西九州新幹線開業で連絡特急リレーかもめ運転開始で783系廃車へ! JR九州ダイヤ改正予測(2022年予定)

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西九州新幹線開業で連絡特急リレーかもめ運転開始へ! JR九州ダイヤ改正予測(2022年予定)

JR九州は2020年10月28日、プレスリリースにて西九州新幹線の列車名と導入車両を決定した( 九州新幹線(武雄温泉・長崎間)新幹線の名称と導入車両が決定!! )。今回はこれについてみていく。

2022ン年9月23日西九州新幹線開業に伴うダイヤ改正はこちら!

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1. 西九州新幹線部分開業へ!

今回の2022年秋のJR九州ダイヤ改正では、西九州新幹線を部分開業する。

もっとも当初は2022年度末、つまり2023年3月のJR各社一斉ダイヤ改正で開業する予定だったが、フリーゲージトレインをあきらめたのもあってか予定より順調に工事が進んでいることから、当初より繰り上げて2022年秋ごろの開業を予定している。

今回開業するのは武雄温泉~長崎間の66.0kmとなっている。武雄温泉では在来線特急と対面乗り換えを図ることにより、博多~長崎間の所要時間を最速1時間48分から1時間20分程度にまで短縮する。これにより山陽新幹線連絡新大阪まで約4時間で到達できるようになることから、長崎空港が(大村・諫早市街地からは近いが)長崎市街地から遠いことを考えると多少需要が伸びる可能性はありそうだ(ただし航空機から需要を奪うのは列車の所要時間3時間30分以内にならないとほとんど影響がないので、おそらく航空機は当分の間安泰)。

長崎は長崎本線でも終点なので別に新幹線と在来線を連絡させる必要がないし(長崎本線各駅から九州新幹線の乗りたければ、諫早で乗り換えればいいのである)、終点をもっと利便性の高い市民会館(旧公会堂前)や新地(旧築町)の辺りにおいても良かったのではないだろうか。

なお今回の西九州新幹線開業により博多~長崎間の営業キロは153.9kmから151.5km(うち在来線81.9km、西九州新幹線69.6km)に2.4km短縮する見込みだ。

では西九州新幹線部分開業を控える2022年秋のJR九州ダイヤ改正ではどのような列車を組むのか、見ていこう。




2. 西九州新幹線のダイヤはどうなる

今回の2022年秋のJR九州ダイヤ改正では、西九州新幹線でどのように運転するのだろうか。

西九州新幹線を運行する列車名は「かもめ」となる。

車両はN700Sを6両編成を投入するとしている。車内インテリアからしてN700S8両編成同様普通車自由席は2人掛け&3人掛け、普通車指定席は2人掛け&2人掛けとなりそうだ。

なお当初は4両編成にするか6両編成にするか迷っていたようだが、九州新幹線長崎ルートの博多延伸がある程度見通せるようになったことから、6両編成での投入としたようだ。そのため部分開業時は九州新幹線長崎ルートは空席が目立つのは言うまでもないだろう。

なおN700Sは山陽新幹線内で300km/h運転を行うが、西九州新幹線は最高速度260km/hのため車両性能は十分に発揮しない見込みだ。であれば北陸新幹線用E7系・W7系のような車両を投入すれば車両製造費は抑えられたかもしれないがもっとも将来的な博多延伸時の新大阪乗り入れを見据えているのだろう(というか九州新幹線鹿児島ルート全通時に800系を3本投入した判断ミスを活かそうとしている可能性は十分あるのだが)。

ただ今後6両編成のまま新大阪まで乗り入れられても山陽新幹線は困る。かつて山陽新幹線で0系新幹線6両編成2本をつなげた「ウエストひかり」を運転したことがあるように、長崎発着と鹿児島中央発着のそれぞれ6両編成を新大阪~博多間で併結運転を行い、利用の多い山陽新幹線内は12両、利用の少ない九州島内は6両編成での運転にする可能性も考えられそうだ。




九州新幹線鹿児島ルート開業前は鹿児島本線では博多~鹿児島中央間特急「つばめ」(主に7両)が毎時1本、博多~熊本・豊肥本線方面特急「有明」(主に4両)が毎時2本の運転となっていたが、2004年3月13日ダイヤ改正で九州新幹線鹿児島ルートが新八代~鹿児島中央間で開業した際、九州新幹線を実質定期列車毎時2本とし在来線特急時代と比べほぼ倍増、合わせて新八代で連絡する特急「リレーつばめ」(主に7両)が毎時2本、特急「有明」(主に4両)を毎時1本に再編している。

ただ年々利用が減っているほかこのご時世で長崎本線特急「かもめ」を減便し続けて、2021年現在は定期列車は1日24往復の運転になっている。もっとも九州新幹線鹿児島ルート開業前の特急「つばめ」よりは本数は多いが、空席ばかりの中開業時から終日毎時2本を設定するとは考えにくい。

