はやぶさも大規模な減車減便へ 東北・上越・北陸新幹線ダイヤ改正予測(2022年3月予定)

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はやぶさも大規模な減車減便へ 東北・上越・北陸新幹線ダイヤ改正予測(2022年3月予定)

JR東日本は2020年11月9日、社長会見にて管内で減便・減車を行うと公表した。今回はこれから2022年3月の東北・上越・北陸の各新幹線のダイヤ改正について見ていく。

山形新幹線「つばさ」・秋田新幹線「こまち」の2022年3月ダイヤ改正予測はこちら!

1. 東北・上越・北陸新幹線で減便へ

今回の2022年3月実施予定の東北・上越・北陸新幹線ダイヤ改正では、減車や減便を図る可能性が高い。

これは2021年11月のJR東日本社長会見でも公表があったもので、大規模に行うとしている。もっとも大規模というのが大幅な減便なのか、乗務員行路調整が多いだけで運転本数をそこまで変えないのかは判然とはしないが、少なくとも多くの路線で減便を行うのは間違いなさそうだ。

2021年10月以降にJR東日本管内の新幹線で臨時増発しているのは主に北陸新幹線「かがやき」のみで、上越新幹線は冬季のみ営業のガーラ湯沢発着の列車のみの増発だし東北新幹線は2021年11月8日より臨時増発がないどころか3本の列車を運休する始末である。

また北陸新幹線「かがやき」の臨時列車が東京駅発着枠の関係で一部上野始発終着で設定せざるを得なくなっている。もし東北新幹線や上越新幹線の減便により東京駅発着枠が空けば北陸新幹線の臨時列車を東京まで延長することができ、JR東日本は1人当たり210円の特急料金を追加で徴収できるようになる。そう考えると北陸新幹線臨時列車の東京発着枠増加を狙っている可能性が高い。

ではどの列車を臨時化するのだろうか見ていこう。




2. 11月からの先行運休列車は減便か

まず減便最有力候補は2021年11月8日より運休する予定だった「はやぶさ」3往復と「こまち」1往復。この4往復8本は今回の2022年3月ダイヤ改正で臨時列車に格下げする可能性は高い。

ただ、北海道新幹線や秋田新幹線、山形新幹線、上越新幹線などで毎時1本を超えて運転する時間帯の減便は考えられるが、毎時1本しか運転のない時間帯にをそれ以上減便して2時間に1本程度の運転にするとは考えにくい。そうなると東京から離れた区間での減便は行っても数本程度にとどまり、小規模になるのではないだろうか。

3. 東京~盛岡間運転の「はやぶさ」を「やまびこ」に格下げか

次に減便する可能性が高いのは朝夕に運転している東京~盛岡間で各駅に停車する「はやぶさ」。

この東京~盛岡間運転の「はやぶさ」のうち6往復は仙台以北で各駅に停車する「はやぶさ」である。

この列車は2010年12月4日の東北新幹線新青森延伸に伴うダイヤ改正で当初「はやて」として増発した列車で、大宮~仙台間のノンストップ列車の増発による新青森発着列車の混雑分散を図ったほか、岩手県内各駅から東京方面への速達直通列車の設定という名の下での「やまびこ」からの格上げによる全車指定席化による増収を図った列車である。その後E5系の登場により2014年3月15日東北新幹線ダイヤ改正以降「はやて」から「はやぶさ」に置き換え現在に至る。

が、この仙台~盛岡間で各駅に停車する「はやぶさ」、平常期であれば増収列車として重宝するのだが、年間20日程度の多客期になると仙台~盛岡間でも通過運転を行う「はやぶさ」や各駅に停車する「やまびこ」の増発を強化し分離を図りたいところなのに混雑する時間帯に仙台~盛岡間で各駅に停車する「はやぶさ」を運転していることから邪魔なのである。

またこのご時世で2020年度から利用が減っており、東京~仙台間で最速達列車が毎時2本あってもただ空気輸送で走るだけ赤字である。そう考えると仙台~盛岡間で各駅に停車する「はやぶさ」6往復を「やまびこ」に格下げして東京~仙台間の「やまびこ」をその分廃止した方が経費節減につながるし、より多くの臨時列車を設定できるようになる。

そう考えると朝夕の仙台~盛岡間各駅に停車する「はやぶさ」を「やまびこ」に格下げし、東京~仙台間の「やまびこ」を削減するのではないだろうか。




4. 東京~仙台間運転の「やまびこ」を昼間に臨時化か

次に考えられるのが昼間に山形新幹線「つばさ」に連結してる「やまびこ」の臨時化。

もっとも「やまびこ」のうち毎時1本は盛岡始発終着のため減便は難しいだろうし、「なすの」や東京~福島間で各駅に停車する「やまびこ」も小山・那須塩原・新白河への利便性を考えると昼間の減便は難しい。そうなると昼間の減便は東京~仙台間運転の「つばさ」と併結する「やまびこ」が一番減らしやすい列車と言える。

