JR東日本長野支社は2021年8月18日、プレスリリースにて臨時列車を増発すると公表した( 大雨の影響に伴う8月19日(木)以降の運転計画について )。今回はこれについて見ていく。
1. 「しなの」運休で篠ノ井線臨時快速運転へ!
今回の2021年8月JR東日本長野支社夏の臨時列車運転では、中央本線特急「しなの」運休に伴い篠ノ井線で臨時快速列車を運転する。
今回設定する篠ノ井線臨時快速は塩尻・松本~長野間に合計4往復で、朝夕各2往復となっている。本来特急「しなの」は概ね毎時1本で定期列車だけで1日13往復の運転があるが、そももそも特急「しなの」は名古屋~中津川・長野県内の輸送のための列車であって、県内移動となる松本~長野間のみに限れば普通列車でも毎時1本程度の直通列車がある。このためすべての特急「しなの」運転分を臨時快速で補う必要はないだろう。
なおこのほか特急「しなの」運転区間のうち既に復旧している中央本線名古屋~南木曽間では特急運休に伴う救済列車の運転はない。名古屋~中津川間の快速毎時2本があれば十分と判断したのだろう。
もっとも中央本線特急「しなの」が運休しているのは、南木曽~塩尻間が不通になっているからなのだが、おそらくこの不通は1カ月程度で収まるものではなく、1か月程度かかる見込みだ。そう考えると今回設定した篠ノ井線臨時快速列車は長期的な設定となりそうだ。
2. 長期運休で路線廃止はあるのか
今回の2021年8月20日時点で長野県内のJR東日本及びJR東海の各線で運転を見合わせているのは、先述したJR東海中央本線南木曾~塩尻間のほか、JR東日本中央本線岡谷~辰野~塩尻間、JR東海飯田線伊那松島~辰野間となっている。
もっともJR東海中央本線南木曾~塩尻間は特急「しなの」運転再開に向け復旧させるだろうし、JR東海飯田線も橋梁1か所のみなので時間はかかってもおそらく復旧にかかるだろうし、運転系統上実質飯田線の中央本線岡谷~辰野間も復旧させるだろう。
ただ、中央本線辰野~塩尻間は復旧させるのだろうか。ほぼE127系2両編成による線内完結運転しかないほか、2019年度の輸送密度は547人/日・往復しかなく全長18.2kmしかないことを考えると、路線バスでも昼間3時間に1本程度あれば代替は十分可能で廃止になっても鉄道がなくなる市町村はない。
もっともみどり湖経由の中央本線がなければ定期列車だけでも毎時1本の特急「あずさ」を運転していたため復旧を急いだだろうが、2021年現在では長距離輸送は担っていない。そう考えると今回を契機に中央本線辰野~塩尻間を廃止する可能性は十分考えられただろう。
今のところ中央本線辰野~塩尻間は9月上旬の復旧を目指しているとしている。ただその間他の路線では行っているバス代行輸送は一切行わず、岡谷経由に乗り換えてくれと言う始末。しかも10月5日〜12月9日までの約2ヶ月間、毎週火曜日〜木曜日に昼間3往復を運休し保守点検するとか言い出すは、代行バスは運転しないから岡谷経由や地域振興バスでがんばれだの他に類を見ないほどの無気力である。だったらもはや鉄道としての存続意義がないのではないかと思うのだが。
3. 結び
今回の2021年8月JR東日本長野支社夏の臨時列車運転では、篠ノ井線で特急列車の運休に伴い臨時快速列車を設定することとなった。
今後JR東日本長野支社でどのような臨時列車を設定するのか、見守ってゆきたい。
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