混雑の均等化で通勤特急増発へ! 阪急宝塚線・能勢電鉄ダイヤ改正(2018年7月7日)

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阪急電鉄は5月22日、プレスリリースにて7月7日に宝塚線でダイヤ改正を行うと公表した( 7月7日初発より宝塚線のダイヤ改正を実施します )。また能勢電鉄は5月22日、プレスリリースにて7月7日にダイヤ改正を行うと公表した( 鉄道線のダイヤ改正について )。今回はこれらのうち、平日朝について見ていく。

同日実施の阪急宝塚線ダイヤ改正のうち昼間と平日夕方についてはこちら!

2018年3月17日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

1. 宝塚線でラッシュ時に大きく改正へ

今回の2018年7月7日阪急電鉄ダイヤ改正では、宝塚線と箕面線で2015年3月21日以来約3年3か月半ぶりにダイヤ改正を実施する。

今回のダイヤ改正では平日朝夕ラッシュ時を中心にダイヤ改正を実施することとなっていることから、時間帯別の中で各エリアごとに見ていく。

1.1. 宝塚では梅田先着列車の増加へ

まずは平日朝ラッシュ時から。

宝塚線宝塚~川西能勢口間では、平日朝ラッシュ時の普通列車を急行に格上げし、準急運転時間帯を調整することにより平日朝ラッシュ時の梅田先着となる急行と準急のみが運転される時間帯を宝塚7時27分発~8時46分発から宝塚5時45分発~8時28分発に大幅拡大することとなった。

宝塚発の宝塚線準急に関しては6本のまま変わりないが、急行が1本増加することになった一方で、普通列車が2本減少したことから総じて1本の微減となっている。ただ、梅田先着本数は増加しているので、大幅な利便性の低下はなさそうだ。




1.2. 通勤特急と普通列車の増発で利便性向上の川西能勢口

また今回の阪急宝塚線ダイヤ改正では、川西能勢口基準では平日朝ラッシュ時に増発を実施する。

川西能勢口発梅田行き通勤特急が5本から6本に増発されることとなり、能勢電鉄からの直通列車となる特急日生エクスプレスが7本のまま据え置かれることから、すべての特急日生エクスプレスの間に通勤特急が挟み込まれる形となった。また特急日生エクスプレスの運転時間帯も川西能勢口6時59分発~8時36分発から6時49分発~8時28分発へ8~10分繰り上がることとなった。また先述の宝塚始発の普通列車削減や準急の運転時間帯調整により、川西能勢口基準で準急以上の梅田先着列車のみが運転される時間帯が7時38分発~8時38分発から6時49分発~8時03分発に繰り上がることとなった。

ただし通勤特急の所要時間はダイヤ改正前は川西能勢口→梅田間で26分~27分であったが、今回のダイヤ改正で25分~28分へと変更されている。このうち25分で運転される通勤特急は今回新規に増発された川西能勢口6時57分発梅田行きで、それ以外の既存の時間帯に運転されていた5本は所要時間が1分程度延びる傾向となっている。急行の宝塚~梅田間の平日朝ラッシュ時の所要時間は44分と変わりないことから、余裕時分が延びたということなのだろう。

なお、川西能勢口基準で平日6時台~8時台の運転本数を見ると、急行も12本から13本へ増発され、普通列車が12本から14本へ2本増発されている。先述の通勤特急の1本増発と合わせて合計4本増発されることとなった。急行の増発は先述の宝塚基準の時点で1本増えているのでそのまま増発される形となったのであろうが、宝塚始発で2本削減された普通列車が川西能勢口基準で一転して2本増発したということは、4本の雲雀丘花屋敷始発の列車が追加設定されたということなのであろう。




1.3. 始発の普通列車が多く設定される池田

また今回の阪急宝塚線ダイヤ改正では、池田始発の普通列車が平日朝ラッシュ時に多く設定される。

川西能勢口基準で6時49分発~8時03分発は準急以上の梅田先着列車のみの運転となるが、その代替として池田始発の普通列車が池田7時台~8時台発に6本設定される。このうち4本は川西能勢口基準で準急以上しか運転されない時間帯に設定され、16分サイクルダイヤで差し込まれるように運転される。これらの池田始発の普通列車は曽根で特急日生エクスプレスや通勤特急に抜かされるが、着席通勤にはもってこいの列車であろう。

今回のダイヤ改正前は池田始発の普通列車の設定がなかったことから、今回設定された池田始発の普通列車6本は純増便となっており、川西能勢口での増発分の計4本と合わせて10本の増発となっており、相当な利便性の向上が図られているものと思われる。




また今回の阪急箕面線ダイヤ改正では、準急の乗り入れを中止する。

これまでは平日朝に箕面発宝塚線直通梅田行き8両編成準急を3本運転していたが全て廃止することとなり、箕面発梅田行き8両編成普通列車も6本から2本へ大幅削減されることとなり、梅田直通列車が9本から2本へ7本も削減されることとなった。代替として特急日生エクスプレスや通勤特急に連絡する4両編成普通石橋行きを増発し梅田までの平均到達時間を短縮することとしたが、増発を実施したのは箕面7時台発のみで8時台発と9時台発は1本ずつ減便し平日朝の箕面線の運転本数は合計すると増減がない。むしろ8両編成が大幅に削減され4両編成に置き換えられたことから輸送力が大幅に減少することとなった。

