初電増発と時間短縮実施へ! 東海道新幹線ダイヤ改正(1966年10月1日)【週刊新幹線12号】

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日本国有鉄道は1966年、「国鉄監修 交通公社の時刻表」(現 JTB時刻表)1966年10月号にて、東海道新幹線でダイヤ改正を行うと公表した。今回はこれについて見ていく。

前回記事となる1966年7月~9月東海道新幹線臨時列車運転についてはこちら!

1. ダイヤ改正までの背景

1964年10月1日の東海道新幹線開業以降、堅調に利用を延ばしていったが、全車指定席の超特急「ひかり」号と自由席も連結している特急「こだま」号では利用に大きな差があった。そのため1966年3月10日より区間運転「こだま」を全車自由席とすることにより、より一層の利便性拡大を図った。

また今回のダイヤ改正に合わせ、0系新幹線はこれまで全て12両編成中7号車と8号車が1等車(現在のグリーン車に相当)でそれ以外の車両が2等車(現在の普通車に相当)あったが、今回の1966年3月10日ダイヤ改正より「ひかり」編成と「こだま」編成に分離し、「ひかり」編成は従来通り据え置かれ「こだま」編成は順次7号車の1等車を2等車に組み替えることとなった。これにより1号車~7号車まで自由席としていた東京~新大阪間運転列車の「こだま」は、1等車自由席の設定を残すため唯一の1等車である8号車のうち、17列中9列を指定席、8列を自由席とし半室指定席とした。

なお、「こだま」編成は8号車の1両のみ1等車連結としたが、編成組み換え過渡期であることから新大阪方から7両目に1等車を連結した「こだま」でも1等車の車両を8号車とし、その東京方の車両を7号車とし、1-2-3-4-5-6-8-7-9-10-11-12号車のように8号車と7号車が逆転する編成も登場した。

2. 定期ひかりの増発へ

今回の1966年10月1日東海道新幹線ダイヤ改正では、定期「ひかり」が増発されることとなった。

増発されたのは下り(新大阪方面)は東京7時30分発「ひかり5号」新大阪行き、東京10時30分発「ひかり15号」新大阪行き、東京12時30分発「ひかり21号」新大阪行きの3本で、上りは新大阪7時30分発「ひかり8号」東京行き、新大阪10時30分発「ひかり18号」東京行き、新大阪12時30分発「ひかり24号」東京行きの3本、合計3往復となった。一方で東京9時30分発「ひかり13号」新大阪行きと新大阪9時30分発「ひかり14号」東京行きが臨時化され、定期列車で増発されたのは差し引き2往復となった。

前回の1966年3月10日ダイヤ改正にて定期「ひかり」のうち3往復が臨時列車に格下げされたが、そこから差し引きすると1966年3月9日以前のダイヤと比べてまだ定期「ひかり」が1往復少ない状況となった。

なお、前回の1966年3月10日ダイヤ改正で設定された東京~名古屋間運転の定期「ひかり」1往復は存続され、号数も新大阪発着の「ひかり」号と通し番号となった。

3. こだまは区間運転の増発へ

また今回の1966年10月1日東海道新幹線ダイヤ改正では、特急「こだま」号でも増発を実施した。

毎日運転で増発されたのは区間運転の「こだま」のみで、下り(新大阪方面)は東京12時05分発「こだま203号」名古屋行き、東京14時50分「こだま245号」熱海行きの2本、上り(東京方面)は熱海7時10分発「こだま240号」東京行き、名古屋14時22分発「こだま206号」東京行き、熱海16時53分発「こだま246号」東京行き、名古屋16時22分発「こだま208号」東京行きの3本となっている。このうち熱海7時10分発「こだま240号」東京行きは初電であり、熱海→東京の初電が30分繰り上がることとなった。

そのほか、東京9時20分発「こだま241号」熱海行き、熱海13時23分発「こだま242号」東京行きの1往復が、休日運転の曜日運転列車として設定された。

今回のダイヤ改正で区間運転の「こだま」のみ増発されたのは、当時静岡県内に「ひかり」が停車しないため「こだま」に集中すること、東海道線急行「東海」や急行「伊豆」などから需要を奪うことに成功し、特に東京~熱海間の短距離で需要が伸びたことなどがうかがえる。

4. 初終電の時刻見直しへ

また今回の1966年10月1日東海道新幹線ダイヤ改正では、初終電の見直しも実施された。これまでは特急列車の美徳として切りのいい時間(分)における始発駅発車を多く行っていた。その代表が超特急「ひかり」号の東京・新大阪毎時00分発車と一部毎時30分発車であり、特急「こだま」号に関しても1964年10月1日の東海道新幹線開業時には東京・新大阪毎時30分発で設定されていた。しかし超特急「ひかり」号と特急「こだま」号の所要時間短縮と運転本数増加により、特急「こだま」号に関しては毎時35分発とときどき毎時05分発となった。確かに30刻みや10刻みではないが、まだ5分刻みであればまだ良しとしたのであろう。

しかし、この始発駅発車時刻の切りのいい時刻設定は、区間運転の初終電「こだま」に関しても実施され、東京着時刻もパターンダイヤに合わせるため所要時間を美徳のためにイタズラにていた。しかし今回のダイヤ改正で昼間の全区間運転「こだま」と同じ所要時間で原則運転されることとなったため、初終電を中心に時刻変更を実施した。名古屋6時45分発「こだま271号」新大阪行きが名古屋6時46分発に1分繰り下がり、静岡6時35分発「こだま291号」新大阪行きと静岡7時05分発「こだま293号」新大阪行きがそれぞれ静岡6時34分発と7時04分発に1分繰り上げられた。また、静岡7時10分発「こだま222号」東京行きと静岡7時40分発「こだま224号」東京行きがそれぞれ静岡7時09分発と7時39分発に1分繰り上がったほか、名古屋6時50分発「こだま202号」東京行きと名古屋7時20分発「こだま204号」東京行きがそれぞれ名古屋6時52分発と7時22分発に2分繰り下げられることとなった。

また終着時刻についても変更が実施され、新大阪20時35分発「こだま294号」静岡行きは、静岡23時05分着から静岡23時03分着に2分繰り上げられた。


5. 結び

 今回の1966年10月1日東海道新幹線ダイヤ改正では、東海道新幹線の開業から2年が経ち、徐々にダイヤが完成しつつあると思われる。今後どのような改正や臨時列車が運転されるのかは、次回の【週刊新幹線】をお楽しみに!

出典

国鉄監修 交通公社の時刻表(現:JTB時刻表) 1966年10月号, 日本交通公社出版事務局時刻表編集部, 1966年.(JTB時刻表最新号はこちらから!)
東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日, 須田寛 著, JTB出版事務局交通図書編集部, 2000年.

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