阪神電鉄は2022年12月1日、プレスリリースにて12月~1月にかけ臨時列車として「らくやんライナー」を運転すると公表した( 【期間限定】夜間有料臨時列車(らくやんライナー)の運行について )。今回はこれについて見ていく。
1. 阪急阪神HD初の着席保証列車設定へ!
今回の2022年12~2023年1月阪神電鉄臨時列車運転では、金曜日の深夜に着席保証列車を設定する。
阪急京都線では2024年より着席保証車を特急などに投入し料金を徴収するとしているが、それに先駆けて同一のホールディングスの阪神電鉄にて運転を開始するのだろう。
今回設定するのは着席保証列車「らくやんライナー」で、大阪梅田20時19分発青木行きと大阪梅田21時43分発青木行きを設定する。運転日は12月23日、1月6日、1月13日、1月20日といずれも金曜日の夜となっている。
停車駅は大阪梅田、野田、尼崎、武庫川、甲子園、西宮、香櫨園、打出、芦屋、終点青木となっている。このうち大阪梅田と野田が乗車専用駅、尼崎~青木間は降車専用駅として設定している。停車駅を見る限り西宮までは急行停車駅、それ以遠は区間特急のように各駅停車かと思いきやなぜか深江を通過する。
乗車専用駅のうち大阪梅田では1号車~5号車の計150人分、野田では6号車の30人分の乗車整理券を発券する。乗車整理券は1人200円となる。支払いは乗車時現金払いとなる。
車両は6両編成のため急行型車両なのだろう。8000系や9300系にクロスシートがあるものの、2号車~5号車の配置のため1号車と6号車はロングシートである。そう考えると、今回の着席保証列車「らくやんライナー」はロングシートでも着席保証料金を設定することになる見込みだし、野田から乗車する場合には十中八九ロングシートしか座れないのである。
また尼崎より先では一切の乗車ができない。西宮~青木間くらい乗降者自由にしてもいいような気はするが。
なおこの「らくやんライナー」、大阪梅田20時19分発青木行き「らくやんライナー1号」は千船に運転停車し直通特急の通過待ち、大阪梅田21時43分発青木行き「らくやんライナー3号」は尼崎で直通特急の待ち合わせを行うようだ。このため速達性はない。
2. 今後阪神電車の着席保証列車はどうなる
では今後阪神電鉄が設定する着席保証列車はどうなるのだろうか。
そもそも阪神電車で長距離列車を走らせようニモ大阪梅田・大阪難波~神戸三宮~元町間しかないことから、最主力の直通特急で30分もかからずにアクセスできてしまうしほぼ終日に渡り山陽電車と直通運転を行っている。
そんな中今回の臨時列車運転では阪神電車完結の着席保証列車「らくやんライナー」を設定したが、先述したように途中d直通特急に抜かれてしまうため速達性はない。しかもロングシートですら売り出すほどである。
では今後阪神電車で設定する着席保証列車にはどのような列車が考えられるのだろうか。
もっとも考えられそうなのが、短距離でも着席ニーズがありそうな甲子園輸送である。大阪梅田~甲子園間は臨時特急を出しても鮨詰め状態になることが多いが、もしここに着席保証サービスをロングシートでも導入すれば、一定の需要はあるだろう。
3. 結び
今回の2022年12~2023年1月阪神電鉄臨時列車運転では、阪神電鉄初の着席保証列車となる「らくやんライナー」を運転することとなった。
今後阪神電鉄でどのような有料座席車を展開するのか、そして同じ阪急阪神HDの阪急電鉄の京都線特急有料座席車にどのように結びつけるのか、見守ってゆきたい。
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