京成電鉄は2022年1月25日、プレスリリースにて2月26日にダイヤ改正を行うと公表した( 2022年2月26日(土)ダイヤ改正を実施します )。今回はこれから2022年2月26日実施の京成電鉄ダイヤ改正について予測していく。
1. 昼間の特急を快速に格下げへ
京成電鉄では2022年2月26日にダイヤ改正を行う。
本来であればダイヤ改正のプレスリリース記事が出ているのでダイヤ改正情報としてほぼ確定情報を列挙し解説するのが通例なのだが、今回の京成電鉄のプレスリリースでは判然としないところがあまりにも多く、プレスリリース以上の大規模な減便を行う可能性が見込まれるため、ダイヤ改正予測記事として一度掲載し、駅別の時刻表が出た段階で改めて新記事としてダイヤ改正情報記事を作成することとした。
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、昼間に運転している上野発着の40分間隔の特急を快速に格下げする。
これが分かるのはダイヤ改正プレスリリースの3ページ目「1.日中・夜間時間帯における運行本数の見直しおよび一部列車の行先・種別の変更」節から分かるのだが、この節内には昼間に関連するだけものだけでも
- 行先・種別を整理し、分かりやすく利用しやすいダイヤを提供する
- 日中時間帯における本線の「特急」を「快速」に変更
- (特急の快速への変更により)特急通過駅における乗り換えの利便性を向上
- 下りの「快速特急」は京成高砂駅にて「アクセス特急」成田空港行、上りの「アクセス特急」は青砥駅にて「快速特急」京成上野行と接続し、京成上野・日暮里~成田空港間の速達性を確保します
からである。
この記述により今回のダイヤ改正が「分かりやすく利用しやすいダイヤ」になるかは実際に詳細な時刻が出ないと分かりかねることろではあるが、少なくとも特急通過駅における乗り換えの利便性の向上というのは特急が普通を抜かす小岩や東中山は特急通過駅あるが快速停車駅であるため、特急から快速への格下げにより対面で乗り換えられるようになると意味しているのだろう。
ただ本線快速特急と成田空港線アクセス特急の連絡は2021年時点でも昼間に行っていることだし、なにより節名の「日中・夜間時間帯における運行本数の見直し」について一言も触れられていない。ふつう節名に書くことの詳細な説明を書くのが解説なのに、それを放棄しているとはなんとも気味が悪い。
そう考えると、今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では昼間にかなり大幅な減便を計画しているのではないだろうか。
では今回のダイヤ改正でどのように大幅な減便を図るのか、予測していこう。
2. 快速への格下げは普通の減便救済目的か
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、昼間に40分間隔で運転している特急を快速に格下げする。
が、同じく40分間隔で運転している快速特急は特急に格下げせず現状維持となる。
そうなると本線の昼間の快速以上の列車は毎時1.5本の快速特急と毎時4.5本の快速となるわけだが、これがプレスリリースにある「分かりやすく利用しやすいダイヤ」とするには怪しい。いやむしろ2021年時点の上野始発終着の快速特急と特急合わせて20分間隔(毎時3本)と都営浅草線西馬込発着の快速20分間隔(毎時3本)の方がはるかにわかりやすいと思うのだが。むしろ快速が西馬篭発着と上野発着の2種類が昼間に混在したらなおさらである。
しかも今回の特急から快速への格下げにより40分に1本が佐倉~成田空港間各駅に停車から京成津田沼~成田空港間各駅に停車に各駅に停車する区間を拡大するため、津田沼~うすい間で運転する20分間隔の普通のうち40分に1本が京成津田沼~うすい間で減便するのは想像にたやすい。ただ、この減便により40分に1本だけ残る普通が「分かりやすく利用しやすいダイヤ」とは思えないし、普通はあくまで運転区間を短縮するだけで運転本数の見直しにはなっていない。
また上野~高砂間でも快速特急40分間隔と快速40分間隔での運転を行うことから、列車によって千住大橋に停まる列車と停まらない列車ができてしまう。
しかも本線快速特急と成田空港線アクセス特急の連絡については記載があるが、2021年時点で行っているはずの本線特急と押上線快速特急の連絡についての記述が全くない。もっとも昼間の本線特急が快速に格下げするのは間違いないが、押上線の連絡列車も書くべきだろう。
そう考えると、「分かりやすく利用しやすいダイヤ」かつ節名の「1.日中・夜間時間帯における運行本数の見直し」を図りかつ各変更内容を反映するとなると、
- 本線特急を浅草線直通快速に置き換え
- 昼間の普通を快速と同じ運転本数に変更し毎時6本から毎時4.5本に減便、全便京成津田沼折返し
とすると摩訶不思議なことに綺麗に条件を満たすのである。
