南海電鉄および泉北高速鉄道では2015年12月5日(土曜日)にダイヤ改正することを10月8日にプレスしたが( http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/151008.pdf )、本日11月16日に詳細なダイヤが公表された。詳しい時刻はこちらの公式駅時刻表を参照していただきたい。今回は高野線にもダイヤ改正があるため、河内長野方面列車については「高野線系統」、泉北高速鉄道線直通列車および完結列車は「泉北線系統」と表記する。
1. 特急列車関係
平日のなんば1550着、1608発「りんかん」、土休日のなんば1150着、1200発、1550着、1600発「りんかん」廃止。また土休日運行の「こうや」のうち、2往復を季節運行化(12月~2月運休)、高野山行き1本を季節により橋本行きに短縮。その他一部の「こうや」「りんかん」には最大3分程度の時刻変更がある。
プレス通り「泉北ライナー」新設。朝の上りは普通列車なんば行きと準急行1本ずつ、夕方下りは準急行和泉中央行きをおよそ90分に1本ほどの頻度で置き換えて運行。
2. 料金不要列車
2.1 昼間時間帯
今回のダイヤ改正で昼間の運行パターンは12分サイクルから、15分サイクルダイヤベースの30分サイクルダイヤとなった。
そのため快速急行・急行・区間急行・準急行は合わせて毎時8本をほぼ均等に運行しているが、各停に関しては高野線系統の毎時4本を均等に走らせ、その間に泉北線系統の普通列車を入れているため中百舌鳥以北では列車間隔が7分~15分へとバラツキがでるようになった。
高野線系統では、事前のプレスにあるように快速急行と急行、区間急行は合わせて毎時5本から毎時4本へ、各停も毎時5本から毎時4本へ削減される。今回の駅時刻表の公表では急行系列の削減は区間急行の毎時1本のみであるが、区間急行のズームカー(2扉車)運用が10~15時台は消滅している。普通列車の毎時4本化もなんば発11~13時台、なんば着13~15時台にとどまっている。むしろなんば発14,15時台、なんば着11,12時台は高野線系統の普通列車が毎時6本となっており、この時間帯の泉北線系統の各停はないが、中百舌鳥以北はもちろんのこと、高野線千代田まで毎時1本の増発となっている。各停の金剛行き(毎時2本)が昼間時間帯は廃止されたため、金剛以南ではほとんど減便されていない。
泉北線系統では事前プレスにもあったように準急行毎時5本だったものが区間急行毎時2本、準急行毎時2本、普通毎時2本に再編されたが、泉北線系統の区間急行と普通が上下とも堺東で緩急接続を行うようになったため、なんば先着列車は毎時4本へ削減された。なんばまでの所要時間は改正前の準急行と比べて区間急行では3分短縮、準急行では1分延長となる見通し。また先述の高野線千代田発着の普通列車が運行される時間帯には泉北線完結列車として運行し中百舌鳥で接続している。
緩急接続についてみていくと、下り(河内長野・和泉中央方面)は改正前と同じ住吉東での通過待ちと堺東での待ち合わせを行っているが、12分サイクルから15分サイクルベースへと間隔が広がったため堺東での普通列車停車時間が2分から5~6分に延びている。上り(なんば方面)は堺東で普通列車が2本待ち合わせを行っていたが、改正後は堺東と住吉東でそれぞれ1本ずつ退避し、両駅で2~6分の停車時間を設ける見通し。
2.2 平日朝ラッシュ時間帯
高野線系統では、なんば700~830到着の列車で見てみる。改正前は急行8本、区間急行2本、準急行4本の急行系統は合計14本であるが、ダイヤ改正後は急行8本、区間急行2本、準急行3本の急行系統は合計13本に削減されている。各停は8本のまま削減されていないが、プレスにはない減便もされるようである。また平日朝上りにあった高野下発および極楽橋発急行なんば行きは橋本で運行系統が分割され、平日朝上りは橋本を境に運行系統が完全に分断される形となる。これに伴いズームカー(2扉車)の運用列車に変化がある。
泉北線系統では減便が顕著で、先述の「泉北ライナー」に格上げが行われたほか、中百舌鳥700~800着では改正前は区間急行(中百舌鳥通過)3本、準急行3本、各停7本の計13本あったものが、改正後は区間急行(中百舌鳥通過)5本、準急行1本、各停5本の計11本に削減される。特に中百舌鳥停車列車は10本から6本に大幅削減されるため、利便性の低下は避けられないものだと思われる。
2.3 平日夕ラッシュ時間帯
高野線系統では多少時間が変更されているのみで、18時以降は運行本数に変わりはないが、なんば1949発急行高野下行きが橋本行きに短縮され、運用もズームカー(2扉車)から4扉車に変更されている。両数については確認できないが、平日朝ラッシュ時に準急行を1本削減したとすると両数削減もあるかもしれない。
泉北線系統ではなんば18,19時台発の準急行和泉中央行き毎時6本および20,21時台発の準急行和泉中央行き毎時5本のうち、毎時2本ずつが先述の「泉北ライナー」または区間急行和泉中央行きに置き換えられている。また泉北線内完結列車も改正前は最大毎時6本あったものが毎時4本にまで削減されており、全体では最大毎時12本から毎時10本に、中百舌鳥停車列車は最大毎時12本から最大毎時8本に削減された。
3. 昼夕輸送力比
今回も恒例の昼夕輸送力比を計算していく。
今回両数が時刻表から求められないので本数で見ていくことにするが、高野線系統については改正前80%だったものが67%に下がり、適切な範囲まで下がっている。泉北線系統も42%から60%へと上がり、こちらも適切な範囲まで上がっている。なんば~中百舌鳥間は15/18=83%から14/18=78%に下がり、改善が見られる。おそらく中百舌鳥以北の各停6本化は地域輸送における利便性を向上させているものだと思われるため、供給過多になってしまうのも仕方ないことだと思われる。
4. 結び
今回のダイヤ改正で見えたのは、泉北高速鉄道利用者の南海なんば利用促進ではないか?かつて泉北高速線が大阪府都市開発株式会社時代だったころは大阪府の第三セクターだったので御堂筋線アクセスも図っていたと思われるが、泉北高速鉄道となって南海電鉄の子会社となったことにより、南海電鉄の利益にもなるダイヤを組むことになったのだと思われる。それにもまして日中のなんば先着列車の減少やラッシュ時の減便はそれを上回る人口減少が政令指定都市である堺も含めて進んでいるからだと思われる。今後のサービス向上に期待したい。
(2015/11/18 追記)外部情報を踏まえ平日夕ラッシュ時の記述において一部修正いたしました。
(2015/11/21 追記)寄せられたコメントを踏まえ平日朝ラッシュ時の記述において追加を行いました。
(2015/12/02 追記)寄せられたコメントを踏まえ表記を一部修正いたしました。
コメント
高野線は「普通列車」ではなく「各駅停車」です。種別が異なります。
南海線は今宮戎・萩ノ茶屋の両駅を通過するので「普通」(アナウンスでは「普通車」)。
高野線は両駅停車なので「各停」(アナウンスでは「各駅停車」)。
恐れ入りますが、下記に普通列車とはどこにも書いていないのですが…
http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/151008.pdf
失礼いたしました。上記の通り修正いたしましたのでご確認ください。
不便極まりなくなった、いつでも混んでる電車に乗ることに
疲れて帰るのに、この混み具合は精神的にもキツイ