恐れていた!大和路快速短縮と新快速減便宣言! JR西日本臨時ダイヤ運転(2021年4月~5月)

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恐れていた!大和路快速短縮と新快速減便宣言! JR西日本臨時ダイヤ運転(2021年4月~5月)

JR西日本近畿統括本部は2021年4月26日、プレスリリースにて4月28日より大阪都市圏で臨時ダイヤで運転すると公表した( 一部列車の運転取り止めについて )。今回はこれについて見ていく。

2021年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 大阪環状線でさらに終電繰り上げへ

今回の2021年4月28日より実施のJR西日本近畿統括本部臨時ダイヤ運転では、4月28日より平日に限り大阪環状線で終電を繰り上げる。

そもそも大阪環状線の終電は前回2021年3月13日JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正にて全線で概ね20分程度繰り上げたのだが、今回の臨時ダイヤ運転ではさらに繰り上げることとなった。

今回減便するのは内回り・外回りともに2本ずつの計4本となっている。ただいずれも現在の終電を減便するものであり多くは半周で運転止めする列車のため、実質大阪環状線両回り各一周分の終電がなくなるとみて良い。これにより大阪環状線では10分程度終電が繰り上がる。

ちなみに今回運休する終電のうち大阪24時15分発京橋行きは和歌山・関西空港始発の紀州路快速・関空快速である。このことから表示上大阪環状線行きではない紀州路快速・関空快速大阪行きを一時的に設定することとなった

なお今回の大阪環状線終電繰り上げは東海道新幹線最終「のぞみ265号」から連絡する大阪24時02分発西九条方面天王寺行き及び大阪24時08分発京橋方面天王寺行きは残るため、最終の新幹線接続は従来通り行うことができる。ただし京阪・南海・近鉄では2021年4月29日以降全日で終電繰り上げを行うため(京阪は復便する可能性があるが南海・近鉄は固定化する可能性大)、大阪環状線最終から連絡できる私鉄列車はない。

なお今回は阪和線や大和路線の終電繰り上げは行っていないため最終新幹線からの連絡は従来通り阪和線は鳳まで、大和路線は王寺まで行くことができるが、付近を走行する南海や近鉄が終電を繰り上げ最終新幹線から連絡できなくなることを考えると近い将来阪和線や大和路線も最終新幹線からの連絡を取り消す可能性が否定できない。そう考えるとJR西日本の終電繰り上げは今後も続く可能性があるのではないだろうか。

なお今回の大阪環状線の終電繰り上げは期間中の平日のみの実施で、土休日の終電はそのまま据え置く。そう考えると解除後には終電が元に戻る可能性が高そうだ。




2. 新快速、土休日昼間に減便も先着本数ほぼ変わらず

今回の2021年5月1日より実施のJR西日本近畿統括本部臨時ダイヤ運転では、新快速のうち土休日昼間の毎時1本を運休する。

今回減便する新快速は大阪を9時30分から15時00分に発着する新快速のうち琵琶湖線野洲~JR神戸線姫路間を運転する5往復10本となっている。これにより山科~京都~大阪~三ノ宮・神戸~姫路間の土休日昼間の新快速は毎時4本から毎時3本に減便することとなったほか、新快速だけで見れば京都や大阪、三ノ宮でも昼間に30分間隔が空くことになってしまった。

そもそもJR西日本の前身国鉄大阪鉄道管理局が1970年10月1日ダイヤ改正より運行を開始した新快速だが、1972年3月15日ダイヤ改正より昼間は15分間隔でキッカリ発車をウリにしていた。そのほぼ運転開始当初からのウリであった新快速の昼間15分間隔運転を覆すほど利用が減っているようだ。

ただ今回の土休日昼間の新快速の減便、本当に毎時1本そのまま抜けた分完全に不便になるのだろうか。

そもそも琵琶湖線内では昼間は新快速毎時3本(ただし今回減便している時間帯のうち大阪着10時台・11時台は毎時4本)、普通(JR京都線内快速)毎時4本の運転であり、普通は15分間隔で均等に来るが新快速は通常ダイヤでも昼間は1時間に1回既に30分間隔が空く。なので今回の臨時ダイヤで野洲始発終着の新快速が昼間に毎時1本減っても琵琶湖線内の新快速が均等30分間隔になるだけなのだ。そう考えると琵琶湖線内での利用だけに限れば今回の減便の影響はほぼないと言っても過言ではない。

では京都や琵琶湖線各駅から大阪に行く場合はどうなるのだろう。現在JR京都線では大阪~京都間の直通列車が昼間は新快速毎時4本、快速毎時4本でともに15分間隔程度で運転しているが、快速は山崎付近で新快速に外側から抜かされるため先着は毎時4本となる。今回の臨時ダイヤで土休日昼間の新快速毎時1本が減便になるわけだが、快速の減便はないので新快速が減った分新快速に抜かれない快速が毎時1本発生する。つまり大阪~京都・琵琶湖線方面間の先着列車は均等15分間隔から7~23分間隔にバラつきは出るものの、先着昼間毎時4本に変わりはないのだ。しかも琵琶湖線・JR京都線快速は山崎付近で抜かれなければ三ノ宮・神戸まで先着する。つまり野洲・京都~神戸間の先着列車も先着昼間毎時4本に変わりはない。