そもそも「つばさ」連結の「やまびこ」はミニ新幹線7両編成の「つばさ」だけでは東京~福島間の旅客を運びきれないためにE2系10両編成を「やまびこ」として増結しているのだが、福島での折り返しができないためついでに仙台まで行き、少しでもガラガラな車内を埋めるために白石蔵王にも停車している。

が、このご時世で昼間の「つばさ」を見る限り東京~福島間でもミニ新幹線7両編成だけでも十分運びきれるくらいの旅客しかいなくなってしまった。もっとも朝夕は比較的利用があるので「やまびこ」10両編成の増結はあった方がいいし、多客期は絶対に必要なのだが、昼間に「つばさ」に増結する「やまびこ」は輸送力的には不要になってしまっている。これはそもそも東京~郡山間は先着の「やまびこ」「なすの」が他に毎時2本の運転が確保されているほか、郡山~仙台間でも毎時1.5本の「やまびこ」の運転を確保しており、乗客が分散しているためである。

しかもこの「やまびこ」を減便した所で東京~福島間においては17両から7両への減車であり、乗車チャンスが減るわけではない。そう考えると利便性もそこまで低下しないことから、昼間の「つばさ」に連結する「やまびこ」最大7往復程度を臨時化する可能性は考えられそうだ

ただこの「やまびこ」を臨時化してしまうと昼間に白石蔵王に停車する列車が無くなってしまう。この救済措置として盛岡始発終着の「やまびこ」毎時1本が昼間に限り白石蔵王に追加停車する可能性はありそうだ。

5. 朝夕の削減はあるのか

では朝夕の削減はあるのだろうか。

先述したように朝夕東京~盛岡間運転で仙台~盛岡間各駅に停車する「はやぶさ」は削減する可能性がある。また2020年3月13日ダイヤ改正で九州新幹線で夕方の「つばめ」を毎時2本から毎時1本に削減したことを考えると、都市圏規模が大きく違うとはいえ東京都市圏でも東北・上越・北陸の各新幹線で朝夕の通勤向け新幹線の削減を図る可能性はあるかもしれない。

ではもし削減するとしたらどのように削減するのだろうか。

まずは朝。東北新幹線では2020年11月1日運用変更で当時の仙台6時06分発「やまびこ202号」東京行き及び那須塩原8時17分発「なすの268号」東京行きの2本でE3系6両編成の増結を取りやめ、16両から10両に減車した。これは折り返しても「なすの」や「やまびこ」にしかならないため安易に減車できたが、他の列車は東京駅で折り返して「やまびこ」「つばさ」の併結列車や「はやぶさ」「こまち」の併結列車となるため、送り込みを考えると減車できない。そうなると土休日回送化による営業列車の削減程度しかできない。

そうなると主な削減は夕方に行うのではないだろうか。東京発17時台〜20時台は上越新幹線「とき」「たにがわ」がそれぞれ概ね40分間隔の合計毎時3本で運転している。これを一部列車のE2系10両編成からE7系12両編成への置き換えにより1列車あたりの輸送力が増えることから、それぞれ60分間隔の毎時2本にして運転時刻をわかりやすくする可能性がある。

この救済として夕方は熊谷と本庄早稲田を通過する北陸新幹線「あさま」を昼間同様停車させる可能性がある。

このほか15時台および16時台の上越新幹線「とき」2往復が「たにがわ」に短縮するか臨時化する可能性は十分ありそうだ。

さrに東北新幹線では17時以降小山と那須塩原に毎時2本の新幹線が停車する。この小山や那須塩原に停車するのは那須塩原行き「なすの」と少なくとも福島まで各駅に停車する仙台行き「やまびこ」毎時1本なのだが、「やまびこ」は新白河アクセスの関係で減便できないとしても(ただし一部が郡山行き「なすの」に短縮する可能性はある)、夕方の「なすの」毎時1本は削減してもおかしくない。

まあ那須塩原は折り返しできる東京から至近の駅のため停車して行き先にしているようなものだし小山と比べても定期利用客は半分もいないので夕方に毎時1本しか停車しなくなっても影響は小さいだろう。ただ小山は毎時2本停車を確保するために、夕方に限り「やまびこ」毎時1本を小山に追加停車させ救済に行く可能性はありそうだ。

また2020年2月の臨時ダイヤ実施時に東北新幹線で終列車を一時的に繰り上げていたことから、上越新幹線や東北新幹線で東京着の最終新幹線の時刻を繰り上げる可能性がある。もっとも「はやぶさ」「こまち」の最終は東京23時04分着のため繰り上がらないだろうが、最終の「やまびこ」や「とき」は繰り上げてもおかしくない。そう考えると仙台・新潟→東京の最終列車が繰り上がってもおかしくなさそうだ。


6. 結び

今回の2022年3月実施予定の東北・上越・北陸新幹線ダイヤ改正では、東北新幹線「はやぶさ」「やまびこ」中心で減便する可能性が高そうだ。

今後E8系などの新車導入も控える中、JR東日本でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

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