中国鉄路は8月8日、プレスリリースにて8月8日に京津城際線で最高速度引き上げに伴うダイヤ改正を実施したと公表した( 今起京津城际铁路按照350公里时速运行 品质全面提升 )。また中国鉄路は8月29日、プレスリリースにて9月1日に深湛線でダイヤ改正を実施したと公表した( 深湛铁路动车组“提速增票” )。今回はこれらについて見ていく。
1. 350km/h運転区間拡大へ
今回の2018年8月8日中国鉄路ダイヤ改正では、京津城際線にて最高速度が350km/hに引き上げられた。
これまで京津城際線は300km/hの運転に制限されていたが、2018年4月10日ダイヤ改正より350km/h対応の復興号の導入を始めた。そして徐々に復興号の運用本数を増やし、ついに今回の2018年8月1日ダイヤ改正で復興号に統一され、最高速度も350km/hに引き上げられることとなった。
これにより北京南~天津間120kmがノンストップ列車で35分から30分に、武清停車の列車で41分から37分に短縮された。ノンストップ列車で表定速度が205.7km/hから240.0km/hに上げられ、東海道新幹線「のぞみ」の東京〜新大阪間最速2時間22分運転の表定速度217.8km/hを上回るようになったのも大きいように思う。
しかし北京南〜天津間の120kmという距離は日本では東京〜三島・宇都宮・高崎程度の距離しかなく、最高速度300km/hから350km/hに引き上げることは野暮だと思われてもおかしくない。むしろ東海道新幹線N700系のように起動加速度を向上させた方が効果が高いように思う。また世界最高の営業速度であれば京沪高速線が2017年9月21日ダイヤ改正より350km/h運転を開始している。ただ、全列車350km/h運転となるのは今回の京津城際線が世界初となっている。
2. 深湛線で終電延長へ
次に2018年9月1日中国鉄路ダイヤ改正では、2018年7月1日ダイヤ改正で開業したばかりの深湛線で終列車の繰り下げを実施した。
広州南20時00分発湛江西行きD7487動車列車が広州南20時30分発に繰り下がり、湛江西到着時刻も23時07分から23時28分に繰り下がった。これにより広州南から湛江西への最終列車が30分から下がり、所要時間も途中での珠海方面高速列車の待ち合わせがなくなったことから、3時間7分から2時間58分となり9分短縮された。また広州南→湛江西では最速2時間57分から2時間48分に9分短縮された。
また湛江西20時00分発広州南行きD7496動車列車も湛江西21時00分発に繰り下がり、広州南到着時刻も23時05分から23時50分に45分繰り下がった。これにより湛江西から広州南南への最終列車が1時間繰り下がり、所要時間も3時間10分から2時間55分に短縮された。このほか、前の列車も10分以内のでの繰り下げを実施した。また湛江西→広州南では最速2時間59分から2時間49分に10分短縮された。
また初列車も繰り下げられ、湛江西発広州南行きがD7452列車が湛江西7時20分発から7時23分発に3分繰り下げられた。なお、広州南到着時刻は10時33分のまま変わらないこととなったことから、純粋に所要時間短縮に伴う始発駅時刻繰り下げとなり、利便性が向上した。
3. 新疆ウイグル自治区でも見直しへ
また今回の2018年9月1日中国鉄路ダイヤ改正では、ウルムチ鉄道局でもダイヤ改正を実施した。
実施内容は北奎線を中心とした減便で、ウルムチ〜奎屯〜北屯市〜アルタイ間の2往復と北屯市〜アルタイ間1往復の合計3往復の快速列車が減便された。代替としてウルムチ〜奎屯間でノンストップの直達特快列車が1往復設定されることとなった。これらの減便により北屯市〜アルタイ間では5往復から2往復に大減便し、奎屯~北屯市間では6往復から4往復に減便されることとなった。一方で南疆線ではコルガス〜アクス間でウルムチ発着の快速列車2往復が延長されることとなった。
そのほか高速列車CRHでは、新疆ウイグル自治区内で完結するウルムチ〜トルファン南間で3往復、ウルムチ〜ピチャン間で2往復が減便されることとなった。ウルムチ鉄道局管内ではこれまで増発が続いていたが、今回突然減便されることとなった。
4. 結び
今回の2018年8月8日中国鉄路ダイヤ改正では、京津城際線で最高速度引き上げが行われ、中国最高速タイおよび世界最高速タイとなる350km/h運転を実施することとなった。また2018年9月1日ダイヤ改正では、深湛線で終列車の繰り下げが行われ、初列車も所要時間が短縮し利便性が向上した。今後広州鉄路集団公司管内では9月23日の広深港高速線香港西九龍開業が迫っていることから、大規模なダイヤ改正が組まれることは間違いない。
今後中国鉄路でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。
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