阪急電鉄は2022年10月12日、プレスリリースにて12月17日にダイヤ改正を行うと公表した( 2022年12月17日(土)初発より 阪急全線(神戸線・宝塚線・京都線)でダイヤ改正を実施 )。またOsaka Metroは2022年10月12日、プレスリリースにて12月17日に堺筋線でダイヤ改正を行うと公表した( 2022年12月17日(土曜日)初発から Osaka Metro 堺筋線のダイヤ改正を行います )。今回はこれらから2022年12月17日実施の阪急京都線系統のダイヤ改正について見ていく。
1. 京都線に準特急新設も快速特急A廃止へ!
今回の2022年12月17日阪急電鉄ダイヤ改正では、2021年3月13日阪急電鉄ダイヤ改正以来約1年9か月ぶりにダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では阪急電鉄全線の快速急行を準特急に改称する。これは2024年より阪急京都線にて座席指定サービスを導入するに当たり、座席指定サービスを設定する列車に特急を付したいという思惑があるのだろう。
2022年11月現在、阪急京都線の特急を付す種別は快速特急A、快速特急、特急、通勤特急の4種類だったが、これに準特急が増えることになる。
が、一方で廃止する種別がある。それが十三通過の快速特急Aである。
快速特急Aは土休日昼間に3往復のみ運転する列車で、使用車両は6300系京とれいんに限られている。が、6300系京とれいんは老朽化しているため、今回のダイヤ改正で快速特急Aの廃止と減便に伴い運用を外れて廃車とするようだ。
なお2024年より導入する阪急京都線の座席指定サービスは特急・通勤特急・準特急で行うとしている。ただそれより速い快速特急で行わないことを考えると、2024年の座席指定サービス導入を前に快速特急も廃止する可能性があるのではないだろうか。
2. 平日朝の減車・減便で10両運転消滅と通勤特急削減へ
また今回の2022年12月17日阪急京都線ダイヤ改正では、平日朝に減便と減車を図る。
阪急京都線では平日朝の快速急行3往復にて10両運転を行っているが、今回のダイヤ改正で全て8両に減車する。これにより2両編成の増解結を取りやめることから、2両編成3本が運用から浮く見込みだ。
また京都線・宝塚線・神戸線の3線の中で一番10両運転が少なかった京都線では、減車のみならず減便も行う。淡路通過の通勤特急は2022年11月現在で京都河原町発大阪梅田行きが6本、大阪梅田発京都河原町行きが4本の運転があるが、今回のダイヤ改正よりともに3本ずつに減便し淡路停車の準特急に格下げする。
また平日朝には京都線から地下鉄堺筋線天下茶屋行きを3本減便する。これにより8両編成も2運用削減する見込みだ。
3. 平日夕方の減便実施へ
また今回の2022年12月17日阪急京都線ダイヤ改正では、平日夕方も大きな変更を行う。
大阪梅田発京都河原町発ともに16時44分発~21時20分発まで淡路通過の通勤特急20分間隔(毎時3本)と淡路停車の快速急行20分間隔(毎時3本)を交互に運転しているが、今回のダイヤ改正より快速急行から改称し淡路停車の準特急10分間隔(毎時6本)に再演した。
また平日夕方の快速毎時3本を高槻市以北各駅停車の準急に格下げする。これにより高槻市~京都河原町間の普通毎時3本を減便し、3運用の削減を図る見込みだ。
また深夜の快速を西京極に追加停車し種別名を急行に変更する。これにより桂~京都河原町間で各駅に停車するようになることから、深夜時間帯に桂~京都河原町間で普通を減便することとした。
このほか平日21時台以降は運転間隔を延ばすことで減便し、土休日並みに減便することとなった。
また京都線では終電繰り上げを行う。大阪梅田からの最終は大阪梅田24時10分発普通高槻市行きから普通正雀行きに短縮する。これにより茨木市方面高槻市への最終は大阪梅田24時10分発から24時00分発に10分繰り上がることとなった。
阪急京都線はJR西日本京都線と競合しているが、2021年3月13日JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正でJR京都線の大阪からの最終をJR神戸線と同じ大阪24時04分発ではなく24時10分発に繰り下げて設定したことを考えると、阪急京都線との競合を意識していたと言わざるを得ない。今回のダイヤ改正で阪急京都線の高槻市行き最終が繰り上がることを考えると、JR西日本でもJR京都線の最終普通高槻行きを大阪24時10分発から24時04分発程度に繰り上げてもおかしくなさそうだ。
このほかOsaka Metro 堺筋線では、平日昼間の運転本数を毎時12本(5分間隔)から毎時9本(平均6分40秒間隔)に減便し輸送力を25.0%減少する。
4. 結び
今回の2022年12月17日阪急京都線・Osaka Metro堺筋線ダイヤ改正では、阪急京都線の座席指定サービス導入に向け特急が付く種別名を増やすこととなった一方で、10両運転を取りやめ8両または7両での運転とするほか平日を中心に減便を図ることとなった。
今後阪急京都線でどのようなダイヤ改正を行うのか、そして特急や準特急などに導入する予定の座席指定サービスがどのようなものになるのか、楽しみにしたい。
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