JR西日本は2022年6月26日、プレスリリースにて7月24日にJR京都線大阪~高槻間およびおおさか東線新大阪~放出間で運休しJR京都線・琵琶湖線・JR神戸線・おおさか東線などで臨時ダイヤで運転すると公表した( 不発爆弾処理による列車の運転取り止めについて )。今回はこれについて見ていく。
1. 不発弾処理に伴い運休へ
今回の2022年7月24日JR西日本臨時ダイヤ運転では、JR京都線とおおさか東線で臨時ダイヤで運転する。
これは大阪府吹田市内のJR京都線(東淀川~吹田間)とおおさか東線(新大阪~南吹田間)が土地的に分岐するすぐ西隣で不発弾が発見されたため、被害防止のためにすぐそばを走るJR京都線とおおさか東線で撤去作業を行う7月24日に運休することとなった。
7月24日は12時から15時ごろまで運休する見込みだが、作業の進捗によって早期に運転を再開するかもしれないし長引くかもしれない。もし万が一不発弾が爆発するようなことがあればすぐ隣のJRの線路も吹き飛ぶわけで、数日運休になってもおかしくはない。
なお運休を日曜の昼としたのは、おそらく列車運転本数が少なく運休する列車が少なくて済むのも狙っているのではないだろうか。
2. おおさか東線とJR京都線で一部区間運転見合わせへ
今回の2022年7月24日JR西日本臨時ダイヤ運転では、どの区間で運休するのだろうか。
おおさか東線は新大阪~放出間で運休し、放出~久宝寺間で通常ダイヤと同じ約15分間隔で運転する。まあ折り返せる最短のところで折返しているし運転継続区間も通常ダイヤと同じ運転間隔というのであれば問題はない。
もっともJR京都線も大阪~高槻間を運休し阪急京都線などに振り替え輸送を依頼する。。近年JR西日本では不通時に影響を小さくできるよう折返し設備を順次整備しており、JR京都線でも吹田で折り返せるようにして極力大阪~新大阪間を不通にしないようにしていたが、今回は東淀川~吹田間で不通となるため吹田折返しで大阪~吹田間を運転することもできないのは残念である。
もし大阪駅うめきた地下ホームができていれば大阪駅うめきた地下ホーム~新大阪駅1番線・2番線にてシャトル列車を運転することができたのだが、そもそも大阪駅うめきた地下ホームの供用開始は2023年3月予定なので実施できないのは致し方ない。
なおJR東海への振り替え輸送は行わないので、京都~大阪間を東海道新幹線と地下鉄御堂筋線で乗り継ぐことはできない。
3. 大幅減便実施で新快速が昼間にほぼ全運休へ!
今回の2022年7月24日JR西日本臨時ダイヤ運転では、おおさか東線新大阪~放出間とJR京都線大阪~高槻間で運休をするが、その周辺の区間はどのように運転するのだろうか。
まずおおさか東線は先述したように放出~久宝寺間は通常ダイヤ同様約15分間隔で運転するため、普段と同様の利便性が確保できる。
ただ、JR京都線では引き続き運転を行う区間でも大きく減便を図る。
高槻~京都間では通常ダイヤでは昼間は12両の新快速毎時4本と快速車両の普通毎時4本を運転しているが、今回の臨時ダイヤ運転では12時~15時ごろの新快速の運転を取りやめ、快速車両の普通毎時4本のみの運転とする。まあ大阪まで向かえないので新快速が運休になるのは致し方なかろう。
そしてJR京都線新快速・快速と終日直通運転を行う琵琶湖線でも同様に京都~米原間での新快速の運転を取りやめ、快速型車両による普通のみの運転となる。もっとも京都~野洲間は新快速が隔駅停車状態であるし大阪まで行けないものだから毎時4本の普通で十分だろうが、野洲~米原間で普通のみの毎時2本しか来ないとなると運びきれるとは言え速達性をしてはいかがなものかと思いはじめてくる。物理的には京都~長浜・近江塩津間での折返しは可能なため、毎時1本の京都~近江塩津間運転の新快速を用意しても良かったはずだ。
そもそも野洲~米原間の新快速は前回2022年3月12日JR西日本ダイヤ改正で昼間毎時2本から毎時1本に減便したことを考えると、今回の臨時ダイヤ運転で新快速を運休していることを考えるとなんだか今後のダイヤ改正で新快速が野洲~米原間で昼間に廃止なんてなりかねなさそうな気がするが。
なお昼間は新快速毎時1本しか来ない北陸本線米原~近江塩津間は新快速という名のもとで各駅に停車する列車を毎時1本折返しで運転する。
一方湖西線では新快速は京都~敦賀間で運転する。新快速は近江舞子~敦賀間で各駅に停車するが、この区間を運転不要列車は昼間は前回2022年3月12日JR西日本ダイヤ改正以降新快速毎時1本しかない。また廃線の都合上近江舞子や堅田で北行きへの折返しができないことから、やむなく京都まで運転することととしたのだろう。これにより湖西線では通常ダイヤと同じ運転本数を設定する見込みだ。
ちなみに当日は京都市内で祇園祭の山鉾巡行と花傘巡行を行うが、山鉾巡行見物の帰りにJR京都線と琵琶湖線の半減時間帯がかぶる。混雑の影響はありそうだ。
ただ運転継続するのに一番影響が大きいのはJR神戸線である。通常ダイヤでは昼間は12両編成の新快速毎時4本に6両~10両程度の快速毎時4本、7両編成の普通毎時8本を運転している。が、今回の臨時ダイヤでは普通を毎時8本から毎時4本に半減するほか、約3時間JR神戸線内で新快速の運転を取りやめるのである。
もっとも昼夕輸送力比の観点では7両の普通電車は昼間は毎時6本あれば十分運びきれるし、今回の臨時ダイヤでは比較的すいている北新地方面JR東西線直通列車毎時4本のみを運転することから運びきれるだろう。
ただ、問題は平日夕ラッシュ時に毎時8本も運転している新快速を臨時ダイヤでは3時間もの間運転しないことである。快速が先着するとはいえ快速のみの毎時4本では到底積み切れない。
もっとも大阪駅での折り返し容量の問題が絡んでいそうな気はするが、大阪~兵庫県への利用は通常と同じ規模が見込まれるわけで、さすがに新快速を全く運転しないと快速の混雑が激しくなると思うが。
なお特急列車は12時以降復旧するまで(運転再開目安は15時ごろとしている)湖西線特急「サンダーバード」および智頭急行線特急「スーパーはくと」は大阪~京都間で運休するほか、関空特急「はるか」も新大阪~京都間で、福知山線特急「こうのとり」も大阪~新大阪間で運休する。
このほかJR宝塚線は大阪以東のJR京都線への乗り入れを取りやめるものの、大阪以西は昼間の通常ダイヤ同様快速毎時4本と普通毎時4本の合計毎時8本を運転する。
4. 結び
今回の2022年7月24日JR西日本臨時ダイヤ運転では、不発弾処理に伴い12時以降おおさか東線新大阪~放出間及びJR京都線大阪~高槻間で運休することとなった。
ただ、JR京都線と乗り入れ各線ではそれ以上に運休が発生しており、昼間の普通電車半減だけならまだしも新快速が3時間にわたりほぼ運転見合わせとなる。
今後今回の臨時ダイヤを活かしJR西日本でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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