東京メトロは2017年4月27日、プレスリリースにて5月20日に銀座線にてダイヤ改正を行うと公表した( 銀座線のダイヤを改正します! )。今回はこれについて見ていく。
1. 新車1000系に統一後初のダイヤ改正
今回のダイヤ改正は、1981年から導入された01系が全車銀座線から撤退し、2012年から導入されはじめた1000系が2017年3月10日に全て置き換えた後、初のダイヤ改正となる。
1000系は起動加速度が01系と比べ向上し(3.0km/h/s→3.3km/h/s)、近い将来に行われる電圧の昇圧(600V→750V)により最高速度が65km/hから75km/hに向上することが目論まれている。ただ、今回のダイヤ改正ではまだ昇圧はなされていないため、まだ性能を十分発揮しきれていないというところなのだろう。
そんな中本年1月23日にダイヤ改正を行ったばかり(しかも前回は丸ノ内線とほぼ同時)なのにたった4か月後に実施する今回の銀座線単独でのダイヤ改正では、ホームドア設置に伴う停車時間の増加が盛り込まれている。近頃地下鉄だけではなくJR山手線やJR京浜東北線、東急電鉄(東横線、田園都市線、大井町線)などでは全駅のホームドア設置に舵を向けており、新駅設置でホームドア設置するのは当たり前のことだが小田急や京王、西武、東武、相鉄、JR西日本(JR東西線)などでも一部既存駅でホームドアの設置を始めている。東武鉄道では日比谷線直通用車両を全て置き換えるという大きな負担までしている。銀座線では現在上野駅のみホームドアが設置されているが、本年2017年6月から11月にかけて浅草〜神田の全駅に設置する予定だ。ホームドアを設置すると1駅5秒程度停車時間を伸ばさなければならず、起動加速度が向上したとはいえ全線で1分程度所要時分が伸びることとなり、昼間で1運用増えることとなった。朝も運用数は増えたが、1000系は01系と比べて2編成多いことから2015年3月1日の大阪市営地下鉄御堂筋線ダイヤ改正のように朝の減便は免れた。
また、土休日には渋谷発浅草行きを(1運用増するためか)増発している。近年の銀座線のダイヤ改正では上野〜浅草間の増発ばかりであったが、久しぶりに渋谷〜上野でも増発となった。
2. ホームドア全設置直前で最高速度引き上げが
今回のダイヤ改正では見たところ、どうやら浅草〜神田間のみ停車時間を伸ばしたようだ。となると2018年度上期にほぼ全駅でホームドアを設置した場合、さらに所要時分を伸ばすダイヤ改正が起こるのではないだろうか。
とはいえそこで停車時間を伸ばしてしまうと、また全線所要時分が2分程度伸びるのは必須だ。そこで電圧を昇圧し最高速度を引き上げれば、極力所要時分の延長を抑えられるのではないだろうか。ホームドアの設置が諸事情により予定より前倒しとなっており、そのほかの設備投資にかける資金が不足している中、どこまでインフラにも目を向けられるかが試されていると思う。
3. 結び
今回のダイヤ改正ではホームドア設置の進捗に伴い昼間の所要時分が伸び、1運用増えることとなった。今後最高速度の引き上げはあるのか、平日朝ラッシュ時の増発はできるのか、また全国的にホームドア設置による所要時分延長が加速するのか注目したい。
コメント