新型特急スペーシアX最大4往復運転開始へ! 東武鉄道ダイヤ改正(2023年7月15日)

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新型特急スペーシアX運転開始へ! 東武鉄道ダイヤ改正(2023年7月15日)

東武鉄道は2023年2月15日、プレスリリースにて7月15日に特急「スペーシアX」の運転を開始すると公表した( スペーシア Xの運行詳細が決定しました )。今回はこれについて見ていく。

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1. 特急「スペーシアX」運転開始へ!

今回の2023年7月15日東武鉄道ダイヤ改正では、2023年3月18日東武伊勢崎線ダイヤ改正以来約4か月ぶりにダイヤ改正を行う。

今回のダイヤ改正では、新型車両N100系による特急「スペーシアX」の運転を開始する。3月のダイヤ改正で新型車両の導入に伴うダイヤ改正を同時に行わないのは東武鉄道あるあるで、他社で一斉に新車を導入する3月と時期をずらすことにより車両製造価格を抑える狙いがある。

新型車両N100系は6両固定編成で、分割併合はできない。N100系スペーシアXの車内配置は、

  • 1号車(東武日光寄り):カフェカウンター・コクピットラウンジ(4人用3区画、2人用3区画、1人用2区画計20人)
  • 2号車:プレミアムシート(2人掛け&1人掛け35席)
  • 3号車・4号車:スタンダードシート(2人掛け&2人掛け56席)
  • 5号車:ボックスシート(4人用1区画)・スタンダードシート(2人掛け&2人掛け18席)・トイレなど
  • 6号車(浅草寄り):コンパートメント(4人用個室4室)・コクピットスイート(展望付き7人用個室1室)

と1列車に6種類もの座席種類を用意している。置き換え対象の100系(「スペーシア」型車両)の普通車5両と4人用個室1両と比べるとバラエティに富んでいる。




このN100系を使用した特急「スペーシアX」の運転区間は、浅草~東武日光・鬼怒川温泉間となっている。6両固定編成のため500系(「リバティ」型車両)のような下今市での増解結は行わず、各列車は東武日光と鬼怒川温泉のどちらかに向かう。

そもそも今回のN100系(「スペーシアX」型車両)投入に伴い日光線特急用100系(「スペーシア」型車両)の一部を置き換えることになるわけだが、スペーシアは車両愛称であって列車名としては東武日光発着の「けごん」や鬼怒川線直通の「きぬ」などが使われている。このためN100系による特急列車もひらがなで列車愛称を付与すると思ったら、車両愛称のみならず列車名も「スペーシアX」とするのである。しかも東武日光発着も鬼怒川温泉発着も両方とも特急「スペーシアX」で、列車番号まで通しである。せめてけごんXとかきぬXとかの方が行先は分かりやすかったのではないかとは思うが。




2. 特急「スペーシアX」の運転時刻はいかに!

今回の2023年7月15日東武鉄道ダイヤ改正で運転する特急「スペーシアX」は、毎日運転が1日2往復、木曜~日曜日は定期列車と増発分あわせて1日4往復の運転となる。

毎日運転するのは浅草9時00分発特急「スペーシアX3号」東武日光行き、14時00分発浅草「スペーシアX7号」鬼怒川温泉行き、東武日光11時45分発特急「スペーシアX4号」浅草行き、鬼怒川温泉16時37分発「スペーシアX8号」浅草行きの2往復となっている。いずれも同じ1運用で車両を回せるほか、2023年3月18日東武鉄道ダイヤ改正時点で100系(「スペーシア」型車両)による「きぬ」「けごん」を運転しており、所要時間そのままに7月15日から車両を置き換え特急料金を引き上げることになる。よって停車駅は既存の100系スペーシアによる特急「きぬ」「けごん」の全停車駅と同一である。

