ウィング号増結と品川から逗子への直通列車誕生へ! 京急電鉄・京成電鉄ダイヤ改正(2021年3月27日/2021年5月6日)

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ウィング号増結と品川から逗子への直通列車誕生へ! 京急電鉄・京成電鉄ダイヤ改正(2021年3月27日/2021年5月6日)

京急電鉄は2021年1月27日、プレスリリースにて3月27日にダイヤ改正を行うと公表した( 京急線ダイヤ改正を実施します )。また京成電鉄は2021年1月27日、プレスリリースにて3月27日にダイヤ改正を行うと公表した( 京成線の一部区間で最終列車と始発列車の時刻を変更します )。今回はこれらについて見ていく。

1. 終電繰り上げ実施で品川からの特急逗子葉山行き誕生へ

今回の2021年3月27日京急電鉄ダイヤ改正では、京急電鉄の広い範囲で終電繰り上げを行う。

と言っても、2021年1月20日から急遽行った平日の終電を繰り上げとほぼ同じく平日の終電運転区間を短縮し概ね土休日と同水準にするだけなので、実は3月27日を境とする変化はそこまでない。ただそんな中でもいくつか変化したところを紹介していこう。

まず、品川方面から逗子葉山への最終は2021年1月20日以降は品川を23時32分に出発する都営浅草線からの特急京急久里浜行き最終に乗車後金沢八景で階段昇降して乗り換えていた。しかし今回のダイヤ改正からは泉岳寺23時41分発特急金沢文庫行き最終を逗子葉山に延長することとし、品川から逗子葉山への最終を23時32分から23時46分に14分繰り下げることとなった。これにより品川や横浜からの最終は横須賀中央への最終より逗子葉山への最終の方が遅くなることとなった。

なぜこのような時刻設定にしたかというと、JR東日本横須賀線の最終が横須賀・久里浜へは品川23時31分発から23時12分発に繰り上がり京急の方が圧倒的に終電は有利なのに対し(そもそも対横須賀・久里浜へは運転本数からしても京急が有利なのは言うまでもない)、逗子への最終は品川23時59分発から23時43分発に16分繰り上がるにとどまり、1月20日からは京急の方が終電が早くなってしまっていた。

そこで今回のダイヤ改正で泉岳寺始発の特急逗子葉山行きを運転することで金沢八景での階段昇降乗り換えをなくして利便性を大幅に向上するほか、行先で逗子を名乗ることによりJR横須賀線からの終電客を取ろうとしているのではないだろうか。

ちなみに逗子線は朝と深夜に特急の運転があるが、朝の逗子葉山発都営浅草線直通の2本を除き逗子線と品川方面への直通列車はないし、特急逗子葉山行きは全て羽田空港始発である。つまり2020年時点で品川から逗子葉山への直通列車の設定はなく、今回のダイヤ改正で設定する泉岳寺23時41分発特急逗子葉山行きは品川から唯一の逗子葉山直通列車となるのだ

ただ今更ながらではあるが、JR横須賀線逗子と競合したいのなら品川~逗子葉山間の運賃を特定運賃などで50円程度値下げするほか(というか品川~横須賀中央間の運賃と同一なのが信じられない)、昼間は品川~金沢文庫間で快特毎時6本中毎時3本を8両から12両に増結して増結4両を逗子葉山発着で運転した方が利便性が高く見えるのだが。




このほか京急本線では都営浅草線からの泉岳寺23時48分発エアポート急行羽田空港行きを特急神奈川新町行き(終点神奈川新町で普通金沢文庫行きに連絡し上大岡まで先着)に変更する。なおこの特急神奈川新町行き最終は京急蒲田で羽田空港23時48分発の品川行きから変更したエアポート急行神奈川新町行きと連絡するのだが、品川~神奈川新町間での特急と急行の停車駅差は立会川と京急鶴見しかないのよ、エアポート急行の新町入庫も兼ねているのだろうが特急の入庫が増えた以上エアポート急行を京急蒲田行き普通に短縮して都営浅草線からのエアポートに行かない急行神奈川新町行きにしても良かったのではないだろうか。

また品川24時04分発エアポート急行羽田空港行きを繰り上げ品川23時58分発エアポート急行羽田空港行きに繰り上げ、京急蒲田で品川を24時02分に出発する特急金沢文庫行き最終から連絡を受ける。これにより実質品川から羽田空港への最終は2分しか繰り上がらないのだが、なんだか立会川から横浜方面への救済にしか見えないのである。どうせ青物横丁と平和島もエアポート急行で救済できるんだから最終金沢文庫行きを特急から快特に上げてもいいのではないかとも思うが、神奈川新町で普通上大岡行き最終に連絡することを考えると快特に格上げできなかったのだろう。

