恐れていた!奥羽本線の非電化化宣言! 新庄~院内間運転再開に向けたJR東日本秋田支社ダイヤ改正予測(2025年3月予定)

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恐れていた!奥羽本線の非電化化宣言! 新庄~院内間運転再開に向けたJR東日本秋田支社ダイヤ改正予測(2025年3月予定)

JR東日本東北本部は2024年10月18日、プレスリリースにて奥羽本線新庄~院内間を2025年4月ごろに運転再開すると公表した。今回はこれについて見ていく。

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1. 奥羽本線非電化で運転再開へ!

今回の2025年4月奥羽本線新庄~院内間運転再開では、2023年7月26日の大雨による運転見合わせ以来約9か月ぶりに運転再開する見込みだ。

奥羽本線はかつて上野~秋田間の最速ルートとして重宝されていたが、1982年の東北新幹線開業により盛岡乗り換え田沢湖線特急ルートに多くく方針転換、1997年3月22日に同ルートで直通列車秋田新幹線「こまち」を運転開始したことからもはや上野~秋田間の移動に使われるルートではなくなってしまった。

もっとも秋田県内でも秋田新幹線から取り残された湯沢や横手へもこまち回数券を利用可能とすることで秋田新幹線誘導を図り1999年に奥羽本線新庄~大曲間の特急列車全廃止にこじつけた。その後秋田新幹線「こまち」を含む東北新幹線320km/hへの高速化により大きく所要時間を短縮した。

このため秋田新幹線が直接通らない横手でさえも、横手から東京へは大曲のりかえ秋田新幹線こまち利用で約3時間50分17,350円、北上線北上乗換東北新幹線はやぶさ利用でもほぼ同じ約3時間50分14,910円なのに対し、かつての在来線特急ルートに一番近い新庄のりかえ山形新幹線つばさ利用は約5時間10分14,210円と、北上線経由とあまり運賃料金は変わらないにもかかわらず1時間以上も遅くかかるようになってしまっている。秋田新幹線こまちが直接通らない東京~湯沢・横手への移動ですら山形新幹線つばさルートは使ってもらえない。

しいて言えば山形~秋田間の公共交通機関の利用で使われるが、普通列車だと新庄のりかえで約3時間50分かかるし山形新幹線つばさ利用でも約3時間10分かかる。しかも代替交通機関として山交バスおよび庄内交通の山形~酒田間高速バスと羽越本線酒田~秋田間の普通列車で約4時間10分とほぼ同じ時間で到達できる。

おかげさまで2023年度の奥羽本線新庄~湯沢間の平均輸送密度は261人/日・往復と、廃線に関して協議を開始した吾妻線長野原草津口~大前間の平均輸送密度とほぼ同レベルである。正直廃線になってもおかしくはない。




ただ過去にJR東日本では気仙沼線柳津~気仙沼間と大船渡線気仙沼~盛間をバス転換したところ東北地方で強い自民党や国土交通大臣を擁する公明党、そして沿線から目をつけられ、自治体負担による黒字鉄道会社へ資金提供できるよう法律を改正させられて実際に2022年10月1日に只見線を全線運転再開せざるを得なくなってしまっている。しかも奥羽本線新庄~院内間は県庁所在地の山形と秋田を結んでいる経路の途中なので廃止しにくい。

そこでJR東日本は鉄道さえ復旧すればいいんでしょと言わんばかりに奥羽本線新庄~院内間の電化設備を撤去して非電化での運転再開を図ることとしたのである。もはや動労千葉が弱体化した今、JR東日本の運営の足かせとなるのは動労千葉ではなく自民党や公明党、そして東北地方の沿線自治体ではないだろうか。




2. 奥羽本線運転再開に合わせ単線化と最高速度引き下げか!

また今回の奥羽本線新庄~院内間の非電化化に合わせそのほかの設備も簡素化する可能性が十分考えられる。

奥羽本線及位~院内間はかつて特急列車が走っていた名残で複線だが、普通列車1日8本しか運行のない今単線化する可能性も十分考えられる。しかも線路構造上かなり簡単に単線化できるので実現可能性は高い。

またそもそもGV-E400系は最高速度100km/hではあるが、主に地方線区用のため五能線のような85km/hまでの運転を得意とするし、磐越西線喜多方~五泉間は75km/h~85km/hしか出していない。

只見線では全線運転再開に合わせ会津川口~只見間で最高速度を65km/hから45km/hに引き下げたこと、2017年3月4日に旧線を復活したJR西日本可部線可部~あき亀山間の最高速度を65km/hではなく45km/hに引き下げたことを踏まえると、奥羽本線新庄~院内間も最高速度95km/hから85km/hや65km/hに落として所要時間を延ばしてもおかしくはないだろう




3. 非電化区間に新型気動車GV-E400系投入へ!

今回2025年4月に運転を再開する奥羽本線新庄~院内間は非電化で運転を再開することした。

ただ、非電化ゆえ従来の701系電車は乗り入れることができなくなる。このため気動車または蓄電池車による運転が必要になるが、どのように用意するだろうか。

2024年5月23日に青森県および沿線自治体が津軽線蟹田~三厩間の復旧を断念、非電化区間の蟹田~三厩間用に運転するGV-E400系気動車を青森~蟹田間で送り込む必要がなくなる。しかもこの津軽線の送り込みのために奥羽本線弘前~青森間で1両ずつのGV-E400系をわざわざ2両つなげているのだ。津軽線運用では1両で運転するので津軽線に車両を送り込むためにものすごく手間がかかっているのである。

この津軽線へのGV-E400系気動車運用がなくなり、奥羽本線弘前~青森間のGV-E400系気動車の送り込み運用がなくなることで、津軽線および奥羽本線川部~青森間の普通列車全列車が701系電車での運転とすることが可能となり合理化できるわけだ。

