JR東日本は2019年9月17日、プレスリリースにて2019年11月16日に新駅開業に向けて線路切り替え工事を行うと公表した( 品川駅線路切換工事に伴う列車の運休について )。今回はこれから2020年3月JR東日本ダイヤ改正のうち、山手線、京浜東北線について予測していく。
同日実施予定の2020年3月JR東日本ダイヤ改正予測のうち東海道線・横須賀線・房総各線についてはこちら!
1. 山手線30番目の駅開業へ
今回の2020年3月JR東日本ダイヤ改正では、山手線に30番目の駅となる新駅、高輪ゲートウェイを開業する。
駅名については様々な意見があるが、芝浦ゲートウェイとか芝浜ゲートウェイだったら投票結果をみじんも酌んでいないのでなにやっとんじゃと言われてもおかしくないのだが、投票結果1位の高輪がちゃんと駅名に入っているではないか。JR東日本の思惑としては○○ゲートウェイとしたいが、○○に入るものは何かを聞きたかっただけであり、高輪ゲートウェイの中に高輪が入っている以上、投票結果は反映しているとみてよい(なので1位が芝浦だったら芝浦ゲートウェイ、1位が芝浜だったら芝浜ゲートウェイになるはずだった)。
周辺に天王洲アイルや品川シーサイドがあるんだから、カタカナを駅名に使って何が悪い。山手線の駅だからカタカナを使うなと言うのは前時代的すぎるし、130位と言う目先の投票結果のみに気を取られて周辺事情を知ろうとしないのはクズの極みとしか言いようがない。高輪ゲートウェイと言う駅名に対して批難してもコメンテーターの人間性の低さしか露呈しないので、無意味どころかマイナスでしかないと思うのは私だけだろうか?
1.1. E235系統一で減便実施へ
また今回の2020年3月JR東日本ダイヤ改正では、山手線の全列車を新型車両E235系に置き換え、統一する見込みだ。
山手線ではE231系を52本投入していたが、新型車両E235系は50本しか投入しない予定だ。そう考えるとE235系への置き換えにより山手線を走る列車が2編成減ってしまう。
現在外回りは23運用、内回りは25運用で運転しており、定期検査を行うことを考えると50本しか使用しない場合あと1運用削減したいし、余裕をもって車両繰りをしたいのであれば2運用削減してもいい。
また山手線の混雑率は外回りは上野→御徒町間で151%、内回りは新大久保→新宿間で158%と他の東京都区内に乗り入れるJR東日本の路線と比べると低い。山手線はかつて混雑率200%超えの路線であったが、ここまで混雑率が減ったのは湘南新宿ラインや上野東京ラインの開業のほか、他社線でも新線開業を行ったことで混雑が分散したことによる。
今回の高輪ゲートウェイ開業に伴い全線所要時間が1分延びることを考えると、所要時間が延びることも合わせて平日朝ラッシュ時には減便を図る可能性がある。
もし平日朝ラッシュ時に両回りとも毎時1本ずつ減らすのであれば、外回りは混雑率158%、内回りは混雑率165%にまで上がる可能性はある。但し外回りの最混雑区間である上野→御徒町間はは京浜東北線と並走している区間であるため、これより混雑率が抑えられ154%程度に収まる可能性がある。そう考えると、平日朝ラッシュ時に減便するのであればまずは外回りということになりそうだ。
とはいえ、東京都が中長期的に混雑率を150%以下にしようとしていることを考えると、減便するのは政策に反して行うことになる。果たして本当に行えるのだろうか。
このほかにも、2020年3月までに埼京線及び湘南新宿ラインの渋谷駅のホームが山手線のすぐわきに移設し、利便性が大きく向上する。これにより渋谷から大崎や新宿などこれまでホームの位置関係上山手線の方が利便性が高かった駅への利用であっても埼京線や湘南新宿ラインの利用に移動する可能性があり、その分山手線の混雑が緩和する可能性がある。そう考えると、高輪ゲートウェイ開業に合わせ所要時間が1分延びるが、昼間の運用数を変えないため昼間に最大毎時1本程度の減便を行う可能性も否定できないのではないだろうか。
