恐れていた!10両快速急行の廃止宣言! 近鉄大阪線ダイヤ変更(2024年3月16日)およびダイヤ改正予測(2026年以降実施)

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恐れていた!10両快速急行の廃止宣言! 近鉄大阪線ダイヤ変更(2024年3月16日)

近畿日本鉄道は2024年1月16日、プレスリリースにて2024年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこのうち大阪線について見ていく。

2024年3月16日近鉄京都線ダイヤ変更はこちら!

1. 快速急行10両から8両に減車へ!

今回の2024年3月16日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、2022年12月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更以来約1年4か月ぶりにダイヤ変更を行う。近鉄大阪線も2022年12月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更で多少の時刻変更を行っているが、大幅な変更は2021年7月3日近鉄大阪線ダイヤ変更以来となる。

今回のダイヤ変更では近鉄大阪線で平日朝に大規模なダイヤ変更を行う。

大阪線では1985年から快速急行での10両運転を開始していたが、人口減少による利用者減少により平日朝の大阪線快速急行は2020年3月14日近畿日本鉄道ダイヤ変更で9本から6本に削減、3本は6両の急行に格下げした

今回のダイヤ変更では近鉄大阪線で朝に行っている快速急行の10両運転をとりやめ、すべて8両での運転に減車する。これにより平日朝6本および土休日朝5本の10両快速急行が8両に減車することとなる。

なお平日・土休日夜間の快速急行はすでに8両運転のため、今回のダイヤ変更での減車はない。また近畿日本鉄道では奈良線快速急行で10両運転を行っているため10両運転が完全消滅するわけではない。どうやら夜に運転した8両快速急行を増車せずにそのまま朝の快速急行に運用することで、増結の手間を省きたいようだ。

またこれに合わせて青山町始発の快速急行の全日送り込み列車である名張23時24分発普通青山町行き10両編成も8両に減車する見込みだ。




2. 快速急行減車救済で急行増発へ!

今回の2024年3月16日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、平日に快速急行減車の救済として五位堂発大阪上本町行きの6両急行を2本増発する。

今回設定するのは名張6時26分発普通五位堂行き(五位堂から急行大阪上本町行き)および大和朝倉7時29分発普通五位堂行き(五位堂から急行大阪上本町行き)の2本となっている。前者は区間準急から、後者は準急からの格上げ列車で、通過駅救済として大和朝倉7時29分発準急大阪上本町行きを同じ時刻に五位堂8時00分発準急大阪上本町行きを設定することで五位堂乗り換えで同じ時刻で利用できる。

この急行は大和朝倉ないし名張始発で五位堂まで普通列車として運転する事実上の区間急行のため、大和八木から鶴橋・大阪上本町への先着直通列車として機能する。

これにより平日の快速急行は合計12両減車するものの、6両急行2本計12両の増発により大和八木・大和高田・五位堂から鶴橋・大阪上本町への先着列車の輸送力は変わらない。むしろ乗車チャンスが2回増えている点では改善していると言えるだろう。

一方今回増発する五位堂から急行の事実上区間急行はともに準急や区間準急からの格上げ列車となっている。もっとも救済として五位堂8時00分発6両準急大阪上本町行きを増発するが、区間準急は減便となっている。

これにより近鉄大阪線では運用数を6両削減するようだ。

なお土休日も朝に運転している快速急行5本を10両から8両に減車するが、輸送力減少の救済措置はなく純粋に輸送力減少となる。




3. 将来的な大阪線快速急行の廃止視野か

今回の2024年3月16日近畿日本鉄道ダイヤ変更で10両運転を取りやめることとなった近鉄大阪線であるが、今後どのようにしていくのだろうか。

近畿日本鉄道では朝の上り列車(大阪上本町行き)と夜の下り列車(名張方面)では快速急行と急行の運転時間帯をすみ分けている。これは急行停車駅の河内国分が6両までしかホームがない関係上、輸送力がより必要で8両以上の運転をする必要がある朝夕に6両急行がいると運びきれないため、8両以上の運転が必要な時間帯に河内国分通過の快速急行を設定していることによる。

