路線二分へ JR北海道根室本線富良野~新得間廃止に伴うダイヤ改正(2024年3月16日/2024年3月31日)

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路線二分へ JR北海道根室本線富良野~新得間廃止に伴うダイヤ改正予測(2024年3月予定)

JR北海道は2023年3月31日、プレスリリースにて2024年3月末で根室本線富良野~新得間を廃止すると公表した( 根室線(富良野・新得間)の鉄道事業廃止届の提出について )。今回はこれについてみていく。

2023年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 根室本線部分廃止へ!

JR北海道では2024年3月31日の最終運行をもって根室本線富良野~新得間の81.7kmを廃止する。

このうち上落合信号場~新得間の24.1kmは石勝線と設備を共有しているため実際に廃止になるのは57.6kmとなる。

根室本線東鹿越~落合~上落合信号場間はすでに列車の運転を2016年より取りやめており、東鹿越~新得間で代行バス輸送を行っている。このJR北海道によるバス代行輸送も終了する。

これにより滝川発釧路行きの日本一の最長所要時間列車が復活することなく路線廃止を迎えることとなった。

この廃止によりJR北海道では2019年3月末の石勝線夕張支線廃止以来の幹線廃止となるほか、幹線本線の廃止としてはJR北海道発足後初となる(まあ根室本線の富良野・滝川方面が石勝線の支線と言われたらそれまでなのだが)。

この路線廃止で富良野から東鹿越間では列車の運行がなくなることからキハ40系運用が1両浮く見込みだ。経年からして廃車で、将来的な車両置き換え抑制を図る目的だろう。

なお根室本線はすでに滝川~東鹿越間での列車運行に重きを置いていることから、おそらく滝川~富良野間のみとなってもほとんど時刻変更がない。つまり2023年4月1日JR北海道留萌本線ダイヤ改正のような廃止時の存足区間の時刻変更はあまり見込めない。




今回の廃止で根室本線は区間が二分されることになるため、JTB時刻表やJR時刻表でも時刻表の台割(つまりページ構成)変更を行う見込みだ。JTB時刻表では石勝線と根室本線滝川~釧路間を同一表にまとめ、釧路~根室間をそのページ下部に記載しているが、今回の路線廃止で分断することから、石勝線および根室本線新得~根室間を同一表とし滝川~富良野間をページ下部に移動する見込みだ。

またこの路線二分に合わせ滝川~富良野線を空知線にでも変えて南千歳~新得間の石勝線を根室本線に統合してもよいのでは。

またJR北海道では根室本線や室蘭本線を幹線としている。JR北海道では当社単独では維持することが困難な線区として廃止の赤線区、沿線自治体からの補助金拠出を前提とした黄色線区に分けているが、自治体から補助する以前に極力運賃を徴収するべきで赤線区・黄色線区に関しては運賃キロ1.1倍の地方交通線に変更すべきだろう。室蘭本線沼ノ端~岩見沢間や根室本線滝川~富良野間および釧路~根室間は幹線から地方交通線に変更してより運賃を徴収すべきだろう。

なお今のこと路根室本線滝川~富良野間は黄色線区に指定していること、臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」の運行もあることから当分の間は維持するようだ。




2. 代替交通はいかに

では根室本線富良野~新得間廃止に伴う代替交通はあるのだろうか。

住民説明会の資料では、富良野~新得間の速達バス、富良野~金山~幾寅~トマム間の駅周辺を経由するバスの2系統の新設を軸に動いていた。

が、ほぼ実際になるであろう最新の予定では富良野~新得間の速達バスは新設せずに既存の同ルートを走る旭川~帯広間の予約制都市間バスノースライナー3往復を流用、沿線向けに金山方面へは既存の占冠村営バス3往復のほか南富良野町営バスの新路線設置、幾寅方面へはふらのバスの新路線設置で済ます。おそらく両親路線とも1日3往復から5往復程度しか運行しないだろうし、そもそも落合に行くには都市間バスノースライナーを予約する必要まで生じる。

まあそれだけ少なくても十分運びきれるほど沿線にはもう人が住んでいないということだろう。

かつては札幌~帯広・釧路方面を結んでいた幹線区間でも、石勝線が今ではただのローカル線。しかも石勝線が運転不能になっても道東自動車道がつながっている今は高速バスでも振り替え輸送ができる。そう考えると旧ルートとなる根室本線は必要なくなったと言われればそれまでだろう。




3. 存続の根室本線滝川~富良野間で最終列車繰り上げも特急連絡改善と昼間増発へ!

また今回の2024年3月16日JR北海道ダイヤ改正では、存続区間である根室本線滝川~富良野間で最終列車を繰り上げる。

滝川22時21分発富良野行き最終と1本前の滝川20時41分発富良野行きを統合、滝川21時57分発富良野行き最終とし、24分繰り上げる。この列車は札幌21時00分発函館本線特急「カムイ43号」旭川行きから乗り換えることができるが、29分乗り換えから5分乗り換えに短縮し利便性を大きく向上する。なお函館本線岩見沢〜滝川間普通列車の新型車両737系2両編成投入のどさくさに紛れて根室本線最終東鹿越行きに連絡していた札幌20時38分発普通滝川行きは岩見沢で系統分割、岩見沢→滝川間で12分繰り下げることで接続不可となっている。

また東鹿越19時57分発快速滝川行きと富良野22時27分発滝川行き最終の2本を統合、富良野21時12分発滝川行き最終とし終列車を1時間15分繰り上げている。が、これまで滝川行き最終は旭川方面最終特急列車としか連絡がなかったところ、最終列車繰り上げにより19分乗り換えで滝川22時33分発函館本線特急「ライラック48号」札幌行き最終に乗り継げるようになる。これにより富良野から岩見沢・札幌方面の最終列車が富良野20時36分発から21時12分発に36分繰り下がり、利便性が向上している。しかもこれまでは最終列車が通過駅のある快速で、しかも滝川での連絡列車が特急「オホーツク3号」札幌行きだったことから短い3両編成での運転だったのに対し、今回のダイヤ改正では富良野滞在時間が拡大し接続する特急列車も「ライラック48号」6両編成となったことから大きく増車しており、着席チャンスが大幅に上がることとなった。これは大きな改善だろう。




一方昼間には富良野11時13分発滝川行きと滝川13時27分発富良野行きの1往復を増発している。このため根室本線滝川〜富良野間は1日9往復のまま変わりない。

また今回の2024年3月16日ダイヤ改正で根室本線滝川〜富良野間の快速列車を全て全駅停車の普通列車に格下げする。このため快速通過駅である東滝川、平岸、野花南ではむしろ乗車チャンスが増えることとなった。

このほか滝川5時49分発東鹿越行き初列車は、芦別での18分停車を削減し滝川→芦別間で時刻を17分繰り下げ、滝川6時06分発富良野行きとする。


4. 結び

今回の2024年3月31日の根室本線富良野~新得間廃止では、部分廃止により根室本線が二分されることになったほか、バスの代替もほとんど既存路線バスでまかなうこととなった。

今後も路線再編を行うJR北海道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守っていきたい。

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