JR東海は2022年12月16日、プレスリリースにて2023年3月18日にダイヤ改正を行うと公表した( 2023年3月ダイヤ改正について )。今回はこのうち在来線について見ていく。
同日実施の2023年3月18日東海道新幹線ダイヤ改正はこちら!
1. 高山本線特急「ひだ」をHC85系に統一へ!
今回の2023年3月18日JR東海ダイヤ改正では、高山本線特急「ひだ」を全て新型車両HC85系での運転に統一する。
JR東海では従来のキハ85系特急型気動車の置き換えとして2022年7月1日より新型車両HC85系を高山本線特急「ひだ」に順次投入してきた。が、今回のダイヤ改正ですべての高山本線特急「ひだ」を新型車両HC85系による運転とする。
これによりJR西日本管内大阪発着の特急「ひだ」1往復もキハ85系からHC85系に置き換わることになった。
なおキハ85系を使用している紀勢本線特急「南紀」は、今回のダイヤ改正以降もキハ85系での運転を継続する。特急「南紀」については2023年7月1日以降にHC85系に置き換えるようだ。
(2023.3.10 追記)なおこの置き換えとなったキハ85系のうち4両は2023年に京都丹後鉄道に転属している。
2. 大阪発着「ひだ」停車駅再編で速達化へ!
今回の2023年3月18日JR東海ダイヤ改正では、新型車両HC85系の投入に合わせ大阪発着特急「ひだ」の列車別停車駅を変更する。
大阪発着「ひだ」は岐阜~高山間で名古屋発着の「ひだ」と併結しており、停車駅が行きと帰りでバラバラなのだが、今回のダイヤ改正より大阪発着「ひだ」は高山本線内は岐阜、美濃太田、下呂、高山の主要駅にしか停車させない。
これにより所要時間短縮を図るのだが、逆を言えば通過となった駅に向かうには乗り換えが必要で、特急料金をその都度支払わなくてはならない。そう考えると大阪発着「ひだ」から通過駅利用への実質な値上げを図っているようだ。
なお名古屋発着については大阪発着「ひだ」と併結する1往復の通過化分の救済として名古屋7時43分発特急「ひだ1号」高山行きと高山16時43分発「ひだ18号」名古屋行きで増停車を図る。このため名古屋から特急「ひだ」各駅への利用チャンスは変わらない。
(2023.3.9 追記)なおこの大阪発着「ひだ」の車両置き換えにより、所定ではキハ85系3両編成からHC85系2両編成に置き換わり減車する。ただし両数は多客時などに4両に増車すると明記してあり、2023年3月時点では土休日はすべて普通車のみ4両での運転となっている。そう考えると平日は2両に減車するものの利用は多く見込まれる土休日は4両に増車する見込みだ。
3. 高山本線で営業時間短縮も本数維持へ!
今回の2023年3月18日JR東海ダイヤ改正では、高山本線普通列車でも見直しを図る。
今回のダイヤ改正では高山4時44分発普通岐阜行き初列車を下呂5時35分発に短縮するほか、岐阜21時46分発普通高山行き最終を下呂行きに短縮する。
これらの列車は普通列車と名乗るものの下呂~高山間で特急停車駅にしか停車せず半ば快速とかしている列車だった。もっとも途中駅通貨にしてまで早朝深夜の高山アクセスを図る目的もそうだが、おそらく高山での夜間滞泊本数削減を狙ったものの各駅停車区間の下呂までは残すことになり、下呂では夜間滞泊しないことから車庫のある美濃太田まで回送するのだろう。
これにより高山本線の営業時間が1時間40分ほど短縮し夜間保守時間が拡大するほか、早朝深夜の下呂~高山間の通過駅のある普通が廃止することとなった。
一方で今回のダイヤ改正で美濃太田9時55分発普通下呂行きを高山行きに延長するほか、下呂13時59分発普通美濃太田行きを高山12時45分発に延長し、昼間に下呂〜高山間を各駅に停車する普通列車を1往復増発する。これにより昼間に最大5時間30分開いていた列車間隔を縮める。
このため今回のダイヤ改正で運転時間帯は縮小するのだが、運転本数に変わりはない。近頃だと韓国鉄道KORAILがよくやっている手法だ。
4. 参宮線で初列車繰り下げも特急「南紀」維持へ
今回の2023年3月18日JR東海ダイヤ改正では、三重県を走る参宮線でもダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では伊勢市4時45分発普通亀山行き初列車を多気5時05分発に短縮、救済として多気5時54分発普通亀山行きを伊勢市5時22分発に繰り上げ新しい初列車とし初列車を約37分繰り下げることとなった。
なお紀勢本線特急「南紀」は2020年11月1日より定期運用をグリーン車付きの4両から普通車のみの2両に減車したものの、今回のダイヤ改正でも紀伊勝浦発着を残したまま1日4往復運転を維持することとなった。特急「南紀」は2024年7月に現在のキハ85系からHC85系に置き換わる見込みであり、このままいけばJR西日本紀伊勝浦にもHC85系が乗り入れるようになる見込みだ。
とはいえ車両更新による列車運転区間短縮は避けられそうだが、2024年3月の北陸新幹線弦敦賀延伸に伴うJR西日本との列車走行キロ調整で紀勢本線特急「南紀」に紀伊勝浦乗り入れが廃止、新宮発着にすべて短縮してもおかしくはない。そうなるとまだ油断はできなさそうだ。
5. 結び
今回の2023年3月18日JR東海ダイヤ改正では、高山本線特急「ひだ」を全列車HC85系に統一することとしたほか、早朝深夜の列車見直しの一方で昼間に増発を図ることで、従来と同じ本数での運転を維持している。
今後JR東海でどのようなダイヤ改正を行うのか、楽しみにしたい。
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