なお都営浅草線は行先変更を行うだけで、ダイヤ改正を実施しない。このため平日の京急直通列車の終電は2021年1月20日からの終電繰り上げ同様品川行きで設定する。この京急直通最終列車は成田空港23時00分発アクセス特急なのだが、土休日は西馬込行きで運転していることを考えると平日も西馬込行きにして泉岳寺→品川間の終電を繰り上げても良かったとは思うが。

このほか土休日の終電繰り上げはない。

なお、2020年4月より実施している平日及び土休日昼間の品川〜京急蒲田間の4両普通車毎時3本は復帰のないまま今回のダイヤ改正を以て廃止することとなった。まあ京急で一番利用が多いのは横浜〜上大岡間なので昼間の半数がそれより毎時3本多いのは明らかに空気輸送なのだし毎時6本の普通車でも十分運べるのだが、エアポート急行の快特格上げによる救済と横浜方面からの快特との連絡も兼ねていたことから運転していた。

ただこの毎時3本の4両普通車がなくなったことにより北品川〜梅屋敷間の各駅と横浜方面への連絡は最悪で、快特も普通車も10分おきで来るのに7分待ちを平気でさせるのだ。おかげさまで横浜方面から特急停車駅の青物横丁に行くには、快特に乗車後京急蒲田で普通車に乗り換えるより品川まで行って折り返して普通車に乗った方が早く着く始末である。4両普通車の廃止は致し方ないが、せめて横浜方面との連絡を図るために本線快特が普通車を抜かす平和島に昼間だけ快特を停めて、代わりに京急蒲田を通過としても良かったのではないだろうか(もっとも京急蒲田から昼間に品川に行くには毎時4.5本の羽田空港発着の快特があるわけだし、京急川崎へは普通車でも3駅しかないし京急川崎ですぐに快特に乗り換えられるんだ、心の器の小さい大田区長さえ抑えられれば問題は小さかろう)。




2. ウィング号増結で12両化へ!

今回の2021年5月6日京急電鉄ダイヤ改正では、朝に運転するウィング号の一部を8両から12両に増結するとしている。

三浦海岸6時09分発「モーニング・ウィング3号」品川行きを金沢文庫→品川間で8両から12両に増結するとしているが、増結する1000形1890番台4両はクロスシート車とはいえ3ドアで座席設定が少ないため、座席数は2ドアの2100形2両分程度しかなく座席数で見ると計10両編成分しかない。大幅に増やすと言ってはいるが、539席から667席へ増えることから23.7%しか増えないのだ。まあもっとも現時点で三浦海岸は0.5両、横須賀中央は2両分しか座席確保がないので同程度の座席を引き続き確保できるし、その分8両編成の運転距離が短くなるので消費電力量もそこまで上がらないと言われればそれまでなのだが。

逆に2両分の座席しかない金沢文庫や3両半程度の座席のある上大岡の座席配分を増やすのだろう。




3. 京成電鉄では終電繰り上げのみならず初電繰り下げ実施へ

今回の2021年3月27日京成電鉄ダイヤ改正では、本線を中心に初電繰り下げと終電繰り上げを行い運転時間を縮小する。なお京成電鉄では2021年1月20日からの終電繰り上げでは都営浅草線と直通する列車でしか行っておらず、本線の終電は変わっていない。

まずは初電。宗吾参道→津田沼間で概ね4分、津田沼→上野間で概ね10分終電が繰り下がる。ただ、初電が繰り下がると言っても一番列車は上野には5時15分に到着するので他の私鉄と比べても遅いわけではない。

次に終電。土休日は1分程度の終電繰り上げにとどまっておりあまり変化はない。一方平日は最大で19分繰り上がっているが、概ね土休日の終電に合わせただけである。最終の速達列車が都営浅草線からの通勤特急佐倉行きから上野始発快速佐倉行きに変更し格下げしたのも土休日に合わせただけである。

このほか西馬込22時59分発通勤特急成田行き最終は快速特急に格上げし成田到着を8分繰り上げることで運用時間を短縮し、通過駅救済は津田沼で連絡する最終普通成田行きに任せることとした。


4. 結び

今回の2021年3月27日京急電鉄及び京成電鉄ダイヤ改正では、運転時間帯の縮小を行うものの朝夕の通勤時間帯や昼間の運転本数は変わらないこととなった。

今後京急電鉄や京成電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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