JR各社は2020年12月18日にダイヤ改正プレスリリースの一斉公表を行った。今回はその中から消える列車・消える車両を中心に見ていく。
今回のダイヤ改正で消える車両
車両の引退についてダイヤ改正プレスリリースに明記している会社は少ないが、今回はプレスリリースから情報を拾い出し、消えるであろう列車・車両についてまとめる。
なおこの記事はあくまで廃形式になる車両を4か月かけてゆっくり追って行ってほしいと思いまとめたもので、運転最終日に密になって撮影するためのものではないことはご留意いただきたい。
キハ40系列、JR東日本から消滅へ
男鹿線は全列車がEV-801系化、五能線及び津軽線蟹田~三厩間の全普通列車がGV-E400系化することにより、男鹿線・五能線・津軽線からキハ40系列運用がなくなる(座席指定制列車を除く)。
これにより北東北3県(青森・岩手・秋田)からキハ40系列が消滅するほか、JR東日本管内のキハ40系列の普通列車運用を終了する。
このほかJR北海道宗谷本線も石北本線直通列車を除きキハ40系列が消滅する見込みだ。
また細かいところでは、八戸線で全列車が2両運転化することに伴いキハE130+キハE131+キハE132の3両編成が見られなく見込みだ。
詳細記事:キハ40系列普通列車運用JR東日本から消滅へ! JR東日本秋田支社ダイヤ改正(2021年3月13日)
キハ143形も廃車濃厚か
今回の2021年3月13日ダイヤ改正では、キハ150形とキハ143形が主に運用している室蘭本線にH100形を投入する。
キハ150形は転属するだろうが、キハ40系列とほぼ同時期に製造したキハ143形は廃車する可能性が高い。
万が一2021年3月13日ダイヤ改正ではキハ150形のみの転属だとしても2021年内にH100形を30両投入することから、キハ143形の2022年までの形式消滅はほぼ確実だと思われる。
185系の定期運用消滅へ
今回の2021年3月13日ダイヤ改正では、東海道線特急「踊り子」及び「湘南ライナー」の185系運用がなくなり、全てE257系による運転となる。
これにより185系は定期運用がなくなる。
詳細記事:特急湘南格上げと快速アクティ大減便で東海道線大改正へ! JR東日本横浜支社ダイヤ改正(2021年3月13日)
215系の定期運用消滅へ
また今回の2021年3月13日ダイヤ改正では、215系運用のあった「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」の全てが廃止になることで、215系の定期運用も消滅する。
詳細記事:特急湘南格上げと快速アクティ大減便で東海道線大改正へ! JR東日本横浜支社ダイヤ改正(2021年3月13日)
JR西日本413系・415系800番台の七尾線撤退と運用消滅へ
2021年3月13日ダイヤ改正では、七尾線の全ての普通列車が新型車両521系100番台による運転に統一する。
また521系100番台の投入本数を見る限り北陸本線小松~金沢間運転の413系運用も消滅する見込みだ。
これにより413系はJR西日本からは全廃車、七尾線向け415系800番台も全廃車となる見込みだ。
なお413系はあいの風とやま鉄道に5本あるので、413系自体は細々と生き残るようだ。
JR西日本和歌山支社の105系全撤退へ
2021年3月13日JR西日本和歌山支社ダイヤ改正では、227系の増備に伴い紀勢本線に残っていた105系運用が消滅する。
これにより105系のうち103系からの改造車である4ドア車は予備車も含め消滅、残るは3ドア車のみとなる見込みだ。
詳細記事:特急くろしお減便と105系撤退へ JR西日本和歌山支社ダイヤ改正(2021年3月13日)
2000系が特急「南風」「しまんと」から撤退へ
2021年3月13日ダイヤ改正では土讃線特急「南風」「しまんと」が全列車新型車両2700系での運転に統一する。
これにより特急「南風」「しまんと」から2000系が撤退するのだが、特急「あしずり」は2000系が残る。なお2700系はどうやら土佐くろしお鉄道所属車が2021年3月13日ダイヤ改正から運転開始する見込みのようだ。
このほか上越新幹線E4系も2021年内に全てE7系に置き換わることが決まっている。
消滅する列車愛称
2021年3月13日ダイヤ改正で消滅が確実な列車愛称は以下の10種。
- 仙台シティラビット
- おはよう信越
- らくらくトレイン信越
- らくらくトレイン村上
- 湘南ライナー
- おはようライナー新宿
- ホームライナー小田原
- ミッドナイトEXP高松
- ミッドナイトEXP松山
- 有明
このほか廃止が確定している予讃線特急「ミッドナイトEXP高松」「ミッドナイトEXP松山」の送り込みの予讃線特急「モーニングEXP高松」「モーニングEXP松山」は休日運休となり、毎日運転の定期列車ではなくなる。
また定期列車の運転がなくなるという意味では石北本線特急「大雪」も当てはまるが、平均週6日以上の運転は残る。
さらに播但線特急「はまかぜ」の全車指定席化に伴い、播但線及び山陰本線城崎温泉~鳥取間で自由席特急券の発券を取りやめる見込みだ。
このほか、運転区間が短くなる列車愛称は、特急「成田エクスプレス」(八王子~高尾間廃止)、特急「はるか」(米原~野洲間廃止)、快速しもきた(野辺地~青森間廃止)などがある。
新設する列車愛称
今回の2021年3月13日ダイヤ改正では2つの列車愛称を新設する。
今回新設する列車愛称は以下の2つで、ともに着席保証列車からの格上げとなる。
新設する列車
- 信越
- 湘南
「信越」は信越本線新潟~直江津間を運転する列車で、信越本線「おはよう信越」「らくらくトレイン信越」の2つの愛称を統合し再編する。これにより「らくらくトレイン信越」は普通車全車自由席から全車指定席へと変更し、乗車整理券320円から指定席券330円~530円に値上げすることとなった。なお「おはよう信越」は既に全車指定席なので料金の変更はない。
「湘南」は東京・新宿~小田原間を運転する列車で、「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」の3列車を特急に格上げした列車となっている。車両はE257系を用いる。
このほか日本一遅い終電はJR神戸線西明石行きの25時38分着から瀬戸大橋線快速マリンライナー高松行きの25時21分着に変わるようだ。
結び
今回の2021年3月JR各社ダイヤ改正では、3形式(JR管内に限れば4形式)の定期運用消滅が見込まれ、順次廃車となる見込みだ。
今後どのようにダイヤ改正を行うのか見守ってゆきたい。
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