嵐電(京福電気鉄道)は2023年8月3日、プレスリリースにて8月26日にダイヤ改正を行うと公表した( 嵐電(嵐山本線・北野線) ダイヤ改正実施について )。今回はこれについて見ていく。
1. 平日朝嵐山線は全列車2両運転へ!
今回の2023年8月26日嵐電ダイヤ改正では、平日に実施している2両増車運転を大幅に拡大する。
京都市内を走る路面電車である嵐電は、原則単車1両で運転している。が、平日朝は乗客が多いため嵐山線の一部電車を2両に増車して運転、2両編成10分間隔と1両単車10分間隔を交互に運転し合わせて5分間隔で運転している。
が、等間隔で運転すれば輸送力の小さい1両単車が混みやすくなるのは当たり前である。このため今回のダイヤ改正では平日朝を5分間隔から8分間隔に広げる代わりに平日朝の嵐山線は9時ごろまで全列車2両で運転することとしたのである。これにより平日朝の2両編成が16往復から23往復に拡大している。
ただ、これにより嵐山線では平日朝の輸送力が毎時18両から毎時15両に削減、輸送力が16.7%減少することとなった。
平日朝嵐山線の運用数が12運用(2両編成6運用・1両編成6運用)から7運用(すべて2両編成)に大きく減少している。もっとも昼間は1両編成のみ6運用であることから、これまでは平日朝に1両編成で運転した車両をそのまま昼間に流用していたが、今回のダイヤ改正以降は平日は朝が終わったら2両編成3本を解結して1両6運用にしなければならず、手間が増えることとなった。が、その増解結の手間を惜しんでも平日朝に大きく運用数を減らす必要があったのは、乗務員不足もからんでいるのだろう。
これにより嵐電では北野線の平日朝の1運用増加と差し引きして3両を運用削減できる見込みだ。
2. 平日夕方も2両運転開始へ!
今回の2023年8月26日嵐電ダイヤ改正では、平日夕方の2両運転を開始する。
平日夕方は1両単車8分間隔の運転で、昼間の10分間隔より短い運転間隔としていた。が、今回のダイヤ改正より平日夕方を10分間隔に広げる一方で、15時~19時ごろまでの全24往復を2両編成に増車することとした。
これにより嵐山線の平日夕方の輸送力が60.0%も増加、昼夕輸送力比も80.0%から50.0%に大きく変化した。はっきり言って平日夕方は空いている。
このため嵐山線では平日は運転本数は114往復から107往復に7往復減便したが、終日平均輸送力は18.5%増かすることとなった。
3. 土休日も2両運転へ!
今回の2023年8月26日嵐電ダイヤ改正では、土休日でも2両運転を実施する。
土休日は終日にわたり1両単車10分間隔での運転だが、今回のダイヤ改正より嵐山線では土休日のうち13時ごろ18時ごろまでの27往復が2両編成に増車することとなった。これによりこの時間帯では輸送力が倍増することになる。
近年JR西日本嵯峨野線では車両置き換えに伴い混雑が増しているが、京都と嵐山を結ぶ嵐電でも同様の傾向なのだろう。
これにより嵐山線の土休日は運転本数としては103往復から104往復への1往復の増発のみとなっているが、輸送力は終日平均で27.2%増加することとなった。
4. 北野線で減便へ
今回の2023年8月26日嵐電ダイヤ改正では、北野線で減便を図る。
北野線ではほぼ終日に渡り全日10分間隔で運転しているが、今回のダイヤ改正より朝6時台は約15〜17分間隔、21時20分以降は約20分間隔に減便する。
一方平日朝7時台・8時台は帷子ノ辻で連絡する、嵐山線が5分間隔から8分間隔に変更することにより、北野線では10分間隔から8分間隔に増発する。これにより輸送力が25.0%増加することとなった。
なお平日夕方は北野線は10分間隔のまま変わらないが、帷子ノ辻で連絡する嵐山線が8分間隔から10分間隔に変更したことで運転間隔が揃う。このことから平日朝夕の帷子ノ辻での嵐山線と北野線の接続が大幅に改善しそうだ。
これにより北野線では平日は102往復から99往復に3往復減便したほか、土休日は102往復から96往復に6往復減便することとした。
4. 結び
今回の2023年8月26日嵐電ダイヤ改正では、嵐山線で平日朝の完全2両化で合理化を図るほか、平日夕方及び土休日昼間の2両運転開始で輸送力を増強することとなった。
2024年度から嵐電では新型車両KYOTORAMを運転開始する中、嵐電でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。
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