そう考えると西九州新幹線はほぼ毎時1本の運転はあるだろうが、毎時2本運転をするのは朝夕のみで昼間は多客期でなければ毎時1本のままなのではないだろうか。

また博多~長崎間を最速1時間20分程度に短縮するとしているが、2021年現在博多~武雄温泉間は特急「みどり」で概ね1時間05分かかっており、停車駅を絞っても60分程度にしかならない。そう考えると西九州新幹線武雄温泉~長崎間は自ずと最速20分程度で運転しなければならない。

そう考えると武雄温泉~長崎間を少なくとも諫早にしか停車しない準速達列車をどこかで設定しなければならない。そう考えれば毎時1本は武雄温泉~長崎間各駅に停車、もう毎時1本必要な時間帯は武雄温泉~長崎間を途中諫早にしか停車しない列車を設定する可能性がありそうだ。




(2022.06.07 追記)なお西九州新幹線の1日運転本数は定期列車は全線運転22往復で、既存の在来線特急「かもめ」と変わらない。

なお全列車停車駅は武雄温泉、諫早、長崎の3駅に限られ、嬉野温泉や新大村は一部の列車が通過する。とはいってもどの駅でも1時間に1本程度の停車は確保するだろう。

九州新幹線新八代~鹿児島中央間開業時には既存の在来線特急「つばめ」は1日昼行14往復しかなかったが毎日運転の臨時列車を含め毎時1本から毎時2本に倍増することで増発し1日32往復運転とした。これを踏まえると、西九州新幹線の運転本数は少ないように思うし、多客期に毎時2本運転すれば輸送力調整できると考えているのだろう。

なお早朝深夜には新大村~長崎間の区間運転列車を1往復程度設定する見込みだ。




3. 特急再編で高速化実施へ!

では今回の2022年秋実施の西九州新幹線開業に伴うダイヤ改正で特急「リレーかもめ」含む在来線特急列車はどうなるのか。

博多~武雄温泉間は新幹線接続のための特急「リレーかもめ」が運転するのだが、すでに同区間は博多~佐世保間運転の特急「みどり」や原則「みどり」と連結する特急「ハウステンボス」もいる。特急「みどり」から九州新幹線長崎ルートへの連絡もあることを考えると、佐世保発着の特急列車に対してどこまで「リレーかもめ」にするか見ものだ。

また今回の西九州新幹線部分開業に合わせ有田~佐世保間で高速化を図り、佐世保線特急「みどり」博多~佐世保間の所要時間を1時間42分から1時間34分に8分短縮するとしている。

振り子式車両としてJR九州では日豊本線特急「ソニック」用883系や日豊本線「ソニック」及び長崎本線「かもめ」用885系が運転されているが、このうち885系長崎本線「かもめ」用白いかもめ型車両は、九州新幹線長崎ルート開業に伴い「かもめ」としての役割を終え、博多~武雄温泉間の新幹線リレー列車として生まれ変わる。このルートは佐世保線特急「みどり」と重複している。

このことから、今回の報道における佐世保線特急への振り子式車両の投入は白いかもめ用885系の白いみどりへの転用である

また運転本数は「みどり」は16往復のまま、「かもめ」は32往復の運転とするとしていた。ただこの想定は博多~武雄温泉~長崎間をフリーゲージトレインで直通運転する想定で組まれていたもので、武雄温泉での乗り換えが前提となった現在では在来線区間を「みどり」へ統合することにより減便を図る可能性が高い。

というか、常時8両~9両で運転してしまえば多客期も含め博多~武雄温泉・佐世保間は毎時2本もあれば足りてしまう。佐賀がかわいそうだなと思えば朝夕に限り博多~肥前鹿島間で毎時1本運転すればいいだけの話だし。

またハウステンボスも7両編成の特急が停車できることを考えると、2021年現在早岐で行っている特急「みどり」と特急「ハウステンボス」の分割併合も行う必要はなく、毎時1本ずつ佐世保発着の特急とハウステンボス発着の特急を運転すれば、博多~武雄温泉間では両列車に西九州新幹線利用客が乗るから空気輸送にはならないし増解結の手間も省くことができるのである。もし早岐で増解結をする必要がなくなるのであれば、そもそも増解結列車用783系の存在意義がなくなるほか、在来線特急の走行キロ削減と臨時列車統合化による運用本数の削減(最大4運用削減)を考えると783系の一部廃車は免れないだろう

(2022.05.23 および 2022.06.07 追記)なお朝夕を中心に博多~佐賀~肥前鹿島間で特急「かささぎ」として1日7往復設定することとなった。おそらく佐賀始発終着列車を延ばす可能性が高いことから、佐賀から特急自由席で着席して平日朝の通勤に利用することは難しくなりそうだ。そう考えるとこっそり指定席誘導を図り1人当たり530円の増収を図りそうだ。


4. 結び

今回の2022年JR九州ダイヤ改正では、西九州新幹線の開業により大規模な運転系統の整理を行う見込みだ。

今後JR九州でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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