ただ人口減少による輸送量減少もあり、2020年3月14日ダイヤ変更より快速急行の急行格下げを行っている。が、急行停車駅の河内国分が6両までしかホームがない関係上、10両運転を行っている快速急行は減車しなければ急行に格下げすることができない。このため2020年3月14日ダイヤ変更では朝オフピークの10両快速急行3本を6両急行5本に置き換えることで30両から30両への同両置き換えとしている(ただからくりとして急行は河内国分に停車するためその分準急または区間準急を減便することで6両の運用削減を行っている)。この快速急行格下げはあくまで朝オフピークのため、快速急行運転時間帯の縮小はあっても快速急行と急行が混じって運転する時間帯は発生しなかった。

今回のダイヤ変更では朝の快速急行を10両から8両に減車しその分平日朝に急行2本を増発して輸送力を維持しているが、その急行2本の運転時刻が快速急行の運転時間帯内で運転しているのである。つまり平日朝は8両快速急行の合間を縫って6両急行、いや区間急行を運転していることになる

もし8両編成が必要と思われていた平日朝に6両の急行で十分ともなれば、8両快速急行の6両への減車と急行格下げを行ってもおかしくない。そうなると今回の平日朝の6両急行2本の増発は、大阪線快速急行廃止への布石の可能性がある




また近畿日本鉄道では2024年より約20年ぶりの新型車両導入を行うとしている。導入開始時は京都線系統に4両固定編成の新型車両を投入するとしているが、近鉄では奈良線向けに6両固定編成を導入したことがあることを考えると今後この新型車両も6両固定編成版を投入してくるかもしれない。

もし大阪線に6両固定編成の新型車両を投入した場合、大阪線は固定編成は最長4両編成までしかなく増結で編成を長くしているため従来6両編成は4両+2両で運転していたところ6両固定編成化できることで中間乗務員室を2室削減することができ、その空間に座席やつり革を配置することができる。また4両+2両+2両運転の8両編成から6両固定編成への減車も中間乗務員室が4室削減することにより輸送力は1本あたり単純計算で25%削減となるところ22%の削減で済む。

また近鉄では4両編成の新型車両を2024年~2026年にかけ導入するとしているため、もし6両固定編成の新型車両が出るとすれば2026年以降となる見込みだ。この4両編成の新型車両はワンマン運転に対応しているとされているが、2022年よりJR東日本でホームドアなしでE131系3両+3両の6両編成でワンマン運転を開始したことを考えると、近鉄が6両固定編成の新型車両を投入する際にワンマン運転に対応車両とする可能性が高い。

現在快速急行の急行格下げに合わせ減車を行う必要があるから救済として急行を増発しているが、もし6両運転でワンマン運転が可能になれば車掌を減らせるため長い目で見れば乗務員行路を大きく削減することができる。

もし大阪線大阪上本町~名張間の列車が6両編成での運転で統一すれば、運用面が柔軟になり遅延が回復しやすくなるほか、昼間に一部ある4両急行も6両に増車することになるため昼間の利便性が向上する可能性もある。また近鉄側としても急行から普通まで共通運用が可能なことから予備車を削減でき、経営面でも効率が良い。

そう考えると2020年からの一連の快速急行削減や減車による急行増発は、将来的なワンマン運転対応6両固定編成新型車両の大阪線投入による原則全列車ワンマン運転化を目論んで行っているのではないだろうか

もし大阪線が終日6両編成での運転となれば快速急行を運転する必要がなくなる。大阪線快速急行の将来的な廃止も考えられるだろう


4. 結び

今回の2024年3月16日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、近鉄大阪線で10両快速急行を廃止し8両に減車することとし、運用数を6両削減することとした。

今後新型車両を投入する中、近鉄大阪線でどのようなダイヤ変更を実施するのか見守ってゆきたい。

2024年3月16日近鉄京都線ダイヤ変更はこちら!

2024年3月鉄道ダイヤ改正まとめはこちら!

関連情報:2024年3月16日(土)ダイヤ変更について – 近畿日本鉄道

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