東武鉄道は、4月29日からゴールデンウィーク中に浅草発着の東武日光行き臨時列車を運行すると市販の時刻表で公表した。今回はこれについて見ていく。
追加情報:掲載当日午後に公式プレスも出ました( http://www.tobu.co.jp/file/pdf/48dcbc7d0f7beb83b9a34dab51cb5362/newsletter_170425_2.pdf?date=20170425175908 )
1. 東武快速、廃止僅か9日後の復活
今回2017年4月~5月の臨時列車の運行では、浅草~東武日光間に臨時列車を2往復運行する。
停車駅は浅草、とうきょうスカイツリー、北千住、春日部、東武動物公園、南栗橋、栗橋、板倉東洋大前、新大平下、栃木、新栃木、新鹿沼、下今市、東武日光であり、2017年4月21日のダイヤ改正以前に運行していた快速から南栗橋と栗橋に増停車しており、4月21日のダイヤ改正で設定された東武日光線急行・区間急行同様JR宇都宮線との接続を図ろうとしているのであろうか。運転時刻は下り列車浅草発が8時09分と9時08分で、上り列車東武日光発が15時13分と17時27分である。
これまでの臨時快速は朝の春日部→東武日光と東武日光→浅草間を1本ずつGWや秋の行楽期間に1800系6両編成を使用して運行されていたが、今回は2往復設定されており、同日運行される東武鬼怒川線臨時列車(鬼怒川線内各駅停車)も含めると最低3運用が必要となり、1編成しかない1800系では足りない。1800系の改造種別である300系はさよなら運転をしてしまったし、4両の350系は土休日は昼間に東武日光発着特急「きりふり」として運行されており、特急含め臨時列車運用に就けなくなった。また東武鬼怒川線臨時列車の上り列車が2本とも新栃木行きであることを考えると、南栗橋所属ではなく新栃木所属車になるのではなかろうか。となれば、運用されるのは6050系になるのではなかろうか。
追記(4月25日19時37分):公式プレスにて、浅草~東武日光間の臨時列車については6両編成1往復と4両編成1往復となりました。代走が発生しない限り、6両編成には1800系、4両編成には6050系が運用されることが濃厚です。
2. 分割併合無しでスピードアップ
今回運行される臨時列車は、浅草~東武日光間で運行され、鬼怒川線へは別列車で臨時に運行される。つまり下今市で10分程度かけて行われる分割併合を行うことなく東武日光に到着するのだ。
そのため2017年4月20日まで運行されていた快速と比べて所要時間が短縮され、5分~8分短縮された。浅草行き上りは区間快速との比較になるのでさらに所要時分が短縮されることとなる。そして下りは11分と12分、上りは7分と6分で東武鬼怒川線列車と接続をとるため、鬼怒川温泉方面にも下今市で乗り換えればたやすく向かうことができる。特に下り1本目はこの臨時列車運行日のみに運行される臨時列車で、そのためだけに鬼怒川公園発着で運行される列車である。もし夏以降も臨時列車が継続運行されれば東武ワールドスクウェアにも向かいやすくなるのであろう。これだけの便利列車をホームページに掲載してしまうと、料金不要のこの臨時列車にある一定の旅客が流れることが必須で(いっそのこと6050系で運行しておいてかつての快速急行「だいや」のように座席指定料金600円とってもよかったのではないかとも思うがそれはさておき)、せっかく新型車両まで入れた特急需要を逃したくないのであろう。
3. 結び
先日の2017年4月21日ダイヤ改正をもって定期運行としての東武本線系統の快速・区間快速は廃止された。しかし多客期臨時列車として運行してきた快速(またはそれに準ずる列車)は1往復から2往復に増発され、しかも上り下りともに浅草発着となり利便性が向上した。多客期臨時列車は300系などを用いて特急でも2017年4月16日まで行われていたが、ダイヤ改正により土休日運転に格上げされた。
東武本線快速も廃止されてしまったが、多客期臨時としての運行を増便し運行し続けるということは、利用者数次第で快速も土休日に限り復活することを示唆しているのではなかろうか?次期多客期でこの臨時列車2往復は生き残るのか、次回の東武鉄道のダイヤ改正でどうなるのか、非常に楽しみにしたい。
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