全線運転開始で利便性向上へ！　東京メトロ千代田線全駅10両対応化に伴うダイヤ改正予測(2019年3月予定)

東京メトロは3月、平成30年度事業計画にて2018年度内に千代田線北綾瀬駅を10両対応化し本線と直通させると公表した( 2018年度 第15期 事業計画 主要施策 )。今回はこれについて見ていく。

2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら！

同日実施の小田急電鉄ダイヤ改正予測についてはこちら！

1. ホーム延長で10両編成直通可能に

今回の2019年3月東京メトロダイヤ改正では、地下鉄千代田線の北綾瀬10両乗り入れを実施する見込みだ。

現在地下鉄千代田線では、綾瀬〜代々木上原間は全列車10両編成で運転されているが、綾瀬〜北綾瀬間ではシャトル列車が運転され、他の区間と直通することなく3両編成で運転されている。

しかし北綾瀬には綾瀬車両基地があり、綾瀬〜代々木上原間で使用されている10両編成が出入りしている。

つまり、これらを旅客化すれば、3両編成の運用を減らすことができ運用効率化につながるほか、北綾瀬利用者も北千住・大手町方面に列車が直通することにより、利便性が向上する。

北綾瀬の近隣(といっても1km程度離れているのだが)にはつくばエクスプレス六町・青井の両駅があり、秋葉原に乗り入れている。もし北綾瀬に10両編成が乗り入れるようになれば、都心方面需要を奪える可能性があるものと思われる。

2. 10両対応後も3両編成存続か

では、2019年3月ダイヤ改正で見込まれる北綾瀬10両対応後のダイヤはどうなるのだろうか。

現在北綾瀬発着の3両編成は、昼間は平日・土休日とも毎時6本(10分間隔)、平日朝夕ラッシュ時は毎時8本(7分30秒間隔)で運転されている。

一方、綾瀬〜代々木上原間で運転される10両編成は、小田急線やJR常磐線と直通しているため長距離運用となりやすい。特にJR常磐線直通列車を北綾瀬始発に振り分けることはできないため、必然的に綾瀬発着を伸ばすほかなくなる。

昼間は10分間隔で綾瀬発着がある一方、平日朝ラッシュ時は13分間隔でしか綾瀬始発の設定がなく、平日夕ラッシュ時は毎時2本程度しか綾瀬行きがない。

ともなると、平日朝ラッシュ時は北綾瀬始発を13分間隔で設定する可能性はあるが、平日夕ラッシュ時に30分間隔の10両編成しか設定しないのは、あまりにお粗末だろう。そして2014年より導入した、3両編成に短縮された元東西線用05系をわざわざ改造した意味がなくなってしまうではないか。

すると、昼間のみに関しては北綾瀬発着列車が代々木上原方面直通の10両編成のみの運転になる可能性はあるが、少なくとも平日夕ラッシュ時は3両編成が存続しないと利便性が保てない。また平日朝ラッシュ時も13分間隔より細かくしてもいいのではないか。ともなると、3両編成はラッシュ時を中心に存続する可能性が高いと思われる。

もし昼間の綾瀬発着10両編成を北綾瀬発着に全て延ばすと、10両編成は1運用増えるが、3両編成が2運用減らすことができる。3両編成はワンマン運転を実施しているため人件費が大きく下がるとは言い切れない。また昼間は主に綾瀬止まりが使用する3番線を北綾瀬行きホームにしてしまえば、大きな混乱は起きないものと思われる。

また、昼間だけでもラッシュ時にもできるようになれば通勤客の利便性も向上し、よりつくばエクスプレスから利用を奪えそうだが、ダイヤ上3両編成を消滅させることは難しいこと、平日朝ラッシュ時は10両編成西行き(代々木上原方面)が最大毎時29本で運転されており、混雑率も178%となっていることから、地下鉄東西線ほどではないがこれ以上混雑を増したくないところだ。

ともなると、北綾瀬発着全列車の10両化の実現は難しいだろう。

なお、2019年3月ダイヤ改正では代々木上原より直通する小田急電鉄でも中規模以上のダイヤ改正を実施することから、小田急線への直通列車再編が平日朝ラッシュ時を中心に行われるのではないだろうか。

また平日朝オフピークのみ設定の地下鉄千代田線直通特急ロマンスカー「メトロモーニングウェイ」がピーク時に増発されるのではないだろうか。

一方、綾瀬より直通するJR東日本の常磐線緩行電車については、微調整程度に留まるだろう。

3. 結び

今回の2019年3月東京メトロダイヤ改正予測では、地下鉄千代田線北綾瀬駅が3両対応から10両対応に延長されることから、北綾瀬から北千住・大手町方面への直通列車が設定できるようになる。

ただ、平日朝夕ラッシュ時を中心に3両編成が存続する見込みで、全列車が10両編成になるというわけではないようだ。

2019年3月ダイヤ改正では、小田急電鉄でもダイヤ改正実施が見込まれるが、今後両線でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。