京急電鉄は2022年9月22日、プレスリリースにて11月28日月曜日より「モーニングウィング5号」の時刻変更を行うと公表した( モーニング・ウィング5号 2022年11月分Wing Passご購入のお客さまへ )。今回はこれから2022年11月下旬実施の京急電鉄ダイヤ改正と同日に実施する可能性が高い京成電鉄・都営浅草線・北総鉄道・芝山鉄道ダイヤ改正について予測していく。
2022年11月26日京成電鉄・北総鉄道・芝山鉄道・都営浅草線ダイヤ改正はこちら!
1. 朝夕の減便の実施はあるのか
今回の2022年11月下旬実施予定の京成電鉄ダイヤ改正では、2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正以来約7か月ぶりにダイヤ改正を行う見込みだ。
前回のダイヤ改正では昼間は本線でダイヤパターンの変更を行ったが、朝夕は運転本数をほとんど据え置いた。
ただ混雑率は京成本線大神宮下→船橋間で127%から98%に、京成押上線曳舟→押上間で148%から93%に、北総鉄道は87%から57%に、都営浅草線で131%から96%にそれぞれ落ちている。しかも時間修正で1本ずつ減っているように見せていることを考えると、実態はあと数パーセント減っていてもおかしくはない。また朝夕の減便は車両運用数の削減につながるため費用対効果が大きい。そう考えると朝夕に減便を図る可能性は十分にある。
前回のダイヤ改正では平日朝は上野~高砂間で2往復の減便、平日夕ラッシュ時は都営浅草線からの快速特急毎時6本中毎時3本を特急に格下げすることにより佐倉~成田間の普通毎時3本を減便して1運用を浮かせているが、いずれも最混雑区間ではない。
では現状はどうなっているのだろうか平日朝は20分サイクルダイヤを組んでおり、本線では20分の中に西馬込行き8両快速特急2本、上野行き8両通勤特急1本、上野行き6両普通3本を運転しているほか、北総も普通は10分間隔、特急が20分間隔、アクセス特急40分間隔で組んでいる。
また都営浅草線が直通する京急線下りが10分サイクルダイヤで平日朝ラッシュ時は久里浜線直通は高砂や青砥始発、羽田空港行きはアクセス特急や北総線普通、京成線からの電車や北総特急は西馬込行きとして振り分けることで調整していることを考えると、20分サイクルダイヤから22分~25分サイクルダイヤに広げることはおそらくない(なお逆方向は結構行先ばらばらので、京急電鉄の上り列車が運転間隔を広げて減便する可能性はある)。
もし平日朝ラッシュ時を20分サイクルのまま変えない場合、一番影響が少ない減便(かつ運用数も1運用しか減らない)ものとしては快速特急西馬込行き毎時6本中毎時3本を特急に格下げし成田~佐倉間で不通を毎時3本削減したり、通勤特急を大和田に追加停車させて普通毎時3本をうすい~大和田間で減便することなどがある。2022年3月12日JR東日本千葉支社ダイヤ改正で総武線通勤快速の運転を取りやめ全て快速に格下げしたことを踏まえれば、京成も全てが快速特急にして急がせる必要性はなく一部特急格下げしても影響は小さいだろう。
また西馬込行き快速特急毎時6本中毎時3本を快速に格下げしてうすい~高砂間で普通毎時3本を減便して8両編成1運用増やす代わりに6両編成4運用削減する手もある。ただ快速へ格下げする場合八千代台で快速特急西馬込行きの待ち合わせを行う必要があることから、勝田台から都営浅草線方面への先着直通列車が毎時6本から毎時3本に半減してしまう。
なお京成本線でホームが8両に対応していないのは中山と海神の2駅のみである。中山はホームを延ばせるし海神も出口と反対側のホーム西側踏切を40mほど西側に移動できそうなのでホームの6両から8両対応への延長はできるとは思うが。もし本線普通を8両編成で運転できるようになれば、平日朝ラッシュ時の普通を従来より長い8両編成で運転できるようになり、平日朝ラッシュ時は特急以上毎時6本と8両普通毎時6本にまで再編できるし、上野~高砂間の普通もさらに減便できるが果たして。
2. 北総鉄道でさらに増発へ!
