JR東日本東北本部は2024年10月18日、プレスリリースにて奥羽本線新庄~院内間を2025年4月ごろに運転再開すると公表した。今回はこれから2025年以降のJR東日本秋田支社ダイヤ改正について予測していく。
1. 奥羽本線非電化で運転再開で701系運用余剰へ!
2025年4月奥羽本線新庄~院内間運転再開では、2023年7月26日の大雨による運転見合わせ以来約9か月ぶりに運転再開する見込みだ。
2020年3月14日ダイヤ改正での新庄~真室川間折り返し列車の701系電車2両編成からキハ110系1両編成への運用持ち替えにより回送ロスも含め1運用削減、2025年3月ダイヤ改正での奥羽本線新庄~院内間の電車乗り入れ廃止に伴う運用調整で1運用削減を図ることで、701系電車が計2運用浮くことになる。
さてこの余剰となった701系電車はどのように使うだろうか。
2. 特急「つがる」廃止、701系で快速置き換えか!
特急「つがる」用E751系4両編成は2運用のため、701系電車での置き換えによる快速格下げが可能だ。
しかも特急「つがる」は2016年3月26日ダイヤ改正で5往復から3往復に減便、1往復を秋田~弘前間の快速に格下げている。
JR東日本では2020年以降の急速な旅客減により2021年から新車投入方針を大きく変更している。房総特急「さざなみ」「わかしお」「しおさい」用255系9両編成が老朽化していたが、代替用新車を作らずE257系10両運用の5両への減車や予備車が余剰となっていた特急「成田エクスプレス」用E259系2本の転用で置き換えている。
また快速化によりワンマン運転が可能となることから人件費を削減できる。
そう考えると2000年に投入した特急「つがる」に使用しているE751系も置き換え用新車を製造しない可能性が高い。
このため今後のダイヤ改正で特急「つがる」3往復を廃止し快速に格下げしてもおかしくはない。
3. 特急「つがる」廃止で秋田発着特急「いなほ」も廃止か!
また秋田~青森間の特急「つがる」より利用の少ない羽越本線特急「いなほ」酒田~秋田間の運転を取りやめてもおかしくはない。
羽越本線特急「いなほ」の秋田乗り入れは朝のピーク時間帯を過ぎてからの設定となるため、朝夕だけ働いて昼寝している701系運用で置き換えることは可能だ。ただ羽越本線に沿って建設している日本海東北自動車道はまだ全通しておらず、鶴岡~秋田間がつながるのは2026年度としている。少なくとも2027年3月ダイヤ改正までは特急「いなほ」の秋田乗り入れは残るのではないだろうか。
4. 特急「つがる」は本当に今回廃止になるのか
ただ、特急「つがる」は701系に置き換えて快速に格下げることができたとして2025年3月ダイヤ改正に実施するのだろうか。
そもそも特急「つがる」は県庁所在地である秋田と青森を結ぶ列車である。県庁所在地間を結ぶ列車の廃止は新幹線開業によるもの(山形新幹線含む)を除くと極めて少なく、2000年3月11日に廃止となったJR九州肥薩線急行「くまがわ」くらいで、あとは同じく2000年3月11日に高知乗り入れを終了し徳島と高知を直通で結ばなくなったJR四国徳島線特急「剣山」があるがこちらは阿波池田での特急乗継料金制度により通算特急料金とすることでこれまでより有効本数が増え利便性が上がっている。
そんな県庁所在地間を結ぶ奥羽本線特急「つがる」を易々と廃止するだろうか。
ただJR東日本としても特急「つがる」をできるだけ減便や廃止に持ち込みたいようだ。2024年3月16日JR東日本秋田支社ダイヤ改正では特急「つがる」のうち昼間の1往復を停車駅を減らした特急「スーパーつがる」とした。もっとも所要時間は短縮するが、停車駅が減るということは利用者が減るということを意味しており、利用が減れば減便が可能となる。その利用者数減少を図るために1年だけの列車設定で乗客減を証明するだろうか。せめて2年は泳がすのではないだろうか。
また特急「いなほ」用E653系は1999年に運転開始、特急「つがる」用E751系は2000年に運転を開始s田車両となると、2025年の時点で運転開始25年~26年しか経っていないということになる。特急型車両は1990年以降に製造した車両は30年程度、国鉄型特急は40年程度で寿命を迎えていることが多いことを踏まえると25年で運用停止廃車はさすがに短い。
JR九州では2018年から、JR西日本では2024年から4両以下の特急列車のワンマン運転を開始していることから、まず4両運転の特急「つがる」をワンマン運転化して人件費を削減することが先ではないだろうか。
またJR西日本では一部特急列車にて金土日祝日および多客期のみの運転としているほか、JR東日本でも2022年3月12日ダイヤ改正で特急「いなほ」1往復を酒田~秋田間で臨時列車化、三連休と多客期のみの運転としている。特急「スーパーつがる」1往復も金土日祝日および多客期のみの運転として運転日を削減したり、臨時列車として三連休および多客期のみの運転とするのが先ではないだろうか。
5. 結び
今回の2025年3月JR東日本秋田支社ダイヤ改正では、奥羽本線新庄~院内間の非電化での運転再開に向け運用変更を実施、701系の運用が浮く見込みだ。
一方で特急「つがる」の廃止、特急「いなほ」の秋田乗り入れ廃止の可能性もあるなど予断を許さない。
今後JR東日本秋田支社でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
2025年3月JR東日本秋田支社普通列車ダイヤ改正予測こちら!
関連情報:奥羽本線 新庄~院内駅間 復旧状況と運転の見通しについて – JR東日本東北本部
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