46年ぶりに新快速昼間の増発するも阪和線新大阪乗り入れ快速廃止へ JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正(2018年3月17日)

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JR西日本近畿統括本部は12月15日、プレスリリースにて2018年3月17日にダイヤ改正を行うと公表した( 2018年3月17日にダイヤ改正を実施します )。今回はこれについて見ていく。

12月15日公表!2018年3月17日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

1. 引き続き新駅設置へ!

今回の2018年3月17日ダイヤ改正では、JR西日本に2つの新駅ができる。以前の記事でも取り上げたが、1つはJR京都線JR総持寺駅、もう1つはおおさか東線衣摺加美北駅だ。双方とも普通電車のみの停車で、快速電車は停まらないこととなった。




2. 新快速、46年ぶりの昼間の増発へ!

今回の2018年3月17日JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正で目玉となるのが、新快速の増発である。

これまで新快速は輸送力増強を図ってきた節はあるが、運転区間の延長(彦根、米原、長浜、敦賀延伸など)や運行時間帯の拡大(朝夕にも運転化)、スピードアップ(110km/h→115km/h→120km/h→130km/h)、及び増結(6両から8両、12両へと)などがあり、2012年3月17日ダイヤ改正の土休日の全ての新快速12両化、2017年3月4日ダイヤ改正の平日夕ラッシュ時の一部を除く新快速の12両化が図られるなど、増発以外の方法で輸送力増強を図ってきた。しかし今回のダイヤ改正では、1972年の本格運行以来46年間貫いてきた昼間の15分間隔運転を崩す毎時5本運転を土休日に行うことになったのだ。

内容は琵琶湖線からの新快速を土休日大阪10、11時台着のみ毎時3本から毎時4本に増発し、琵琶湖線内で均等に15分間隔運転を実現する。毎時1本運転されている湖西線からの新快速は時刻を変更した上でJR京都線内を琵琶湖線からの新快速15分間隔の合間を縫って運行され、JR京都線内は毎時5本運転となる。JR神戸線内では再び毎時4本とするため湖西線からの新快速2本は姫路行きから大阪行きに短縮される。

ではなぜ琵琶湖線内で新快速が増発されたのか。日本全体が人口減少時代に入った中、近年滋賀県は人口が増加しており、琵琶湖線沿線の湖南地方は際立って人口が増加している。国鉄分割民営化後にできた琵琶湖線南草津駅が滋賀県内乗車人員ランキング1位になったために新快速停車駅になったこともあり、今後も需要拡大が見込まれこれまでも少しずつ増発されてきた。しかしその増発は朝夕が中心で、昼間に関しては琵琶湖線内でもこの10年間大きな変化はなく、昼夕輸送力比をみても50%程度で昼間の混雑が列車によっては激しかった。しかし今回土休日の朝に琵琶湖線内で毎時4本運転となることにより等間隔化が図られ、昼夕輸送力比も60%程度になり適正化が図られるほか、混雑が分散するものと思われる。今後琵琶湖線新快速の毎時4本化とJR京都線新快速毎時5本化が他の時間帯や平日にも広がるかは見所だ。

なお、JR京都線茨木駅の新快速停車は乗車人員が5万人に満たないこともあり、見送られることとなった。




3. 阪和線快速の新大阪乗り入れ、29年の歴史に幕

また今回の2018年3月17日JR西日本ダイヤ改正では、阪和線の使用車両が羽衣線も含め、一部の紀勢本線用国鉄型車両の送り込みを除き快速のみならず普通電車もJR西日本設立以降に製造された223系と225系の2車種のみとなり、103系や205系は阪和線から撤退する。

羽衣線に関しては運用上の関係から3両から4両へ増結される。また今回の2018年3月17日ダイヤ改正では1989年7月22日の天王寺駅構内渡り線設置以来29年弱運行し続けてきた阪和線快速の新大阪乗り入れが廃止される。これまではB快速新大阪行きと快速御坊行きが新大阪発着阪和線列車として運転されているが、今回のダイヤ改正から見られなくなることとなった。

代替として早朝と深夜に新大阪〜和歌山間で特急「くろしお」が増発されることとなり、現在のB快速新大阪行きは新大阪6時21分着であるが同じ着時刻で特急「くろしお2号」が設定され和歌山発時刻が20分繰り下げとなるほか、現在の快速御坊行きは新大阪22時44分発のところ代替となる特急「くろしお35号」は22時50分発となり和歌山着時刻が11分繰り上げられることとなった。どうやら早朝・深夜とはいえ一定の需要はあったようで、大阪環状線直通阪和線快速の全大阪乗り入れというわかりやすさの下での特急誘導だと思われる。ただ、既報の通り特急「くろしお」の新宮乗り入れは1往復が臨時化されることとなったほか、京都乗り入れも2往復から1往復へと削減されることとなった。




なお、阪和線快速新大阪乗り入れ削減分のうち下り列車(堺市・日根野方面)については大阪環状線始発とすることにより減便を最小限に抑えることができるほかキタの中心地大阪駅からの利便性を向上させている。ただ、この大阪21時台以降発の大阪環状線からの阪和線直通快速列車のほとんどが関空快速と快速日根野行きで、阪和線日根野以南に直通する快速列車は大阪22時34分発の紀州路快速しかない。現在紀勢本線御坊行き最終列車は阪和線からの直通列車で和歌山まで快速運転をしているが、和歌山での系統分割が成される可能性もあり、もし増発分の阪和線快速列車が和歌山行きで運転されたとしても、紀州路快速のように日根野から各駅に停車する可能性もあるのではないだろうか。

なお、阪和線列車の大阪駅乗り入れは1994年6月15日の関西空港線開業に伴うダイヤ改正であり新大阪への乗り入れから5年余り後のこととなるだけに、今回2018年3月17日ダイヤ改正は阪和線にとっても車両・運用ともに大きな変化を迎えることになったと思われる。


4. 結び

今回の2018年3月17日JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正では、新駅開業に伴い新快速の昼間の増発が行われることとなった。

阪和線では一部の出入庫列車を除いて223系と225系に統一される一方で、快速電車の新大阪乗り入れが廃止され特急「くろしお」に置き換わる。特急誘導や昼間特割きっぷの2018年内での廃止で収益力を上げようとしているJR西日本であるが、2019年3月にはおおさか東線新大阪~放出間開業を控えており、JR西日本近畿エリアでは大きな変更もありそうだ。

今後どのようなダイヤを組むのか注目したい。

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