重慶スカイシャトルは2021年4月16日、WEB版新聞記事にて4月16日に開業したと公表した( 全球首条无人驾驶“云巴”在璧山开通! )。今回はこれについて見ていく。
1. 中国式新交通システム「雲巴」開業へ!
今回の2021年4月16日重慶スカイシャトルダイヤ改正では、中国初のスカイシャトルを開業した。
今回開業したのは地下鉄1号線璧山駅~成渝高鉄璧山駅間の14駅間、15.3kmに渡る路線となっている。雲巴(スカイシャトル)2両編成による最高速度80km/hの運転で、全線所要時間が38分となっている。
駅名から見てわかるように重慶軌道交通の地下鉄1号線と乗り換えられるほか、中国鉄路高速列車CRHにも乗り換えることができる。
もっともここまでであればただの新線開業なのだが、今回特筆すべきは今回採用した雲巴(スカイシャトル)の路線開業は史上初ということである。
そもそも雲巴(スカイシャトル)は中国の深圳のIT・自動車企業BYD社が開発した中国式新交通システムである。中国には広州地下鉄APM線や上海地下鉄浦江線などでAGT方式の新交通システムが開業しているが、より建設費を抑えるために中国式新交通システムを開発することとした。
そこでAGT方式の新交通では軌道を溝にして脱輪を防止していたが中国式新交通システム雲巴(スカイシャトル)では走行部以外の路盤を撤去し脱輪防止策として軌道(一応タイヤ走行のため軌道だが、走行路以外の路盤は撤去してしまったので道路と線路の中間と化している)の内側に横向きにタイヤを設置し、縦タイヤと横タイヤで軌道を挟むこととした。
この徹底した路盤省略により分岐器も機構が簡素化しており、横向きの内方輪で制御できる。
この路盤省略で大幅に建設費をカットし、急速に拡大する中国の各都市の中量輸送システムの開業にこじつけたいようだ。
ただ、雲巴(スカイシャトル)の採用は開業後1年経った現時点でも今回開業したの重慶スカイシャトルのみとなっている。このため今回の重慶スカイシャトルの開業は雲巴(スカイシャトル)を他の都市に拡大しても良いかの見極めを行っているのではないだろうか。
2. 結び
今回の2021年4月16日重慶スカイシャトルダイヤ改正では、史上初の中国式新交通システムスカイシャトルを開業した。
今後中国でどのような中量輸送システムが開業するのか、見守ってゆきたい。
コメント