また木曜・金曜・土休日には浅草7時50分発特急「けごん7号」東武日光行き、浅草13時00分発「けごん25号」東武日光行き、東武日光10時45分発「けごん20号」浅草行き、東武日光15時43分発「けごん38号」浅草行きの2往復もN100系「スペーシアX」として運転する。ただ月曜・火曜・水曜は従来通り100系特急「けごん」で運転する。このため曜日により特急料金が変動する。

東武鉄道プレスリリース記載の詳細な特急「スペーシアX」時刻表は以下の通り。

特急スペーシアX時刻表(2023年7月15日改正)

つまり特急「スペーシアX」は毎日鬼怒川温泉に1往復乗り入れるものの土休日の増発はなく、東武日光も毎日乗り入れ列車は1日1往復だけだが土休日は3往復も運転する。

東武特急は500系(「リバティ」型車両)を運転開始する2017年4月21日東武鉄道ダイヤ改正以前は日光線特急は主に鬼怒川温泉発着の「きぬ」ばかりで、東武日光へは下今市へ特急連絡という名の普通列車に乗り換えが必要だった。そんな状況から逆転していることを考えると、もう鬼怒川温泉は平成バブルの崩壊の象徴で日光ほどの魅力はもうないと言わざるを得ないのだろう。




3. 特急「スペーシアX」の特急料金はスペーシアより値上げへ

今回の2023年7月15日東武鉄道ダイヤ改正で運転を開始するN100系特急「スペーシアX」は、従来の100系使用の特急「きぬ」「けごん」より割高な設定となっている。

が、特急「きぬ」「けごん」自体が2021年9月30日をもって旧急行料金相当額で利用できた午後割・夜割を廃止したほか、2023年3月18日東武鉄道特急料金改定にて特急料金を引き上げている。このため浅草~東武日光間の「きぬ」「けごん」特急料金は1,650円にまで上がってしまい、特急「スペーシアX」スタンダードシート特急料金と290円しか変わらないし、特急「スペーシアX」プレミアムシートと比べても870円の差額となっている。料金差だけ見ると近鉄名阪特急21000系列アーバンライナーとスタンダード車両ですら追加料金を徴収する80000系ひのとりの関係性に近い。

ただ、今回の東武N100系特急「スペーシアX」と近鉄名阪特急80000系ひのとりには大きな違いが2つある。1つは座席の種類。80000系ひのとりはレギュラー車両とプレミアム車両の2種類しかないが、東武N100系特急「スペーシアX」は先述した通り個室を含め6種類の座席種類がある。特急「スペーシアX」単純座席のうち2種類が近鉄80000系ひのとりとほぼ同名であることを考えると明らかにインスパイアを受けているのだが、その割にほかの座席種類が多すぎる。

2つ目は、80000系近鉄名阪特急ひのとりはほかの特急列車より停車駅を絞ることで速達運転を行っており、速達運転を行うための追加料金とも見ることができる。が、今回運転を開始する東武特急「スペーシアX」は停車駅は従来の100系特急「けごん」「きぬ」とほぼ同一で速達性に関して優位性がない。つまり料金差は座席の差だけということになる。




N100系東武特急「スペーシアX」は車内の座席種類の多様さや運転本数の少なさからJR東日本E261系「サフィール踊り子」の私鉄版を目指していたかと思ったが、どうやら少しだけ加算料金を徴収する程度にしか値段を上げないこと、停車駅も既存の特急列車と大差ないことから80000系近鉄特急ひのとりで落ち着いた感じがする。都市間特急というより東京都区内から日光という世界遺産を結ぶ観光特急の要素が強いためもったいないような気はするが。

なんだか、観光特急に振り切ったJR東日本E261系「サフィール踊り子」と都市間特急80000系近鉄特急ひのとりの中間を中途半端にに取ろうとして失敗に終わりそうな予感がするのは気のせいだろうか。


4. 結び

今回の2023年7月15日東武鉄道ダイヤ改正では、新型車両N100系による特急「スペーシアX」を運転することとなった。

今後特急型車両の車両更新を行う東武鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。

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