中国鉄路昆明鉄路集団公司は2019年1月29日、プレスリリースにて2019年1月5日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこれについて見ていく。
1. 路線改良で高速列車乗り入れ対応へ
今回の2019年1月5日中国鉄路昆明鉄路集団公司ダイヤ改正では、大麗線が改良工事を終え、高速列車CRHが乗り入れられるようになった。
大麗線は雲南省内の大理~麗江間を結ぶ164kmの路線となっている。
この改良工事を行うにあたり、2019年11月頃より大理~麗江間での列車の運転を休止しており、2019年1月5日の設備強化まで列車を運休させていた。
これにより2018年7月1日ダイヤ改正で大理まで乗り入れるようになった高速列車CRHの運転区間が麗江まで延長することとなった。
ただ、最高速度が120km/hから140km/hに向上したものの、国際鉄道連合の定める在来線改良線における最高速度200km/h以上を満たしていないことから、高速鉄道とは呼べない。
中国鉄路では2008年の武広高速線開業より高速新線の開業を勢力的に行い、在来線の改良も高速列車CRHを乗り入れできるようにするのはもちろんのこと、200km/h以上の運転とするよう行ってきた。ここにきて最高速度が中国在来線並みの高速列車乗り入れ路線を作ることとなった。日本では改軌こそ行っていないものの、山形新幹線や秋田新幹線に近い状態となっているようだ。
例年中国鉄路のダイヤ改正は12月下旬に行うことが恒例となっており、2018年12月にも済青高速線、青塩線、川蔵線、哈牡線、南龍線などが相次いで開業し2019年1月5日ダイヤ改正まで暫定ダイヤで運転していたが、大麗線の改良は2019年1月5日ダイヤ改正で実施されることとなった。大麗線の改良工事はそこまでかかるものではないので、新線開業でもないことから全国ダイヤ改正に合わせて行ったのであろう。
2. ダイヤはどうなる
今回の2019年1月5日中国鉄路昆明鉄路集団公司ダイヤ改正では大麗線に高速列車CRHが乗り入れることとなったが、ダイヤはどうなっているのだろうか。
ダイヤ改正前は昼間は高速列車CRHと乗り換えられる大理~麗江間で客車けん引の快速列車が2往復、夜行列車が雲南省の省都昆明を経由して麗江に至る客車けん引の快速列車が4往復の合計6往復の運転であった。
しかし今回のダイヤ改正で夜行快速4往復を維持したまま、昼行の大理~麗江間の快速列車を2往復から6往復に増発させたほか、高速列車CRHも乗り入れることとなったのだ。
これまで雲南省の省都昆明から麗江へ鉄道で移動するには、昼間に大理で高速列車CRHから快速列車に乗り換えるか夜行快速列車でしか行くほかなく、高速列車乗り換えで最速4時間59分、夜行列車で最速8時間13分となっていた。
しかし今回のダイヤ改正で高速列車CRHが昆明~麗江間で動車列車(D列車)として1日6往復運転することになり、最速2時間58分で移動できることとなった。
2018年7月1日ダイヤ改正より大理での乗り継ぎで麗江から昆明への日帰り利用は可能となっていたが、昆明から麗江への日帰り利用はできなかった。しかし今回のダイヤ改正で高速列車が麗江に乗り入れることとなったことで高速化が図られ、昆明から麗江への日帰り利用も可能となった。
これにより日帰り利用での滞在時間も延長し、麗江から昆明へは3時間58分から8時間00分に、昆明から麗江へは日帰り不可能から7時間57分にそれぞれ拡大することとなった。
このほか、大理~麗江間の昼行快速列車は2往復から5往復に大幅増発したことは上で述べたが、最高速度引き上げにより所要時間も最速1時間51分から1時間41分に短縮されることとなった。
3. 結び
今回の2019年1月5日中国鉄路昆明鉄路集団公司ダイヤ改正では、大麗線の高速列車CRH乗り入れ化により、所要時間が大きく短縮されることとなった。
今後どのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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