ではJR神戸線こそは影響が出るのだろうか。JR神戸線内では昼間の快速が新快速に抜かれるのは兵庫と加古川なので、大阪~三ノ宮・神戸間は通常ダイヤの快速でも昼間は全て先着となる。このため今回の土休日昼間の新快速減便で先着毎時8本から毎時7本に減り、先着列車が三ノ宮基準で最大12分から最大15分に開く。

ただ大阪~明石・西明石間の先着列車は新快速毎時4本から新快速毎時3本と快速毎時1本の合計毎時4本に置き換わるので、こちらも先着列車の運転本数は昼間毎時4本に変わりないのだ。しかも快速でも阪神電車・山陽電車の直通特急とほぼ同じ所要時間で結ぶため、新快速がある分だけJR神戸線が有利なことは変わりない。

まあ2016年3月26日ダイヤ改正で新快速と普通電車との接続を切ったことで新快速通過駅から見た新快速の利用価値が大きく低下したのも奏したのだろうが、今回の新快速の土休日昼間の毎時1本減便で本当に先着列車が30分来なくなるのは姫路~神戸・大阪・京都の利用くらいに限られてしまうのだ。まあ姫路と神戸は同じ兵庫県内なので影響は比較的有りそうではあるが、このご時世で利用が減っていることを考えると大きく影響が出る旅客は極めて限定的であると言えよう(逆に言えば実効性があまりないとも言えてしまうのだが)。




3. 大和路快速天王寺止め設定へ

今回の2021年5月1日より実施のJR西日本近畿統括本部臨時ダイヤ運転では、平日・土休日ともに昼間の大和路快速のうち毎時2本で大阪環状線取りやめを取りやめ、大和路線天王寺止めで運転する。

今回対象となるのは概ね天王寺を大阪環状線内を10時~15時の間に運転する大和路快速毎時4本中毎時2本となっており、原則加茂始発終着の大和路快速が天王寺止めとなる。

ただおそらく大和路快速を天王寺止めにした後回送でJR難波折返しすることを考えると、大阪環状線と対面乗り換えできる新今宮までは営業してほしいとは思うが。

じゃあ大和路快速が昼間毎時4本中毎時2本を天王寺止めにするなら関空快速・紀州路快速も昼間毎時4本中毎時2本を天王寺止めにすればいいではないかと思うのだが、阪和線の列車を天王寺折返しにしようとすると阪和線地平ホームに入線させる必要があり分岐器切り替えが煩雑になること、天王寺での発着ホームを変えないために天王寺~JR難波間を回送させようにも近年223系はJR難波に乗り入れていないほか225系は乗り入れていないので乗務員訓練が別途必要になることから関空快速と紀州路快速は据え置くこととしたのだろう。

これにより大阪環状線では昼間毎時12本から毎時10本に減便し輸送力は16.7%減少することとなった。

ただ今回の大和路快速の大阪環状線内のみでの昼間の減便は宣言終了をもって復便するとしているものの、期間中全日実施となっており、先述の新快速の昼間の減便の土休日のみと比べると設定日数が多い。そう考えると今後臨時ダイヤの設定やダイヤ改正などで昼間の大阪環状線列車の恒久的な減便を図る可能性は考えられる。

ただ奈良方面への直通列車を減らすとなると他社競合も考えると得策とは言えない。そう考える今後と平日朝ラッシュ時の大和路線からの区間快速や阪和線からの直通快速のように快速は大阪環状線内全て各駅停車とし、周回列車の削減に走る可能性もありそうだ。




4. JRゆめ咲線で昼間減便へ

今回の2021年5月1日より実施のJR西日本近畿統括本部臨時ダイヤ運転では、平日・土休日ともにJRゆめ咲線で昼間に減便を図る。

この減便により期間中JRゆめ咲線は昼間15分間隔から30分間隔に半減し、輸送力・乗車チャンスともに50.0%低下する。

もっとも突如半減と言われると減らし過ぎだと思う人もいるかもしれないが、宣言期間中は沿線のユニバは休園だし、2001年3月1日にユニバーサルシティができる前までは桜島線は昼間は30分間隔しか運転がなかった(しかも103系6両編成)。そう考えるとユニバ休園が確定している現状ではユニバ開業前の運転本数に戻すのは至極当然の話だろう。

ただ今回の臨時ダイヤ運転では平日午前10時台~11時台のJRゆめ咲線直通列車の大阪環状線内の減便を図っている。確かにユニバ休園状態の今大阪から直通の電車を出す必要がないわけで運休するのは当然の対応ではあるのだが、土休日の同様の列車は前回2021年3月13日ダイヤ改正で減便済みなのだ。おいおいなぜついこの前のダイヤ改正の時に平日も同様の減便をしようと思わなかった。不思議で不思議で仕方がないのだが。


5. 結び

今回の2021年4月28日より実施のJR西日本近畿統括本部臨時ダイヤ運転では、比較的運転本数の多い大阪環状線やJR京都線・JR神戸線を中心に減便を図った。

今後どのように臨時ダイヤを組んでいくのか、見守ってゆきたい。

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