これにより次の運用変更、つまり2025年3月ダイヤ改正よりGV-E400系気動車運用1運用を削減することができる。

この余剰となった運用を用いて非電化化した奥羽本線新庄~院内間でGV-E400系気動車を運転することとしている

また運転を検討するとしているキハ110系は2020年3月14日ダイヤ改正より新庄~真室川間の701系電車運用の送り込みロスを減らすために陸羽東線用キハ110系運用に持ち替えたもので、1両編成で運転している。もしキハ110系の運転をせずGV-E400系気動車のみの運転と書いてしまうと、運転再開に向けた復旧工事を行うと一度も記載していない陸羽東線の運転再開をあきらめたと言われざるを得ない。そうなると自民党や国土交通大臣を擁する公明党、そして沿線から目をつけられるので厄介なのである。このためキハ110系による運転も検討していると頼りなさげに書いているのだろう。

なお輸送密度261人/日・往復と終日1両編成で運べる輸送量のため、最低2両運転が必須な蓄電池車EV-E801系は用いないこととした。




4. 運転本数はどうなるのか

では2025年4月に運転を再開する奥羽本線新庄~院内間はどのような運転本数とするのだろうか。

2024年7月の不通前は新庄~真室川間10往復、真室川~院内間8往復の運転となっていた。が、2024年9月から運航を再開した代行バスは新庄~真室川間6往復、真室川~及位間3往復、及位~院内間2往復に留まっている。もっともこれでも沿線高校などの要望でバスが増発した方なのだが、この運行本数のまま1か月以上大きな苦情がないということはたった1日6往復で運びきれてしまうということを意味する。列車の半分もないバスの輸送力で減便しても運びきれてしまうのだ。

それもそのはず、奥羽本線新庄~湯沢間の平均輸送密度は291人/日・往復しかいないのだ。しかも2019年度の416人/日・往復と比べても30%以上と他路線の10~20%減と比べても大きく減っていることを踏まえると、そもそも1日8往復の列車運行自体が利用減に追いついていなかったということになる。普通列車毎時1両で隣駅間輸送密度4,000人/日・往復、バス毎時1本で隣駅間輸送密度2,000人/日・往復の輸送力があることを踏まえると、平均しているとはいえ輸送密度291人/日・往復程度では1日6往復もあれば十分余裕もって運べるのだ。

このため運転再開しても新庄~院内間は1日6往復程度の運転とし、2024年7月の不通前と比べて減便することは確実ではないか。

なお奥羽本線新庄~院内間のGV-E400系運転に合わせ、送り込みのために秋田~院内間で気動車列車を1往復運転する見込みだ。これにより701系電車2両運転からGV-E400系1両編成に減車する列車が発生する。ただ列車毎時1両で隣駅間輸送密度4,000人/日・往復まで運べること、奥羽本線秋田~院内間の普通列車の最大隣駅間輸送密度は3,000人/日・往復に満たないことから毎時1両でも問題なく運べるだろう。

なお1往復の秋田乗り入れを除いて、奥羽本線のGV-E400系気動車運用は新庄~院内間で折り返し運転が原則となる見込みだ。というのももし1日8往復のまま運転した場合昼間以降原則2時間間隔となるが、新庄~院内間は片道50分かかることから1運用で2時間間隔で運転するには院内で折り返すほかない。院内での折り返しは夏の大曲の花火臨時列車で院内駅での対面乗り換えを実施していることから問題ないだろう。

もっとも1日6往復までに減便すれば昼間の新庄発着気動車運用が院内を越えて湯沢・横手・大曲まで乗り入れする可能性はなくはない。ただ朝夕は新庄~院内間を2時間間隔で運転することを踏まえると、院内~大曲間の701系電車の乗り入れがなければ運用がまかなえない。このため奥羽本線院内~大曲間の電化設備は残したままとするだろう。




5. 今後の奥羽本線の設備簡素化はどうなる

2025年4月に運転を再開する奥羽本線新庄~院内間は非電化として運転を再開するが、残る奥羽本線区間で電化設備の撤去はあるのだろうか。

奥羽本線は福島~山形~秋田~青森間を結ぶ路線であるが、福島~山形~新庄間は山形新幹線「つばさ」を残すため電化設備は絶対必要だし、大曲~秋田間のうち秋田新幹線「こまち」が通る標準軌線路も電化設備が必要だ。また秋田~青森間は大阪・名古屋・新潟と北海道を結ぶ貨物列車が多数行きかっており、電気機関車けん引であることを踏まえると電化設備を撤去するとは思えない。

そう考えると奥羽本線で電化設備を撤去しうるのは新庄~院内間のほかに院内~秋田間となるわけだが、8月下旬の夏の大曲花火大会における多客輸送で秋田支社管内から701系電車をかき集めて大曲に集結させていることを考えると、非電化化し定員が減り車両数が少ないGV-E400系で運びきれるとは思えない。そう考えると電化設備は撤去できないのではないか。

ただ、JR東日本では今後GV-E400系のような電気式気動車は製造せず、非電化区間はハイブリッド気動車HB-E210系や男鹿線のEV-E801系のような蓄電池車を投入するとしている。もし1993年より投入した701系電車の代替としてハイブリッド気動車による2両固定編成を投入するのであれば、院内~秋田間の狭軌を非電化として全便気動車による運転とする可能性はあるだろう。


6. 結び

今回の2025年3月JR東日本秋田支社ダイヤ改正では、奥羽本線新庄~院内間の非電化での運転再開に向け運用変更を実施、津軽線が全便701系電車での運転となる見込みのほか奥羽本線秋田~院内間でもGV-E400系気動車による列車を1往復設定する見込みだ。

今後JR東日本秋田支社でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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