東武鉄道では老朽化に伴い2024年より順次8000系2両編成を10000系列に置き換えている。今回はこれから2026年3月以降東武鉄道ダイヤ改正について見ていく。
1. ワンマン用8000系順次置き換えへ!
東武鉄道では老朽化した8000系の置き換えを順次行っており、2024年からは2両編成ワンマン対応の8000系を同じく2両編成ワンマン対応の10000系列で置き換えている。
置き換え対象は亀戸線・大師線・桐生線・小泉線用8000系2両ワンマン11本と伊勢崎線・佐野線用800型・850型3両ワンマン10本と伊勢崎線用10000系列6両編成2本で、このうち10000系列2両アンマン2本の先行導入により佐野線用800型・850型3両ワンマン2本を2両に減車し3両編成2本を伊勢崎線運用に転属、伊勢崎線用10000系列6両編成2本を置き換えている。このため置き換えは2両編成13本と3両編成10本で足りそうだ。
が、8000系ワンマン車両の改造対象となっている今回ワンマン改造対象となっている1000系列は2両編成28本となっている。そもそも5本多いし3両編成の用意がないのである。
もっとも8000系2両編成から10000系列2両編成への置き換えは全く問題ないしむしろ鋼製車からステンレス車への置き換えにより軽量化することから動力費の削減にもつながるので2両編成運用しかない亀戸線・大師線・桐生線・小泉線で順次置き換わっている。が、3両から2両への減車となると輸送力が不足する可能性がある。
そこで現在3両・4両運転を行っている線区で2両への減車が可能か見ていこう。
2. 伊勢崎線太田~伊勢崎間は3両から2両に減車可能!
まずは伊勢崎線太田~伊勢崎間。
2006年3月18日のワンマン運転開始時に6両から3両に減車している。というのも6両から2両への減車だと通勤輸送に失敗する例が多いため、わざわざ800型と850型という新区分を作ってまで3両編成をつくったのである。
が、各駅乗降人員を見るに輸送密度は8,000人/日・往復未満であり、昼間毎時1両で4,000人/日・往復運べることから昼間毎時2両、平日夕ラッシュ時毎時4両、平日朝ラッシュ時毎時6両で運びきることができる。現在昼間毎時1本、平日夕ラッシュ時毎時2本、平日朝ラッシュ時毎時3本の運転であることから、終日2両編成で問題なく運べる。
ただすでにワンマン運転のため平日朝は2両編成毎時3本より3両編成毎時2本にした方が乗務員行路が削減できるとは思うが。
3. 伊勢崎線館林~太田間は3両から2両への減車は難しいか!
次に伊勢崎線館林~太田間。
昼間は毎時2本運転であり毎時4両あればみんな着席して運びきれるため3両から2両への減車は問題なく可能である。
が平日朝ラッシュ時は毎時3本、平日夕ラッシュ時は毎時2本しか運転がないため減車は難しい。このため10000系列2両編成で置き換えるのであれば平日朝は毎時4本、平日夜は毎時3本への増発が必須となりそうだ。
4. 東上線小川町~寄居間は4両から2両に減車可能!
森林公園検修区には8000系4両ワンマン11本を配置しており、うち東上線森林公園~寄居間運用4本、越生線運用5本、予備2本となっている。このうち越生線は4両編成から減車することは不可能なほど混雑している。
一方の東上線小川町~寄居間は各駅乗降人員を見るに輸送密度は8,000人/日・往復未満であり、昼間毎時1両で4,000人/日・往復運べることから昼間毎時2両、平日夕ラッシュ時毎時4両、平日朝ラッシュ時毎時6両で運びきることができる。現在昼間毎時2本、平日夕ラッシュ時毎時2本、平日朝ラッシュ時毎時3本の運転であることから、2両編成で問題なく運びきれる。
このため東上線小川町~寄居間で4両編成で運転しているのは、越生線用4両編成との共通運用のためだけと言っても過言ではない。
そこで東上線用4両編成4本と予備1本を10000系列2両編成に減車、2両編成5本で置き換えてもおかしくはない。そしてそうすると10000系列のワンマン改造本数が亀戸・大師・館林方面2両編成23本と合わせて2両編成28本にちょうど合うのである。
ただ2023年3月18日から東上線ワンマン区間が昼間などに限り森林公園~小川町間に拡大した。このうち各駅乗降人員を見るに森林公園~つきのわ間は隣駅間輸送密度が20,000人/日・往復に達していると見られ、昼間毎時5両が必要となる。このため現状の4両編成毎時2本であれば何ら問題なく運びきれるし3両編成に減車しても問題はないが、2両編成に減車した場合座り切れなくなる可能性がある。
5. 現実的に8000系を10000系列でどのように置き換えるか
では東武鉄道は8000系2両ワンマン編成をどのように10000系列で置き換えていくのだろうか。
先述したように亀戸線・大師線・桐生線・小泉線では8000系2両編成をそのまま10000系列2両編成で置き換えればよいしすでに置き換えが始まっている。このため2両編成13本はそのまま置き換えだろう。
残る10000系列2両編成15本であるが、方策は2つ。1つは伊勢崎線3両ワンマンと東上線4両ワンマンをともに全列車2両に減車し伊勢崎線向けに2両編成10本、東上線向けに2両編成5本をとうにゅする方法。ただしこれでは伊勢崎線の平日朝夕に運びきれなくなる可能性があるのと昼間の東上線森林公園~小川町間列車を10両編成に戻すなどの対応が必要になりかねない。
そこで考えうるのが、10000系列2両編成15本から3両編成10本をつくり伊勢崎線に全投入することである。
2両編成5本を1両ずつに分け10両を用意し、2両編成10本に連結し半永久固定とする。これにより中間乗務員室1室付きの3両編成10本が出来上がる。
もっとも800型および850型3両固定編成には中間乗務員室がないため中間乗務員室が増える分10人程度乗車定員は減ってしまう。が、800型や850型の鋼製車と比べステンレス車は軽いことから3両編成の重さは中間乗務員室のない800型・850型よりも中間乗務員室のある10000系列の方がやや軽くなる。またやや利用者は減っているため800型または850型3両編成から10000系3両編成への置き換えは問題ないだろう。
この改造で10000系列2両編成28本を2両編成13本と3両編成10本として館林方面ワンマン列車を置き換えることができるが、そうなると東上線・越生線用8000系4両編成を別の方法で置き換えなくてはならない。
そこで出てくるのが東武野田線用10030系6両編成9本である。この野田線用10030系6両編成は新型車両80000系5両編成に順次置き換え予定となっている。この10030系6両編成をを4両に減車すれば4両編成9本に組み上がり東上線・越生線用8000系4両ワンマン列車を置き換えることができるわけだ。
ただ、東武野田線用車両の置き換えにはすでに6両編成として投入している60000系の6両から5両への減車とその1両減車分の80000系への組み込みなど時間がかかる。このため野田線に使用している10000系列を東上線・越生線ワンマン列車向けに転属するのは早くても2030年以降となりそうだ。
それまで東武鉄道の8000系は残るだろう。
6. 結び
今回の2026年3月以降東武鉄道ダイヤ改正予測では、8000系ワンマン列車の10000系への置き換えに伴い伊勢崎線や東上線で減車する可能性があるほか、伊勢崎線向けに10000系列3両編成を投入する可能性もある。
今後東武鉄道でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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