2022年10月1日に運賃を値下げしたばかりの北総鉄道であるが、今回の2022年11月下旬実施予定の北総鉄道ダイヤ改正ではさらに増発する見込みだ。
これは北総鉄道社長が新聞記事インタビューで述べているもので、実施はほぼ間違いない。が、また前回のダイヤ改正同様新鎌ヶ谷~印旛日本医大間の増発に留まるのではないだろうか。
3. 京成電鉄でワンマン運転開始へ
今回の2022年11月下旬実施予定の京成電鉄ダイヤ改正では、京成電鉄でもワンマン運転を導入する。
京成電鉄では各駅掲示にて次回のダイヤ改正より金町線、東成田線、千原線にて9時~17時ごろにワンマン運転を開始するとしている。なお東成田線と終日直通運転を行う芝山鉄道でも同様の掲示がある。
もっとも金町線や東成田線、芝山鉄道は昼間は4両編成が2駅間でひたすら折り返すだけなので問題なくワンマン化できるが、千原線は6両運転な上に終日千葉線と直通運転を行っている。もっとも千葉線もワンマン化するなら直通列車を全区間でワンマン化するのだとわかるのだが、千葉線ではワンマン化の予定は今のところない。そう考えると千原線でワンマン化を行い千葉線でワンマン運転を行わないとなると、系統分割を行う可能性が高そうだ。
もし千葉線と千原線を系統分割するとなると、千葉中央で乗り換えが必要となる。ただ千葉中央は相対式2面2線なので、乗り換える際には対面乗り換えができず階段昇降を必要とするのだ。
まさか昼間の普通を40分サイクルに4本(10分間隔)から3本に減便して平均13分20秒間隔にして、千葉線も40分サイクルに昼間は新京成線松戸発着2本を維持、京成津田沼始発終着を2本から1本に減らして対応することもできる。ただそれでは千原線の普通が40分間隔にまで減ってしまうので、救済として千葉中央~ちはら台間に折返しワンマン4両編成普通を40分間隔で運転すれば、一応昼間毎時3本を保つことはできる。
そう考えると、千原線の昼間ワンマン運転開始は、京成電鉄の広い範囲での昼間の普通電車削減を目論んでいるのではないだろか。
なお今回のワンマン運転開始に合わせ3500形をワンマン改造することとなった。が、台車回りが45年を超えている車両にワンマン機器を搭載するとは、いつまで使い続ける気なんだ京成電鉄。なんだか本線向けに新車は入れるけど車齢40年以上の車両も使い続けるし、支線区で元ズームカーを使い続ける南海電鉄と化してきているような気がしてきた。
なお都営浅草線は都営地下鉄の中で唯一ホームドア設置が終わっていないため、未だにワンマン運転ができない。また運転車両の所属会社が多岐にわたることから、当分の間ワンマン化は考えにくいだろう。
4. 今回のダイヤ改正でどこまで昼間は減便するのか
今回の2022年11月下旬実施予定の京成電鉄ダイヤ改正では、昼間はどこまで減便するのだろうか。
そもそも各区間の輸送密度はどのようになっているのだろうか。昼間は毎時1両につき4,000人/日・往復運べ、平日夕ラッシュ時は昼間に必要な車両数の1.5倍が必要とし、一番直近の大都市交通センサスである2015年の隣駅間輸送密度で見ていこう。
線区 | 隣駅間輸送密度最大の区間 | 隣駅間輸送密度 | 昼間に必要な両数 | 平日夕ラッシュ時に必要な両数 |
本線東京都区内 | 関屋~堀切菖蒲園間 | 148,285人/日・往復 | 毎時38両 | 毎時56両 |
都営浅草線 | 新橋~東銀座間 | 308,546人/日・往復 | 毎時78両 | 毎時116両 |
押上線 | 押上~曳舟間 | 200,847人/日・往復 | 毎時51両 | 毎時76両 |
本線千葉県内 | 京成津田沼~大久保間 | 232,235人/日・往復 | 毎時59両 | 毎時88両 |
本線大和田以東 | 大和田~勝田台間 | 135,433人/日・往復 | 毎時34両 | 毎時51両 |
本線佐倉以東 | 佐倉~大佐倉間 | 56,922人/日・往復 | 毎時15両 | 毎時22両 |
北総線・京成成田空港線 | 高砂~新柴又間 | 88,707人/日・往復 | 毎時23両 | 毎時34両 |
金町線 | 高砂~柴又間 | 24,644人/日・往復 | 毎時7両 | 毎時10両 |
新京成線 | 松戸~上本郷間 | 108,780人/日・往復 | 毎時28両 | 毎時41両 |
千葉線 | 京成津田沼~幕張本郷間 | 45,152人/日・往復 | 毎時12両 | 毎時17両 |
