緑の113系・117系引退と草津線減便へ JR西日本琵琶湖線・湖西線・草津線・嵯峨野線ダイヤ改正(2023年3月18日)

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緑の113系・117系引退と草津線減便へ JR西日本琵琶湖線・湖西線・草津線ダイヤ改正(2023年3月18日)

JR西日本近畿統括本部は2022年12月16日、プレスリリースにて2023年3月18日にダイヤ改正を行うと公表した( 2023年3月18日にダイヤ改正を実施します )。今回はこのうち琵琶湖線・草津線・湖西線・嵯峨野線などの京都府・滋賀県内各線について見ていく。

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1. 琵琶湖線・草津線で減便へ

今回の2023年3月18日JR西日本京滋支社ダイヤ改正では、琵琶湖線・草津線で減便を図る。

まずは朝。草津線柘植5時05分発普通草津行き初電を貴生川始発に短縮する。これにより柘植→貴生川間では後続の列車が初電となるため。初電が36分繰り下がり柘植5時41分発となる。

この新しく柘植発の初電となる柘植5時41分発の電車であるが、普通京都行きから草津行きに短縮する。これにより琵琶湖線で朝に1本減便する。

また草津22時13分発柘植行きと草津23時34分発最終柘植行きの2本を貴生川行きに短縮し、平日16時台以降終電まで毎時2本運転だったところを22時以降貴生川~柘植間は毎時1本に減便する。また草津から柘植への終電を草津23時34分発から23時05分発に29分繰り上げる。

これにより柘植~貴生川間で2往復を削減することとなった。運行時間短縮により夜間の保守時間が増えるほか車両の運行距離は短くなるが、運用数に変化はない。




そもそも草津線の2018年度の輸送密度は貴生川~草津間は18,476人/日・往復あるが、柘植~貴生川間は2,843人/日・往復しかおらず、6分の1程度しかいない。もっとも各隣駅間輸送密度の平均のため手原~草津間は18,476人/日・往復より多いだろうし甲南~貴生川間は2,843人/日・往復より多いだろうが、それでも昼間は毎時1両で4,000人/日・往復を運べることから貴生川~草津間は最低毎時5両が必要なのに対し柘植~貴生川間は毎時1両で済んでしまう。

もっとも貴生川~草津間は昼間に毎時1本に減便することはないという保証にはなるが、逆に柘植~貴生川間は2,000人/日・往復は超えているためJR西日本の定める見直し線区には入らかったものの、朝でも3両編成毎時1本で十分運びきれてしまうため減便の対象になりうる。中長期的に存続はするだろうが今後も減便の継続による毎時1本運転時間帯の拡大や赤穂線播州赤穂~長船間や宇野線茶屋町~宇野間のような毎時1本未満への減便、さらにワンマン化をしてもおかしくないだろう。




2. 嵯峨野線で減便へ

今回の2023年3月18日JR西日本京滋支社ダイヤ改正では、嵯峨野線で減便を行う。

今回減便するのは胡麻6時48分発普通園部行きで、この送り込みとなる園部6時00分発胡麻行き初電を廃止する。これにより園部→胡麻間で初電が17分繰り下がるが、そもそも送り込み列車の営業運転で需要が小さいため影響は小さいだろう。

また平日運転の夕方17時台~18時台の園部~胡麻間の2往復を廃止する。これにより平日夕方は園部~胡麻間で毎時2本から毎時1本に半減することとなった




3. 113系・117系京都府・滋賀県から引退へ!

今回の2023年3月18日JR西日本ダイヤ改正ではなんとか残った113系や117系だが、運用の離脱が続いている。

嵯峨野線では京都~園部間の全線複線化を終えた2010年3月13日JR西日本京都支社ダイヤ改正で113系を引退、221系および223系のみでの運転となっていた。が、湖西線や草津線では依然として113系や117系などの国鉄型車両を使用し続け、塗装費用削減のために緑色一色に塗装し運用を続けていた。これはこれらの113系や117系が主に1974年の湖西線開業時や1980年草津線電化開業時と同時期に投入した新車であたっためそこまで経年が経っていなかったためである

もっともJR西日本でも京都支社管内の113系・117系の置き換え計画は以前からあり、2021年以降に新車約170両を投入して置き換える予定だった。

がしかし2020年からの通勤客の大幅な減少により2022年3月12日ダイヤ改正にて近畿地方で大幅な運用削減を実行、その221系や223系の余剰車で湖西線や草津線の113系・117系を置き換えることとなった。もっとも同時に指定席Aシート付の225系4両編成2本を投入しているため新車の投入がまったくないわけではないが、湖西線や草津線への直接投入はしていないことからも実質的に中古車だけで湖西線や草津線の113系や117系を置き換えることとなったのである




これにより奈良支所の221系や日根野支所の223系をかき集め2022年10月より113系や117系を置き換え開始、湖西線運用から置き換え113系は13運用から9運用に、117系は4運用から2運用に削減した。また今回の2023年3月18日JR西日本ダイヤ改正以降も113系や117系は運用数を減らしており、関空快速帯の223系2500番台同士や221系と223系2500番台が連結するといういつぞやの阪和線を演出するなどしている

しかも草津駅掲示によれば草津線の113系・117系の運転を2023年3月31日に終了するとしている。草津線の絡まない113系・117系運用が3運用しかないことを考えると同日に草津線のみならず湖西線でも113系・117系運用を終了する可能性が高い

この113系・117系の2023年3月18日ダイヤ改正と同時の置き換えが間に合わなかったのは、おおさか東線直通快速用207系7両編成4本をJR宝塚線運用に転属させ、玉突きで223系6000番台4両編成8本を京都に送るのに時間がかかっているためと言われている。

なお湖西線では今回のダイヤ改正で普通電車の時刻変更を行っていない。車両最高速度の引き上げによる所要時間短縮は線路保守の手間がかさむので行わないかもしれないが、113系や117系が引退し車両性能が向上していることから、起動加速度改善分だけでも今後所要時間短縮を行ってもおかしくはないだろう。

今回の車両置き換えで湖西線・草津線から113系・117系がなくなり旅客列車はすべてJR西日本発足後に製造した車両になる。が、223系はJR西日本在来線の最主力列車新快速に使われる看板車両で、それが普通列車としても湖西線や草津線を走ることになる。琵琶湖線では2022年3月12日JR西日本ダイヤ改正で昼間の新快速を野洲以東で毎時1本に減便していることを考えると、なんだか新快速の優位性が失われつつあると感じるのは気のせいだろうか。

(2023.4.2 追記)引退後思ったが、今回の車両置き換えは緑の量産型ザク113系を連邦軍の白いやつ221系が置き開けたようなものではないか。おいおい宇宙世紀の再開幕か国鉄大阪鉄道管理局よ。


4. 結び

今回の2023年3月18日JR西日本京滋支社ダイヤ改正では、草津線や琵琶湖線で減便を行ったほか緑の113系や117系を引退する方向となった。

今後普通電車の車両置き換えを行った湖西線で2024年の北陸新幹線開業によりどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

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