東急電鉄は2019年2月4日、プレスリリースにて3月16日にダイヤ改正を行うと公表した( 3月16日(土)、田園都市線、大井町線など、東急線5路線でダイヤ改正を実施 )。また東京都交通局は2019年2月1日、プレスリリースにて3月16日にダイヤ改正を行うと公表した( 都営三田線のダイヤ改正を実施します )。今回はこのうち、東横線と目黒線、及び都営三田線について見ていく。
2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!
1. 東横線横浜乗り入れ増加へ
今回の2019年3月16日東急東横線ダイヤ改正では、2017年ダイヤ改正以来約2年ぶりにダイヤ改正を実施する。
今回のダイヤ改正では、武蔵小杉以南で増発が図られた。
まずは平日。地下鉄副都心線千川8時49分発各駅停車武蔵小杉行きを、元町中華街行きに延長した。また武蔵小杉16時58分発地下鉄副都心線・西武池袋線直通各駅停車清瀬行きを元町中華街16時26分発に延長した。これにより武蔵小杉〜元町中華街間で1往復増発した。
これらの延長は、昼間の各駅停車の発車時分を変更するために実施したようだ。
また土休日は、下り(横浜・元町中華街方面)は日吉7時12分発各駅停車元町中華街行きを増発したほか、地下鉄副都心線池袋10時14分発各駅停車菊名行きと地下鉄副都心線池袋17時14分発各駅停車菊名行きの2本を元町中華街行きに延長した。
また上り(渋谷・池袋方面)は菊名11時00分発地下鉄副都心線直通各駅停車池袋行きと菊名16時45分発各駅停車渋谷行きの2本を元町中華街始発に延長し、元町中華街19時28分発各駅停車武蔵小杉行きを増発した。
これにより土休日はプレスリリースの通り菊名〜元町中華街間で3往復増発したほか、武蔵小杉〜菊名間でも1往復増発した。
なお今回のダイヤ改正では、平日朝ラッシュの変更は実施されなかった。東横線では8両から10両への増結のための新車が出場しているほか、Qシート車に置き換えられた元大井町線急行用6000系2両が5050系の10両編成増結用編成として出場する可能性もあり、次回2020年3月ダイヤ改正で急行以上の列車が増強される可能性がありそうだ。
2. 目黒線で運転区間延長と増発で直通増強へ
また今回の2019年3月16日東急目黒線ダイヤ改正では、2018年3月30日ダイヤ改正以来約11か月半ぶりにダイヤ改正を実施した。
今回のダイヤ改正で平日朝ラッシュ時の各駅停車を原則武蔵小山で急行の待ち合わせを受けることとし、混雑の分散化を図るとしている。
今回のダイヤ改正では日吉7時台発の各駅停車1本が急行に格上げされたことで、目黒7時50分着~8時50分着の各駅停車は全て武蔵小山で急行の待ち合わせを受けることとなった。
これは2011年9月23日京王井の頭線ダイヤ改正で昼間の永福町で抜かれない各駅停車を消滅させたり、2018年3月30日東急大井町線ダイヤ改正で平日朝ラッシュ時の全区間先着各駅停車をなくしたりしたことで、一番混雑する急行に抜かされない各駅停車をなくすことで、各駅停車の混雑を緩和し混雑を分散化している。
これにより平日朝ラッシュ時の急行は毎時11本から毎時12本に増発したが、先着列車という点では1本削減することとなった。
また実際に時刻表を見てみると、プレスリリースの記載以外にも奥沢始発の各駅停車を延長することにより混雑の分散を図っている。
今回のダイヤ改正では平日朝の奥沢始発の列車設定大幅に削減し、目黒方面上りは初電のみの設定に縮小された。奥沢5時52分発都営三田線直通西高島平行きが武蔵小杉始発に、奥沢6時40分発都営三田線直通西高島平行きが日吉始発に、奥沢7時01分発都営三田線直通各駅停車西高島平行きを日吉始発に、奥沢7時25分発東京メトロ南北線直通各駅停車浦和美園行きを日吉始発に延長した。
さらに今回のダイヤ改正では急行の運転時間帯も拡大し、武蔵小杉6時07分発東京メトロ南北線直通急行浦和美園行きを増発した。これにより、武蔵小杉→目黒間での急行の一番列車が56分繰り上がることとなった。
そして今回のダイヤ改正では夜間にも増発している。日吉発19時台に各駅停車を1本増発したほか、都営三田線西高島平19時27分発白金高輪行きを東急目黒線直通日吉行きに延長した。また浦和美園17時27分発白金高輪行きが各駅停車武蔵小杉行きに延長されることとなった。
これにより、平日夕ラッシュ時は毎時15本から毎時16本に増発することとなり、昼夕輸送力比は80.0%から75.0%に低下した。どうやら平日夕ラッシュ時にも混み始めていて、増発せざるを得なくなったのだろう。
一方、平日夕ラッシュ時の下り列車はこれまで原則日吉行きとして設定されていたが、今回のダイヤ改正より急行3本、各駅停車3本が武蔵小杉止まりに短縮することとなった。
今回のダイヤ改正で平日夕ラッシュ時に増発が図られたものの、平日朝ラッシュ時は混雑の分散化にとどめ増発を見送ったのは、2023年春の東急新横浜線開業に伴い相鉄線と直通することにより、東急目黒線の車両の一部が6両から8両に増結するため、増発しなくとも輸送力が確保できるためである。このうち東急電鉄保有分については全ての6両編成を8両編成に増結するほか、新型車両3020系を8両編成3本導入する。ただこの運用増加分は日吉~新横浜間の延伸部分の運用増加に消化される見込みで、目黒線内の増発は難しそうだ。
そう考えると、今後多少直通増加などの輸送改善はあるかもしれないが、2023年春の東急新横浜線開業まで目黒線のダイヤ改正は小幅なものに留まるのではないだろうか。
3. 結び
今回の2019年3月16日東急電鉄ダイヤ改正では、東横線と目黒線で増発や運転区間延長が図られ、混雑緩和が図られることとなった。
東横線では8両から10両への増結のための新車が出場しているほか、Qシート車に置き換えられた元大井町線急行用6000系が5050系の10両編成増結用編成として出場する可能性もあり、2020年3月ダイヤ改正では東横線の輸送力増強が見逃せない。
また東横線菊名発着列車の元町中華街発着延長化や目黒線の急行増発や今後の6両から8両への増結により、2023年3月開業予定の東急新横浜線の運転にどのような影響を及ぼすのか、注目していきたい。
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