実際京成本線高砂~津田沼間は平日夕ラッシュ時は快速特急毎時6本、快速毎時1本、普通毎時6本の合わせて毎時13本しか運転がなく、昼間の毎時12本運転では昼夕輸送力比91.3%と普通を中心に空席がかなり目立っていた。しかし今回のダイヤ改正で昼間の普通を毎時6本から毎時4.5本に減便したところで昼夕輸送力比は83.7%にしかならず、減便してもまだ昼間に空席が残るレベルなのである。
もっとも普通の削減に伴い比較的利用の多い快速停車駅では停車本数確保のために特急を快速に格下げしたとなれば道理がつくし、むしろ特急通過駅の快速停車駅である小岩・東中山・船橋競馬場は混雑する平日夕ラッシュ時は毎時7本しか停車しないのに空いている昼間は毎時9本も停車することを維持し続けるのだ。
そして本線上野発着特急を快速に格下げすると同時に押上線方面に直通するようにすれば、そもそも押上線方面との連絡列車の区術を書く必要がない。
そう考えると今回の昼間の特急の快速格下げは、普通を昼間毎時6本から毎時4.5本に削減することを含めているのではないだろうか。
3. 日中とはどの時間帯までを指すのか
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、昼間に40分間隔で運転する特急を快速に格下げすることで、パターンダイヤが変わることは必須である。
が、今回の京成電鉄のプレスリリースで記載している「日中」とは、具体的にどの時間帯を指しているのか。
東京都市圏の多くの鉄道各社では、平日は16時台まで昼間と同じパターンダイヤで運転することが多い。ただ平日15時台以降は通学需要があるため混雑がしやすい。
実際2021年9月25日にダイヤ変更を行った京阪電鉄では、平日は11時台~14時台は特急毎時4本、快速急行毎時2本。準急毎時4本。普通毎時4本の合わせて毎時14本にまで減便したが、通学利用が増える15時台と16時台は特急毎時5本、準急毎時5本、普通毎時5本の合計毎時15本とし減便を抑えている。これは各駅に停車する列車を中心に通学時間帯は増発しないと運びきれないためである。
これを今回の京成電鉄ダイヤ改正に当てはめると、本線の普通が昼間毎時6本から毎時4.5本に減便した場合、通学利用のない11時台~14時台は東京都区内の上野~高砂間を含め運べるだろう。ただ15時台と16時台は千葉県内は快速の増加により賄えるだろうが、上野~高砂間では毎時4.5本では運びきれず、現状通り毎時6本は必要である。そう考えると平日15時台と16時台は昼間のダイヤと別ダイヤで運転するのではないだろうか。
もっとも簡単なのは平日15時台以降は現状維持なのだが、昼間の新ダイヤに列車を増発する形とするのかは見ものである。もっとも、特急から格下げした快速が上野発着のまま残り上野~高砂間は普通として運転してくれたら十分な輸送力にはなるのだが。
4. ほかの路線ではどうなる
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、本線の大幅な昼間の見直しにより他の路線ではどうなるだろうか。
まずは押上線。直通する都営浅草線では昼間のエアポート快特20分間隔のうち半分の40分に1本を約7年ぶりに各駅に停車する列車に戻す。ただ合計毎時12本で変わりないこと、5分間隔運転では押上での折り返しが難しいことから押上線は昼間毎時12本運転に変わりはないだろう。
次に金町線。昼間15分間隔運転であるが、終夜運転で押上まで乗り入れない限りは高砂~金町間の折り返し運転を行っている。このことから昼間の変更は考えにくいだろう。
また東成田線は直通する芝山鉄道と合わせそもそも昼間は40分間隔でしか運行がないこと、また成田で連絡する快速特急が40分間隔での運転のため変える必要がないだろう。
問題は千葉線・千原線である。千葉線のおよそ半数の列車が千原線に直通しているが、千葉線では平日夕ラッシュ時は6両編成毎時5本の運転にもかかわらず、昼間は毎時6本と通勤時間帯より多く運転しており、当然ながら昼間は空席だらけである。そう考えると今回のダイヤ改正で本線普通が毎時6本から毎時4.5本に減便するのであれば千葉線でも減便する可能性は十分考えられる。
ただし、昼間の千葉線は一部が新京成電鉄と直通しているため一筋縄ではいかない。新京成電鉄直通列車は千葉中央までの乗り入れで、千原線ちはら台まで乗り入れないためである。そう考えると、新京成直通列車を毎時3本から毎時1.5本に削減、毎時3本残った千原線直通の京成車と千葉線内で概ね12~16分間隔で毎時4.5本で運転する可能性は十分考えられそうだ。
もっとも千葉線が新京成電鉄との直通を取りやめ昼間は全て上野方面に直通すれば京成津田沼で快速と対面乗り換えができるので利便性が上がるのだが。
5. 結び
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、昼間の特急を快速に格下げをするほかに大きく減便を図る可能性がある。
今後京成電鉄でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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