立川~青梅間の各駅には引き続き到達することができる。また常磐線上野24時12分発快速取手行きは残るため東海道新幹線最終「のぞみ64号」東京行きから天王台・取手の両駅に到達することは引き続きできる。
7. 結び
今回の2021年1月20日JR東日本ダイヤ改正では、深夜時間帯の列車の運休・回送化により終電を繰り上げることとなった。
今後JR東日本でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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