2. 京浜東北線で快速運転終了か
また今回の2020年3月JR東日本ダイヤ改正では、京浜東北線にも高輪ゲートウェイ駅のホームを設置する。
田端~田町間では山手線と京浜東北線の同一方向の列車は対面乗り換えできるが、高輪ゲートウェイは山手線で1面、京浜東北線で1面それぞれのホームを設置することとなるから、対面乗り換えができない。昼間のみ運転の京浜東北線の快速は山手線と対面乗り換えできる区間でのみ通過運転を行っていることから、高輪ゲートウェイも当然京浜東北線が終日停車することとなる可能性が高い。
そもそも、2019年の現在において京浜東北線の快速は必要なのだろうか。
1988年3月13日ダイヤ改正で設定した当初は、山手線を昼間5分間隔から4分間隔に短縮するに伴い運転要員を確保するために京浜東北線で快速運転を行うことで所要時間を短縮し運転要員を確保したほか、当時は東海道線は東京発着、宇都宮線や高崎線は上野発着であったことから、東京以南から上野以北へ向かう速達需要にも応えていた。
しかし2015年3月14日ダイヤ改正で上野東京ラインが開業すると、速達需要は京浜東北線でなくても賄えるようになり停車駅も増えるなど速達性が低下した。土休日は上野~東京間は全駅に停まるほどだ。そうなると、速達性の観点から考えるのは難しく、むしろ面倒な快速を廃止してしまった方が楽だという考えになっていてもおかしくない。
かつて山手線の駅を発着するJR線では、2013年3月16日ダイヤ改正で京葉線・武蔵野線の武蔵野快速を全て各駅停車化したことがある。京浜東北線のように時間帯によって全列車が快速運転を行う路線は日本で唯一しかないので単純比較するのは難しいが、快速の廃止による各駅停車への格下げで乗車チャンスを増やす可能性はありそうだ。
このため、高輪ゲートウェイの開業に伴い京浜東北線で快速運転を中止する可能性があるのではないだろうか。
ついでに山手線で一番需要の少なくて乗り換え路線もない鶯谷は京浜東北線全列車が通過してくれないだろうか。ドアを開閉するだけでも事故の元かつ混雑時には旅客があふれ出るなど危険が潜んでいること、今後ホームドアを設置する際にも全列車通過としてしまえば高価なホームドアではなく固定式ホーム柵で済むので設置費・維持費がともに安くなることから、利用の少ない鶯谷は京浜東北線と比べ車内が比較的すいている山手線に任せてほしいものだ(可能性は低そうではあるが)。
ちなみに今回の線路切り替え工事で品川駅ののりばも一部変更となるが、品川駅で京浜東北線北行き(東京・赤羽方面)と山手線外回り(渋谷・新宿方面)が対面乗り換えできるようになるのは2022年を予定していることから、今回のダイヤ改正では運転時分を除いて反映されることはないだろう。
このほかに武蔵野線でも車両置き換えにより2運用削減しようとしているようだが、現状混雑率175%であることを考えると実施するのは難しそうだ。そう考えると、今回のダイヤ改正では武蔵野線・京葉線は運転本数を据え置くのではないだろうか。
また常磐線では佐貫を龍ケ崎市に改称する見込みだ。なお、関東鉄道は駅名改称を行わない見込みだ。
3. 結び
今回の2020年3月JR東日本ダイヤ改正では、山手線30番目の駅高輪ゲートウェイが開業することにより、山手線や京浜東北線でダイヤ改正を実施する見込みだ。
ただ新駅開業による所要時間延長や導入本数の少ない新型車両E235系への完全置き換えにより、山手線で減便する可能性が高い。
今後山手線や京浜東北線でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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