これらの池田始発の普通列車の設定と箕面始発梅田行きの大幅減便により、宝塚線と箕面線が合流する石橋では平日朝6時台~8時台初の梅田行きの増発は3本にとどまっている。

1.5. 当駅始発の設定が減った豊中

また今回の阪急宝塚線ダイヤ改正では、池田始発の普通列車が多数設定された一方で、平日朝の豊中始発の普通列車が7本から4本へ削減されることとなった。

これらの一部の豊中始発普通列車の池田始発への延長化と全ての箕面始発準急と一部の箕面始発普通列車の普通列車の池田始発への変更により、平日朝に豊中から梅田へ向かう列車の運転本数に変化が無くなっている。強いて言えば1本が10両編成の通勤特急に置き換わったことで輸送力が2両増加したことから、豊中基準で通過となる日生エクスプレスを含む阪急宝塚線の平日朝6時台~8時台の3時間分の輸送力は274両から276両へ増加することとなり、0.7%増加することとなった。

これらの大幅な変更により、豊中以南では平日朝6時台~9時台において準急が9本から6本に削減された一方で、普通列車は1本しか増発されなかったことから、準急と普通列車の合計は総じて2本の減便となっている。しかしこれまで普通列車は曽根で特急日生エクスプレスや通勤特急の他に曽根まで各駅に停車していた準急にも抜かされることから、岡町基準では準急の1本前の普通列車が次の曽根で抜かれてしまうため梅田先着とならなかった。しかし今回のダイヤ改正で普通列車は曽根での準急待避を取りやめることとなったことから普通列車が全て梅田先着となり、曽根での停車時間も5~6分から2分へ短縮され所要時間が短縮されることとなった。これによりこれまで平日朝は曽根で準急が普通列車を抜かすことが6回行われていたが、すべて廃止されその分梅田先着列車が増加することとなった。これにより岡町では平日朝の停車列車が2本減ったものの、普通列車の準急待避が無くなったことで梅田先着列車が4本増加することとなった。

また、服部天神、庄内、三国の準急通過駅3駅からの利用も、平日朝の普通列車が1本増発されたことにより利用チャンスが増えることとなった。

なお、上り(宝塚方面)は、梅田6時台発の普通列車が1本削減されたほか、7時台の準急2本が急行に格上げ、7時台〜9時台の準急1本ずつ合計3本が普通に格下げされた。また宝塚線急行の初列車は梅田6時33分発から6時30分発へ3分繰り上がることとなった。また上り(箕面行き・雲雀丘花屋敷行き)の準急は全廃されることとなり、急行や普通列車で置き換えられることとなった。




2. 能勢電鉄でも微増へ

今回の2018年7月7日能勢電鉄ダイヤ改正では、2017年3月18日の単独ダイヤ改正以来約1年3か月半ぶりにダイヤ改正を実施する。

前回のダイヤ改正は急行の全廃となり、優等列車は日生エクスプレスのみとなるなど減便の目立つダイヤ改正となったが、今回のダイヤ改正では平日朝に増発を実施する。

先述した通り、阪急宝塚線へ直通する特急日生エクスプレスの運転時間帯が8分~10分繰り上がることとなったが、その代替として日生中央8時06分発普通川西能勢口行きが増発されることとなった。ただこの普通列車、平野で特急日生エクスプレスに抜かされるため先着列車とはならないが、平野以南では利便性が向上することとなった。

さらに、平野5時05分発初電普通川西能勢口行きを増発することにより、平野から川西能勢口への初電を19分繰り上げることとなった。これにより川西能勢口5時18分発普通梅田行きに接続できることとなり、これまで平野~絹延橋間では初電利用で梅田6時05分到着であったが、今回のダイヤ改正で梅田に5時44分に到着できるようになった。これにより梅田連絡JR京都線利用で新大阪到着が最速で6時22分から6時03分の到着が可能となり、新大阪6時16分発東海道新幹線「のぞみ204号」東京行きや新大阪6時25分発山陽新幹線「さくら541号」鹿児島中央行きに連絡できるようになった。

また、能勢電鉄では折返し列車として川西能勢口5時18分発普通妙見口行きを増発することとなったほか、妙見口8時台の普通山下行きと普通川西能勢口行きを1本ずつ合計2本増発することにより、毎時6本での運転時間帯を増やすこととなった。


3. 結び

今回の阪急電鉄ダイヤ改正では、平日朝ラッシュ時間帯を繰り上げたほか、宝塚線で準急が3本減便した分を通勤特急や急行、普通列車の増発に割り当てたほか、箕面始発や豊中始発のの列車を池田始発の普通列車に置き換え曽根での準急待避を取りやめたことから、混雑の平準化を図ることとなった。

一方箕面線では8両編成の乗り入れが縮小し、準急も廃止されることとなったことから梅田に出るためには石橋で特急日生エクスプレスや通勤特急に乗り換える必要が生じることとなった。また能勢電鉄では普通列車の増発が実施され、利便性が向上した。

今後阪急宝塚線や能勢電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか見守ってゆきたい。

同日実施の阪急宝塚線ダイヤ改正のうち昼間と平日夕方についてはこちら!

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