蘇州有軌電車は8月31日、プレスリリースにて8月31日に路面電車2号線を開業したと公表した( 苏州有轨电车2号线今天正式开通了 )。今回はこれについて見ていく。
1. 高架を走る路面電車開業へ
今回の2018年8月31日蘇州有軌電車ダイヤ改正では、軌道交通2号線が新規開業した。なお中国でいう軌道交通は大抵ライトレールのことを指す。
軌道交通2号線は二又に分岐している路線となっている。本線は軌道交通1号線と乗り換えられる龍康路~2019年12月開業予定の地下鉄3号線と乗り換えられる結節点となるはずの文昌路間の17.2km、11駅間となっている。また支線は文昌路の1つ手前の鴻福路~滬寧城鉄新区間の1.3km、1駅間となっている(外部サイトの路線図はこちら)。
なお今回の開業で13駅が開業したが、うち地上駅は11駅のみで、残りの2駅は高架に設置されている。広島電鉄の広島駅再開発に伴う高架乗り入れも行われる予定であることから、路面電車の高架乗り入れも近年増えつつあるようだ。
ちなみに高架を走る区間は支線含め全18.5km中5.8kmとなっている。平均駅間距離が1.5kmで高架駅が2つしかないにもかかわらず高架区間が長いのは、途中4つの川を渡る必要があり、その橋梁部分も高架区間として計上しているためであるものと思われる。
なお軌道交通2号線は地下区間も1.1kmあるが、長崎電気軌道3号線の長崎駅間~桜町間のように並行する道路がトンネルとしてくぐっているため、それに並走する形で地下を走行しているものと思われる。
全線どこまで乗っても2元(約35日本円)で、中国の多くの都市での地下鉄の初乗りと変わらない。また龍康路で軌道交通1号線と乗り換える場合は、1つ目の列車下車時に運賃を支払った際に乗換券がもらうことができ、追加料金なしで乗り換えることができる。おそらく中国の都市鉄道で初乗り2元で一番安く長距離移動できる都市鉄道であるものと思われる。
ただ、ライトレールゆえ最高速度は33km/hとなっており、本線17.2kmを36分かけて運転する。
2. ダイヤはどうなる
ではダイヤはどうなるのだろう。
平日朝夕ラッシュ時は8運用で10分間隔で運転され、平日昼間や土休日は7運用で11分26秒間隔で運転される。この運転間隔は本線と支線の列車がともに運転される龍康路~鴻福路間の運転間隔であり、鴻福路~文昌路間や鴻福路~滬寧城鉄新区間は運転間隔が2倍に延び、列車本数は概ね半減するものと思われる。
昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を計算すると87.5%となっている。昼間はやや空いているかもしれないが、地域輸送性を考えるとこれ以上運転間隔を広げることは難しいこと、中国でよくある例としてラッシュ時に必要な編成数が揃わないまま開業させ、数か月後に揃った時点で平日朝夕ラッシュ時に増発する手法などがある。このことから、開業時は昼夕輸送力比が多少適正値や推奨値からずれていても問題ないものと思われる。
なお初電は龍康路発滬寧城鉄新区行きが龍康路6時30分発、滬寧城鉄新区発龍康路行きが滬寧城鉄新区6時30分発、文昌路発龍康路行きが文昌路6時58分発で設定されている。
また終電は龍康路発滬寧城鉄新区行きが龍康路21時00分発、龍康路発文昌路行きが龍康路20時30分発、滬寧城鉄新区発龍康路行きが滬寧城鉄新区21時30分発、文昌路発龍康路行きが文昌路21時15分発で設定されている。
3. 結び
今回の2018年8月31日蘇州有軌電車ダイヤ改正では、軌道交通2号線の新規開業によりネットワークが拡充した。
今後蘇州軌道交通でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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