中部国際空港への大規模増発へ! 名古屋鉄道常滑線臨時列車運転(2019年9月)

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名古屋鉄道は2019年8月29日、プレスリリースにて9月7日及び8日に臨時列車を運転すると公表した( 中部国際空港アクセス列車の輸送力を増強します )。今回はこれについて見ていく。

1. 多客輸送で増発へ

今回の2019年9月名古屋鉄道臨時列車運転では、愛知県国際展示場で催事が行われるため、多客輸送のため増発される。

そもそもこの催事は昨年までナガシマスパーランドで開催していたため、近鉄名古屋線の急行を増発する形で対応していたのだが、本年は愛知県国際展示場最寄りの中部国際空港で開催することとなったことから名鉄が多客輸送を担うこととなったようだ。

臨時列車の下り(中部国際空港方面)7本と上り(金山方面)13本で実施する。名鉄名古屋6時00分発快速急行中部国際空港行きを除く19本は全て全車一般車の特急で、下りは名鉄名古屋7時35分発から10時05分発まで30分間隔で特急中部国際空港行きが、上りは中部国際空港16時42分発から22時12分発まで30分間隔と22時50分発で特急金山行きが設定されている。下りは名鉄名古屋基準で定期快速急行中部国際空港行きの5分後発車で中部国際空港に3分後到着、上りは中部国際空港基準で定期特急(一部特別車)の5分前発車、金山に2分前到着となっている。特急と快速急行の違いは名古屋本線内での停車駅の差であるため今回臨時列車が増発する常滑線内では停車駅が同一なのだが、定期の速達列車と並行ダイヤを組むことで準急や普通電車の待避によるロスを少なくするほか、定期速達列車である特急や快速急行の混雑緩和を図りたいようだ。

上りは金山行きとして設定されたため、東海道新幹線や近鉄などに乗り継ぐ場合には金山から名鉄名古屋本線に乗り換えて名鉄名古屋に向かう必要があるほか、中央本線特急「しなの」を利用する際には金山で中央線に乗り換えて千種に出る必要がある。




ただ、名古屋鉄道では多客期でも多くは数本の増結しかせず(多くは全車指定席の「ミュースカイ」で、良くて準急が多少増結するくらい)、せいぜい名鉄名古屋6時00分発の快速特急中部国際空港行きの増発しかしていないし、催事があっても普通電車の常滑発着から中部国際空港発着に伸ばすだけのことが多い。そしてそもそも中部国際空港事態の利用が増えているのなら、2019年3月16日ダイヤ改正のように早朝のうち1本を延伸するのみならずもう少し増結や増発をしても良かったはずだ。

そんな中、普通電車の延長運転なしにほぼ全てで全車一般車の特急を1日20本、最大毎時2本もの臨時列車を増発するとは、過去の近鉄名古屋線や2017年3月より実施のあおなみ線の臨時列車運転の事例と比べるとかなり多い気がする(しかもあおなみ線の臨時列車は土休日はノンストップ2往復にまで減少している)。2日間のみとはいえ、ここまで臨時列車が必要なのだろうか。


2. 結び

今回の2019年9月名古屋鉄道臨時列車運転では、中部国際空港発着の臨時列車が多数増発されることとなった。

しかし増発の主たる理由が中部国際空港自体の需要増加と言うより、中部国際空港に併設する国際展示場での大規模イベントによるものであり、名鉄にとってはどちらにせよ需要喚起になっているので常滑線を延伸した甲斐はあったのかもしれないが本筋と違うところで需要を伸ばしている感が否めない。

今後名古屋鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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