南京地下鉄は2017年5月25日、WEB版新聞記事にて5月26日にS7号線を開業させると公表した( 地铁S7号线开通试运营 南京轨道交通运营里程全国第四 )。今回はこれについて見ていく。
1. S7号線の開業へ
今回の2018年5月26日南京地下鉄ダイヤ改正では、2017年12月30日ダイヤ改正以来約5か月ぶりにダイヤ改正を実施することとなり、地下鉄S1号線の延伸と地下鉄S7号線の新規開業を実施した。
本来地下鉄S1号線と地下鉄S7号線は計画では全列車直通運転を行い全て地下鉄S1号線として開業するはずであったが、輸送力に差があるため空港新城江寧で系統分割を行い、南京南駅〜禄口空港〜空港新城江寧間は地下鉄S1号線を禄口空港〜空港新城江寧間で延伸する形で開業させ、残りの空港新城江寧〜無想山間を地下鉄S7号線として開業することとなった。
まずは地下鉄S1号線の延伸について。今回の延伸は禄口空港〜空港新城江寧間1.583km、1駅間で、既存開業区間同様最高速度100km/hで運転される。使用車両も6両編成B型車(京急・阪急と同じ車両サイズ)が用いられる。延伸区間の所要時間は2分で、初電・終電を含め禄口空港発着を空港新城江寧発着に延長する形で運転される。
次に今回新たに開業した地下鉄S7号線。空港新城江寧〜無想山間の28.888km、9駅に及ぶ路線で、地下鉄S1号線と同じく最高速度100km/hで結ぶ。全線運転時間は30分となっている。車両は4両編成B型車(京急・阪急と同じ車両サイズ)が用いられる。
今回の地下鉄S7号線の開業により、溧水区に初めて地下鉄が開業することとなった。溧水区には既に中国鉄路寧杭客運専用線溧水駅があるが、地下鉄S7号線溧水駅は中国鉄路溧水駅から西に3km離れた場所に設置され、接続は不可能となっている。
2. S1号線との直通運転開始へ
また今回の2018年5月26日南京地下鉄ダイヤ改正では、地下鉄S7号線から地下鉄S1号線に直通する列車も設定されることとなった。
ダイヤについて見ていくと、地下鉄S7号線の運転間隔は終日14分間隔となっており、空港新城江寧では1面2線で地下鉄S1号線と地下鉄S7号線がそれぞれの線路を使用することで、対面接続が可能となっている。なお、1日1往復だけ地下鉄S1号線と地下鉄S7号線を直通する列車が運転される。運転されるのは無想山6時58分発南京南駅行きと南京南駅18時03分発無想山行きで、全線所要時間69分で結ぶ。車両は地下鉄S1号線用6両編成B型車が用いられる。これらのことから昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は89.6%となっている。
初終電について見ていくと、初電は南行きが空港新城江寧6時00分発無想山行き、北行きが無想山6時00分発空港新城江寧行きとなっている。終電は南行きが空港新城江寧22時00分発無想山行き、北行きが無想山22時00分発空港新城江寧行きとなっており、北行き終電は終点空港新城江寧で22時40分発地下鉄S1号線最終南京南駅行きに乗り換えることができる。なお今回の地下鉄S7号線開業に伴い地下鉄S1号線でもダイヤ改正が実施され、北行きの最終列車が禄口空港22時40分発から空港新城江寧22時40分発となり、禄口空港より北側で3分繰り下がることとなった。
3. 結び
今回の2018年5月26日南京地下鉄ダイヤ改正では、地下鉄S7号線の開業とそれに伴う地下鉄S1号線の延伸により利便性が向上した。前回の2017年12月30日ダイヤ改正で開業した地下鉄S9号線のように、各駅停車なのにJR西日本の新快速並みの表定速度を誇るようなインパクトはなかったが、今後も郊外路線が開業すればさらなる高速化が図られるものと思われる。今後中国の他都市でも地下鉄建設ラッシュを迎えていることから、南京地下鉄でどのような新線が開業し、どのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。
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