JR東日本は10月19日、プレスリリースにて2018年12月~2019年2月の冬の臨時列車について公表した( 冬の増発列車のお知らせ )。今回は2018年12月~2019年2月に運転される東北・上越・北陸の各新幹線の臨時列車について見ていく。
1. 東北新幹線は引き続き増加へ
今回の2018年12月〜2019年2月JR東日本冬の臨時列車運転では、東北新幹線で増発を実施する。それでは各シーズン同様、東北・北海道新幹線についてエリア別に前年同時期と比べながら見ていく。
1.1. 北海道新幹線では増加へ
JR北海道のプレスリリースによると、2018年冬の臨時列車運転では期間中北海道新幹線で59本(昨年比35本増、145.8%増)が運転される。
ここまでの増発に至ったのは、前年は1日最大1往復の増発しかされなかったが、本年は2年ぶりに1日最大2往復にまで戻したことによる。そのため一昨年比で比べると3本増、5.4%増となっており、ほぼ同水準であるものと思われる。このように考えると、今回の北海道新幹線の臨時列車の増発は、昨年絞りすぎた反動のようだ。
1.2. 新青森発着臨時「はやて」削減へ
またJR東日本秋田支社のプレスリリースによると、今回の2018年冬の臨時列車運転では期間中新青森発着の東北新幹線「はやぶさ」「はやて」は期間中548本(231本増、72.9%増)、秋田発着の秋田新幹線「こまち」は期間中267本(124本増、86.7%増)の運転となっている。
秋田新幹線「こまち」については2018年春の臨時列車運転より週末に2往復増発されたことにより大きく運転本数が延びることとなった。
そのほか、前回の繁忙期を含む2018年夏の臨時列車運転と比べて、上野9時18分発「はやて375号」新青森行きや東京10時28分発「はやて357号」新青森行き新青森10時32分発「はやて352号」東京行き、新青森14時32分発「はやて358号」東京行きの2往復4本の設定が消滅した。しかもこれらの列車の代替臨時列車が存在しておらず、純粋な減少となっている模様だ。
10月~11月の秋の臨時列車運転では新青森行き臨時「はやて」が消滅していたが、今回の冬の臨時列車運転で復活しているのは年末年始を含むため、更なる輸送力が必要であるからなのだろう。
ただこのペースでは、2019年3月ダイヤ改正時には新青森発着の臨時「はやて」は消滅する可能性が高そうだ。
なお、今回の冬の臨時列車運転では、夏・秋と設定されていた大宮6時00分発「はやぶさ101号」の設定が見送られた一方、三連休に運転される昼間の大宮発着臨時「はやぶさ」については継続設定されることとなった。
またJR東日本盛岡支社のプレスリリースによると、仙台以北を運転する東北新幹線の臨時列車運転本数は期間中701本(240本増、52.1%増)となっている。この増加分は主に新青森発着の「はやぶさ」がほとんどを占めている。そのため盛岡発着臨時「はやて」に関しては前年期間中1日しか運転されていなかった列車の設置見送りなどは発生しているが、臨時「やまびこ」とともに大きく変化していない。仙台~盛岡間でE2系が消滅するのはまだまだ先のようだ。
1.3. 東北新幹線各方面で増発へ
またJR東日本仙台支社のプレスリリースによると、郡山以北の東北新幹線の愛称別臨時列車増発本数が分かる。
12月~2月の期間中、「はやぶさ」は559本(前年比1本増、0.2%増)、「はやて」は62本(前年比13本減、17.3%減)、「やまびこ」は207本(前年比49本増、31.0%増)、「つばさ」は337本(前年比60本増、36.1%増)の臨時列車を運転することとなり、「なすの」を除く東北新幹線臨時列車は12月~2月の期間中1,133本(昨年比94本増、9.0%増)が運転されることとなっている。
これを見るに、「はやて」は新青森発着分が減ったくらいだが、「やまびこ」に関しては「つばさ」併結列車のみならず「やまびこ」単独運転も多く増えている。
一方、盛岡発着で増えていた「はやぶさ」が仙台基準で増えていないのは、2018年3月17日ダイヤ改正で東京~仙台間毎日運転の臨時「はやぶさ」のうち1往復が定期化されたことに伴うもので、それでも横ばいということは仙台発着定期「はやぶさ」の新青森延長運転日が大きく増えたということなのだろう。
また、東京~仙台間臨時「はやぶさ」も増強され、夏・秋と1往復が毎日運転の臨時「はやぶさ」が1往復設定されていたが、今回の冬の臨時列車運転より仙台16時57分発「はやぶさ60号」東京行きが仙台→東京間毎日運転の臨時列車として増発されることとなった。
2. 上越新幹線は微増へ
またJR東日本新潟支社のプレスリリースによると、今回の2018年冬の臨時列車運転では上越新幹線でも臨時列車が運転される。
12月~2月の期間中に運転される上越新幹線臨時列車は1,116本(47本増、4.4%増)となっている。東北新幹線ではE5系の追加投入に伴いE2系10両編成を新潟車両センターに移動し、上越新幹線用へと転用している。このため上越新幹線で運用されていたE4系8両編成(16両運転可能)が次々引退していき、1編成当たりの輸送力が低下している。そのための臨時列車の運転本数を増加させているものと思われる。
なお、2018年度より導入予定の上越新幹線向けE7系12両編成は、12月の導入は見送られた模様で、2019年3月ダイヤ改正にて導入される見込みとなった。
3. 北陸新幹線は全面減少へ
またJR東日本長野支社のプレスリリースによると、今回の2018年冬の臨時列車運転では北陸新幹線でも臨時列車が運転される。
12月~2月の期間中に運転される北陸新幹線臨時列車は870本(前年比26本減、2.9%減)となっている。愛称別内訳を見ていくと、「かがやき」は572本(昨年比12本減、2.1%減)、「はくたか」は14本(昨年比19本減、57.6%減)、「あさま」は284本(昨年比19本減、6.3%減)の臨時列車が設定され、全面的に減便となっている。
「あさま」に関しては2018年3月17日ダイヤ改正で定期列車が1往復増発されたため定期列車と合わせれれば増発されているが、「はくたか」については「あさま」の臨時延長となる最大1往復のみの増発となった。
今回の臨時列車運転では、史上初上野始発の臨時「かがやき」が運転される。運転されるのは上野7時48分発「かがやき545号」金沢行きで、12月8日のみに運転される。今後も東京駅の列車逼迫化により、北陸新幹線でも上野発着列車がさらに増えていくものと思われる。
4. 結び
今回の2018年12月~2019年2月東北・北海道・上越・北陸新幹線冬の臨時列車運転では、東北新幹線では臨時「はやて」が削減された一方、東京~仙台・新青森間運転の臨時「はやぶさ」が多く増発された。上越新幹線ではE7系の導入は見送られたものの、徐々にE2系によるE4系の置き換えが進んでおり、臨時列車も輸送力を補うかのように増発されている。一方北陸新幹線では金沢発着の「かがやき」「はくたか」で減少傾向にあり、徐々に安定しつつあるように思う。
今後2019年3月ダイヤ改正や春の臨時列車運転に向けて、東北・上越・北陸の各新幹線でどのようなダイヤ改正や臨時列車が運転されるようになるのか、北海道新幹線の青函トンネル内最高速度引き上げにより臨時列車の増発は実施されるのか、楽しみにしたい。
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