韓国鉄道KORAILは2023年8月11日、プレスリリースにて9月1日にダイヤ改正を行うと公表した( 韓国鉄道KORAIL、2023年9月1日にダイヤ改正 プレスリリースリンク不可のためTwitterに挙げた画像(内容同じ)にて代用 )。今回はこれについて見ていく。
乗り入れ区間大幅拡大!2023年9月1日高速列車SRTダイヤ改正はこちら!
1. 新型特急格電車ITX-マウム運転開始へ!
今回の2023年9月1日韓国鉄道KORAILダイヤ改正では、ITX-マウムを運転開始する。
ITX-マウムは新型特急格車両220000系を使用した新列車となっている。220000系は全車一般室の4両編成となっている。カラーリング化赤と黒となっている。
韓国鉄道KORAILでは2013年よりプッシュプル運転のセマウル号PP動車の代替として冒頭画像の特急格電車ITX-セマウル210000系6両を運転開始した。カラーリングは赤と黒となっており、今回の2023年9月1日ダイヤ改正に合わせ運転を開始するITX-マウム用220000系も同一カラーリングとなっている。にもかかわらず別列車愛称としているのは、車両製造メーカーが異なっており前面形状が異なることと(ITX-セマウルは現代ロテム製造、ITX-マウムはダウォンシス製造)、10年経過したので新しい列車としてラインナップしたかったからだろう。
今回のダイヤ改正に合わせ新型車両220000系4両編成を9本投入する。今後2023年12月ダイヤ改正でさらに4両編成9本、2024年3月~7月ごろにさらに4両編成9本を投入し2024年半ばまでに4両編成27本が営業運転を開始する予定だ。そう考えると今回の2023年9月1日韓国鉄道KORAILダイヤ改正での運転開始は新型特急格電車の投入第一弾と言えるだろう。
またひとまず2024年7月までにITX-マウム用220000系4両編成27本を投入すれば、すでに同格の電車として運転しているITX-セマウル6両編成22本より編成数は多くなり、あわせて列車本数も多くなる見込みだ。
2. ムグンファ号置き換えも韓国在来線増解結列車復活へ!
では今回の2023年9月1日韓国鉄道KORAILで運転開始する新型特急格電車ITX-マウムはどのように運転するのか。
今回の2023年9月1日ダイヤ改正より運転するのは、京釜線ソウル~釜山間の全線運転が2往復、湖南線木浦発着が2往復、全羅線が2往復、中央線直通太白線が1往復の計7往復となっている。9編成で7運用を使用し、予備車として2運用を確保するようだ。
なおこのうち湖南線龍山~木浦間の2往復と全羅線龍山~麗水エキスポ間の2往復は龍山~益山間で併結運転を行い、4両+4両の8両運転を行う。韓国鉄道KORAILでは2016年12月9日から2018年6月30日まで湖南線列車と全羅線列車の龍山~益山間併結運転を行っていた急行格電車ヌリロと同様である。
韓国鉄道KORAILでは高速列車KTXが営業運行中に増解結を行っているが、韓国在来線列車の増解結は2018年6月30に以来約5年2か月ぶりの復活となる。
ITX-マウムの列車番号は1101から振る。2013年に特急格電車ITX-セマウルが新登場した際もセマウル号が1001から振られているのに対し新たに1101から列車番号を振りなおしていたこと絵を考えるとそれを踏襲したといえるだろう。ただ、セマウル号はITX-セマウルへの置き換えを順次行っていったが、ITX-セマウルは今のところ置き換え予定はなくITX-マウムと共存する形となる。
なお今回新型特急格電車ITX-マウムが運転を開始する線区のうち太白線は本来ITX-マウムを2028年より運転開始する予定だったが、沿線自治体が15億ウォン(約1億5000万日本円)を韓国鉄道KORAILに支払って2023年9月の在来線特急格電車の乗り入れにこじつけたらしい。韓国にも我田引鉄はあるようだ。
今回のダイヤ改正で新たに運転を開始する特急格電車ITX-マウムは、原則機関車けん引の客車列車である急行格列車ムグンファ号からの格上げとなっている。このため京釜線ではITX-マウムと同数のムグンファ号を2往復を減便しているほか、中央線直通太白線ムグンファ号も1往復減便している。
ただしそもそもムグンファ号の運転本数が少なかった龍山~湖南線木浦間では3往復から2往復に、龍山~全羅線麗水エキスポ間は5往復から4往復に各1往復の減便にとどめた一方、特急格電車ITX-マウムは2往復設定したことから、湖南線と全羅線の両線で1往復ずつ増発することとなった。しかも全羅線に至っては今回の2023年9月1日ダイヤ改正で高速列車SRTが1日2往復乗り入れを開始することから益山~麗水エキスポ間では3往復も増発している。
今回の置き換えで維持費は低減している一方で運賃は急行格相当から特急格相当へと値上げし、既存の特急格電車ITX-セマウルと同額となっている。ただし急行格列車ムグンファ号からの値上げ緩和措置も兼ねて2023年9月1日~10月30日の間に限りITX-マウムは従来の2割引きで利用できるようにする。
今回の2023年9月1日ダイヤ改正では区間運転ムグンファ号はすべて存続することとなったが、2024年7月ごろまでに順次ムグンファ号を4両編成ITX-マウムに置き換えていく見込みであることを考えると、ソウル~大田・東大邱・光州間のムグンファ号は今後ITX-マウムに置き換えられてもおかしくはないだろう。
3. 結び
今回の2023年9月1日韓国鉄道KORAILダイヤ改正では、新型特急格車両220000系を使用したITX-マウムを運転開始し、機関車けん引の急行格列車ムグンファ号を順次置き換えることとなった一方、一部で増発することとなった。
今後220000系の継続投入や新線付け替えによる複線電化が急速に進む韓国鉄道KORAILでどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。
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