新車調達一部削除も縮小して置き換えか! JR西日本ダイヤ改正予測(2024年3月予定)

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新車調達一部削除も縮小して置き換えか! JR西日本ダイヤ改正予測(2024年3月予定)

JR西日本は2021年8月、調達計画のうち保有車両を2021年4月時点のものに更新した( JR西日本の保有車両一覧 )。今回はこれから、今後の車両更新について見ていく。

1. 車両更新の遅延と文章削除実施へ

今回の2024年3月までに実施予定のJR西日本車両更新計画では、新たに見直しを入れることとなった。

そもそもJR西日本保有車両一覧はタイトルの通りある時点での保有車両一覧を表に書いているのだが、表の下部に車両更新計画を記載している。

保有車両一覧は毎年更新が行われており、2020年版から2021年版に置き換わる際に記述が変更している。主な変更点は以下の通り。

  • 381系約60両を2022年~2023年に置き換え→2023年~2024年に1年後ろ倒し
  • 113系・117系約170両を2022年~2025年に置き換え→記述削除
  • 681系・281系・283系約110両を2024年~2027年に置き換え→記述削除

これらの各車両別の記載変更によってどのように新製計画が置き換わっていくのか、見ていこう。




2. 381系は1年遅れで更新へ

まずは伯備線特急「やくも」に使用している381系。現在62両があるが、これを60両で置き換えようとしている。

2020年時点では381系を2022年~2023年に新車に置き換えるとしていた。しかし今回の車両置き換え計画では2023年~2024年に1年後ろ倒しとなっている。なお投入車両予定数に変わりはない。

ただ近年JR東日本E7系新幹線やJR北海道H100形・キハ261形、東京メトロの各種新型車両やそのほか東急新横浜線開業に伴う増結車製造などで車両製作所の製造ラインが埋まってしまっている。混んでいる時期に製造しては相場より高い値段がつきかねないため、まだ空いているであろう1年後にずらしたのだろう。

もっとも投入車両数を大きく減らすのであれば旅客減に伴いJR西日本が新造数を調整したともとれるが、今のところ大きく投入本数を削減する動きは見られない。

そう考えると381系の置き換え1年遅延は車両製造ラインの問題が大きく、JR西日本が積極的に遅らせているとは言えないだろう。



3. 681系・281系・283系の新車置き換え記述削除へ

次に681系・281系・283系の置き換え。2020年時点では2024年~2027年に合わせて約110両の新車を投入して置き換えるとしていたが、2021年時点では削除されている。

これは特急「サンダーバード」「はるか」の実質恒常的な減便と繁忙期の増結中止により1日の車両走行距離が大きく減っていることから台車の摩耗が少なくなり、朽ちるのが遅くなっていることが挙げられる。

また当初は北陸新幹線敦賀延伸による大阪~敦賀間の特急利用者増加も見込んでいたのだろうが、その増加見込みも大幅に見直さなくてはならない事態となっている。

このことから681系・281系・283系の車両置き換えは2020年計画の約110両から大幅に減らす可能性が高いほか、車両投入が遅くなることも考えられそうだ。

4. 113系・117系の新車置き換え記述も削除へ

次に113系・117系の置き換え。2020年時点では2022年~2025年に合わせて約170両の新車を投入して置き換えるとしていたが、2021年時点では削除されている。

JR西日本では113系と117系は合わせて208両保有しているが、これを2022年~2025年の間に170両で置き換えようとしていた。このことから当初から減車は織り込み済みなのだろう。なお113系と117系は京都支所に合わせて120両あることから、少なくとも京都支所分は置き換え対象としているのだろう。

ただ近畿統括本部では2021年よりJR京都線・JR神戸線快速用の225系を製造しており、玉突きで大和路線や奈良線・おおさか東線などの201系132両を置き換えようとしている。ただそうなると12両余計に投入していることになる。

また2022年3月実施予定のJR西日本ダイヤ改正で平日朝ラッシュ時のJR京都線・JR神戸線の減便で223系が最大で48両浮く可能性がある。このほか大和路線の減便で221系8両~16両が浮き、嵯峨野線も減便で4両~8両浮くとなれば、84両を捻出することができる。

さらに117系は定員が少ないこと、このご時世で利用が減っていることを考えると、平日朝夕の113系4両編成2本連結は223系6両編成に、117系6両編成は223系4両編成に置き換えてもおかしくない。そうなれば京都支所の113系・117系は223系の配置転配で置き換えが完了してしまう可能性は少なからずある。

ただ113系・117系は京都以外にも岡山電車区や福知山電車区にも配置があり、多少減車減便で運用数を削減するとはいえ新製車なしの配置転換だけで車両更新を行うにはさすがに無理がある。

そう考えると、113系・117系置き換え用新製車両の投入は遅れる可能性はあるし170両よりは少なくなりそうではあるが、ある程度は新製車で置き換えるのではないだろうか。




5. なぜ車両更新計画を削除することとしたのか

ではなぜJR西日本は車両更新計画を一部削除することとしたのだろうか。

もっとも、JR西日本は2020年からの大幅な旅客需要減少に伴い2020年度は大幅な赤字を計上、2021年9月には新株発行による資金調達まで行うとしており、予断を許さない財務状況にあることが挙げられる。もっとも同じく大阪都市圏を走る近鉄は13年も通勤型新型車両を投入していないし、50年超の車両も平気で動かしていることから大阪都市圏で見ても突飛な話ではない。

ただ、そもそもこの車両新製計画の記述は全ての計画を記載しているものではない。2021年~2023年にかけて201系を225系で置き換える記述は過去の年度のものをみても見当たらないし(なんなら2021年度の資料では各停事項なので記載しても良かったはず)、キハ40系列のDEC700形による置き換えも記載がない。そのため記載がないからと言って計画がなくなったとは言えないのだ

つまり今回車両新製計画が2行分削除したのは、数年以内の減便規模が不透明なため投入車両数の大幅な見直しが必要となったことから不確定要素となってしまい、削除せざるを得なくなったためではないだろうか。

つまり今回文章削除した車両更新計画は規模を縮小しながらも今後何らかの形で行う可能性は十分考えられるのではないだろうか


6. 結び

今回の2024年3月までに実施予定のJR西日本車両更新計画では、車両新製計画の見直しを図ることとなった。

今後JR西日本でどのように車両を整備していくのか、見守ってゆきたい。

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