厦門地下鉄は2017年12月31日、プレスリリースにて3月31日に厦門地下鉄初の路線である地下鉄1号線を開業したと公表した( 一座城,一条地铁,一个崭新时代 )。今回はこれについて見ていく。
1. 厦門初の地下鉄開業
今回の2017年12月31日厦門地下鉄ダイヤ改正では、厦門初の地下鉄路線となる地下鉄1号線を開業させることとなった。
地下鉄1号線は岩内~厦門北駅~鎮海路を結ぶ全長30.3km、24駅に及ぶ路線である。最高速度80km/hとなっており、全線所要時間52分となっている。車両は6両編成B型車(京急・阪急クラスの車両サイズに相当)となっている。
厦門地下鉄1号線は大雑把に言うと中国高速列車CRHの多く停まる厦門北駅と厦門の中心地厦門島を結ぶ路線である。中国鉄路が中国国鉄だった頃、厦門市内の国鉄路線は鷹厦線のみであった。しかし中華人民共和国政府による四縦四横・八縦八横などの大規模鉄道整備政策により、2009年より東シナ海及び南シナ海沿いの中国高速列車CRH対応の杭深線が2009年9月28日より順次開業し、2010年4月26日には厦門北駅に到達、2013年12月28日には杭州東~深圳北間が全通した。そのため、厦門市内の郊外メインターミナル駅が大陸側の厦門北駅となり、厦門島内の中心地に近い厦門駅は衰退し、在来線快速列車と福州行きの短距離CRH程度しか発着しなくなってしまった。そこで、郊外のメインターミナルである厦門北駅と厦門市中心部の厦門島を結ぶために作られた路線が、今回開業した地下鉄1号線ということとなる。ただ、厦門地下鉄1号線は厦門駅には乗り入れておらず、最寄りの地下鉄1号線湖浜東路駅から中国鉄路厦門駅まで道のりにして約1.0kmある。
中国では中国鉄路駅と市街地中心部を結ぶ路線が地下鉄として整備されることが多く、多くの都市でそのようなアクセス路線が地下鉄1号線や地下鉄2号線も名乗ることが多い。このような事例は中国以外にも韓国高速鉄道KTX湖南高速線開業に伴いKORAIL光州駅に乗り入れる列車が減ったことからKTXの通る光州松汀駅から光州地下鉄1号線を光州市街地まで走らせアクセスを確保している。日本で無理やり例えるなら、2016年3月26日の北海道新幹線開業により新函館北斗駅が開業したことにより、JR北海道函館本線五稜郭~新函館北斗間を交流電化し、アクセス列車を確保したようなものなのだろう。
また、近隣には厦門高崎空港があり、滑走路と接している区間もあるが、空港ターミナル乗り入れは実施されず地下鉄1号線最寄りの高崎駅から道のりにして約2.3kmあり、アクセス路線としては使えない。これは2020年に厦門に新空港である厦門翔安空港が開港予定であり、新空港の厦門翔安空港に地下鉄3号線を乗り入れてアクセスを図ることから、二重投資をしない方針であるためと思われる。
今回の厦門地下鉄1号線の開業により厦門は中華人民共和国内(香港含む)で31番目に地下鉄が開業した都市となった。
2. ダイヤはどうなる
ではダイヤはどうなっているのか。
運転間隔は、平日朝夕ラッシュ時が6分45秒間隔、平日昼間が8分35秒間隔、土休日昼間が7分10秒間隔となっている。昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を計算すると76.7%となっており、比較的妥当な線であると思われる。初電は岩内発鎮海路行きが岩内6時30分発、鎮海路発岩内行きが鎮海路6時30分発となっている。終電は岩内発鎮海路行きが岩内22時30分発、鎮海路発岩内行きが鎮海路22時30分発となっている。
3. 結び
今回の2017年12月31日厦門地下鉄ダイヤ改正では、厦門初の地下鉄路線となる地下鉄1号線を開業し、中国高速列車CRHの多く通る厦門北駅と厦門市中心部の厦門島を結んだ。今後厦門地下鉄では2020年までに3路線を開業する予定となっており、ますます厦門市内交通ネットワークが拡充されていくものと思われる。
今後厦門地下鉄が中国の他都市と同様どのような路線網が発達しどのようなダイヤを組むのか、見守ってゆきたい。
コメント