千原線 | 千葉中央~千葉寺間 | 19,149人/日・往復 | 毎時5両 | 毎時8両 |
もっとも2020年以降利用者が減っているのは間違いないが、そもそも2019年以前から必要以上に列車を用意して運転していたとあればそれは容易に減便対象となるだろう。
京成津田沼~京成大久保間は8両編成毎時7.5本は欲しいところ。もっとも京成大和田~勝田台間は8両編成毎時4.5本で足りるから、快速だけでなんとかやっていける。そうかんがえると、うすい折返しの普通昼間40分間隔を折返し設備のある京成大和田発着に短縮して運用数を削減しに行く可能性はある。
ただ、京成本線の輸送密度最大区間が京成津田沼〜京成大久保間であることを考えると、本線の昼間の列車なんて全区間最大毎時7.5本あれば足りてしまうことを意味する。
また都営浅草線では前回のダイヤ改正で泉岳寺~西馬込間を昼間毎時9本から毎時6本に減便している。またこのご時世で利用者数が減っていることを考えると、今回のダイヤ改正で昼間のエアポート快特廃止と押上~泉岳寺間の毎時9本への減便を図ってもおかしくはない。
また押上線も輸送量からして8両編成毎時7本で足りてしまう。しかも1996年7月20日京成電鉄ダイヤ改正から1998年11月17日まで押上線の昼間は毎時9本しか運転がなく、毎時3本は押上で折返し都営浅草線内線内運転だった。もっとも当時は京成成田空港線開業前だったが、もはや昼間は普通毎時6本にアクセス特急と本線快速を合わせて毎時3本で済んでしまうのではないかという勢いである。
そう考えると、今回のダイヤ改正で京成電鉄でもっとも減便する場合、昼間は以下の本数に今で減ってもおかしくはない。
快速特急 上野~成田間 40分に1本
快速 上野~船橋~成田空港間 40分に1本(上野~高砂間普通として運転する可能性有り)
快速 西馬込~船橋~成田空港間 40分に1本
普通 上野~佐倉間 40分に1本
普通 上野~大和田(~うすい)間 40分に1本
普通 上野~京成津田沼間 40分に1本
普通 上野~高砂間 40分に1本(成田空港発着快速が上野~高砂間を普通として運転する場合、この列車の設定なし)
アクセス特急 羽田空港~新鎌ヶ谷~成田空港間 40分に1本
北総線直通普通 羽田空港~印西牧の原(~印旛日本医大)間 40分に2本
押上線普通 都営浅草線~青砥(~高砂)間 40分に2本
新京成線・千葉線普通 松戸~千葉中央間 40分に2本
新京成線普通 松戸~京成津田沼間 40分に2本
千葉線・千原線普通 京成津田沼~ちはら台間 40分に1本
千原線ワンマン普通 千葉中央~ちはら台間 40分に1本
金町線ワンマン普通 高砂~金町間 15分間隔
東成田線・芝山鉄道ワンマン普通 成田~芝山千代田間 40分に1本
ただ、上記はあくまで想定し得る限りの最大の減便であり、さすがに昼間にここまで減便するのかとは思うが、ただ実態としてはこれで運びきれてしまう。
また上野発着快速の運転がない平日15時以降の下校時間帯は現状維持の本線特急以上毎時3本、西馬込発着快速毎時3本、本線普通毎時6本を維持するだろうし、他線区もおおむね現状維持だろう。
また平日夕ラッシュ時は前回のダイヤ改正で本線で多少調整したこともあって、大きな減便は考えにくいところではあるが、都営浅草線や押上線では平日夕ラッシュ時に毎時18本から毎時15本に減便しても何らおかしくはない。そう考えると今回のダイヤ改正は京成電鉄だけではなく都営浅草線でも大きく動いてもおかしくはないだろう。
このほか、2022年9月17日に実籾→八千代台間で線形改良を行い、カーブが緩くなった。これに伴い制限速度引き上げの可能性もあるが、引き上げたとしても5秒〜10秒程度しか変わらないため時刻には大きく影響は出ないだろう。むしろこのカーブ緩和に伴う制限速度引き上げが行われればカーブ後の再加速が少なく済み、消費電力を抑えられる。そう考えると所要時間短縮というより節電目的だろう。
5. 結び
今回の2022年11月京成電鉄・都営浅草線ダイヤ改正予測では、ワンマン運転を一部で開始する見込みだ。
また終日に渡って減便を図る可能性があり、運用数を削減することで合理化を図る可能性がある。
今後京成電鉄・都営浅草線でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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