韓国鉄道公社KORAILは4月20日、プレスリリースにて5月1日より京春線で既に運行している特急格列車ITX-青春を京釜線でも運行させると公表した( 5월부터 용산-대전 구간에서도 ITX-청춘 달린다! )。今回はこれについて見ていく。
한국철도공사 KORAIL은 4 월 20 일 보도 자료에서 5 월 1 일부터 경춘선에서 이미 운행하는 ITX- 청춘을 경부선에서 운행 시킨다고 발표했다( 5월부터 용산-대전 구간에서도 ITX-청춘 달린다! ). 이번은 이것에 대해보고한다.
1. 京釜線の混雑緩和へ
既に京春線では運行が開始されているITX-青春が今回のダイヤ改正で新たに運行を開始するのは、京釜線のソウル市の龍山~大田間。大田へは高速鉄道KTXでも行くことができるが、短距離ゆえ所要時間に在来線特急格のセマウル号やその後継であるITX-セマウルの利用も多く(KTXなら約1時間であるが、ITX-セマウルは約1時間45分)、混雑が続いていた。そのため既存在来線特急ITX-セマウルや急行格のムングファなどを据え置いたうえで、ITX-青春を平日は1日6往復12本、土休日は1日3往復6本を純増便することで混雑緩和を図る狙いだ。
ではなぜ北陸本線サンダーバード似のヌリロ号ではなくITX-青春による運行になったのだろうか。ヌリロの場合は急行列車格のムングファ号と同一料金となり、料金確保が見込みずらい。またKTXからの利用誘導も狙っていることからも、特急格としてITX-青春を設定することとなったのだろう。
2. 停車駅刷新で地下鉄との接続強化
今回運行されるITX-青春はKTXやITX-セマウルなどとソウル市内の停車駅を分け、まさに千鳥停車となる。そもそも京釜線系統の列車はKTXでもITX-セマウルでもムングファ号でもソウル駅始発が基本だ。京釜線の途中駅となる東大邱発着や大田発着もソウル発着だ。しかし今回設定されたITX-青春は湖南線や全羅線系統が発着する龍山発着として設定された。京春線のITX-青春が龍山発着なのもあるだろうが、ソウル駅のホーム容量が足りないことも起因しているのではないだろうか。
ソウル市内の停車駅が違うのはそれだけではない。特急格のITX-セマウルや急行格のムングファ号が全て停車し、KTXも水原経由の2往復が停車する永登浦駅を特急格のITX-青春は全便通過するのだ。永登浦駅は歴史的にも深い駅で、慣例として在来線優等列車は全便停車であったが、地下鉄に乗り換えられないという欠点がある。そのため今回京釜線に設定されたITX-青春では、いままで1本たりとも料金が必要な優等列車が停車してこなかった、金浦空港や江南地域へアクセスする9号線と乗り換えられる鷺梁津や、花形2号線と乗り換えられる新道林に停車することで、ソウル駅単駅へのアクセスではなく地下鉄とセットで使ってもらうための列車として設定したのであろう。
ちなみにソウル市を出ると特急格のITX-セマウルと同様、水原、平沢、天安、烏致院、大田の順に停車する。所要時間も龍山~大田間で最大でも1時間59分で運行しており、ITX-セマウルとほぼ同等の時間となっている。しかし、先述のようにソウル市内でITX-セマウルやムングファ号と異なる停車駅であることもあり、鷺梁津〜新道林で急行格のムングファ号(長項線経由益山発着)に特急格のITX-青春が抜かれるという逆転現象も起こっている。
3. 結び
今回2017年5月1日ダイヤ改正では、KTX・特急・急行列車の混雑緩和を目的として平日で1日6往復の新しい特急格列車ITX-青春が運行を開始したが、中身を見ていくと新型車両を使う以外にも利便性を向上させるために従来では考えられないような停車駅設定をしており、その奇抜な停車駅設定は後の2017年7月7日の首都圏電鉄ダイヤ改正でも生かされている。2018年2月には韓国・平昌で冬季オリンピックが行われるが、その前後でKORAILやその他地下鉄などがどのようなダイヤ改正を組むのか、見守ってゆきたい。
コメント