JR旅客各社及び私鉄各社は2021年12月17日にダイヤ改正プレスリリースの一斉公表を行った。今回はその中から消える列車・消える車両を中心に見ていく。
今回のダイヤ改正で消える車両
車両の引退についてダイヤ改正プレスリリースに明記している会社は少ないが、今回はプレスリリースから情報を拾い出し、消えるであろう列車・車両についてまとめる。
なおこの記事はあくまで廃形式になる車両を4か月かけてゆっくり追って行ってほしいと思いまとめたもので、運転最終日に密になって撮影するためのものではないことはご留意いただきたい。
キハ283系消滅へ
JR北海道キハ283系は石勝線特急の高速化のために130km/h対応、車体傾斜装置付きで登場した車両で、1997年3月22日JR北海道ダイヤ改正より運転を開始しその後の増備で石勝線特急「スーパーおおぞら」の全列車に運用するようになった。
ただ車体傾斜装置のないキハ261系に置き換わることが決まり2020年3月14日JR北海道ダイヤ改正で石勝線特急「おおぞら」3往復にまで削減、今回の2022年3月12日ダイヤ改正までに特急「おおぞら」用キハ261系が揃うことから、キハ283系が撤退することとなった。
205系、相模線・宇都宮線・日光線から撤退へ
今回の2022年3月12日JR東日本ダイヤ改正では、新型車両E131系の投入に伴い相模線・宇都宮線・日光線から205系4両固定編成が引退する。
これによりJR東日本管内で205系が残るのは、仙石線の4両固定編成、鶴見線の3両固定編成と南武支線のワンマン対応2両固定編成のみとなる見込みだ。
209系、京葉線から撤退か
京葉線には1本だけ209系が残っているが、今回の2022年3月ダイヤ改正で少なくとも2運用が減るため、209系を撤退させ10両編成はE233系に統一する可能性が高い。
201系、おおさか東線から消滅へ
今回の2022年3月12日JR西日本ダイヤ改正では、おおさか東線から普通用201系が撤退する。
ただ、2008年3月15日に開業したおおさか東線に使用する車両が1982年製の201系ということ自体が不自然であったので(何なら当初はそれより古い103系もいたほど)、それが置き換わるのは至極当然だろう。
ただ、置き換わっても1989年以降製造の221系であることを考えると、未だにおおさか東線開業よりはるか前から運転している車両による運転であることには変わりなさそうだ。
なお直通快速の321系または207系7両編成は引き続き運転する。
小田急50000系VSE消滅へ
小田急50000系VSEは2005年3月19日小田急電鉄運用変更より営業運転を開始したが、たった17年で定期運用を離脱することとなった。
また小田急50000系VSEは小田急で最後まで残った連接車体かつ非20m車両であり、ホームドア設置が難航する要因の1つであった。
今回小田急50000系VSEの定期運用がなくなることで、町田や大和などの利用の多い駅にもホームドアを設置できるようにする見込みだ。
なお今回の50000系VSE引退による車両増備はなく、特急ロマンスカー「はこね」の減便により運用数を確保する狙いのようだ。
新たに運転開始する車両
2022年3月12日ダイヤ改正に合わせ運転を開始するのは1形式のみだが、そのほかにも新番台投入による勢力拡大もある。
315系運転開始へ
JR東海管内の中央線に新型車両315系8両固定編成を投入することとなった。これにより今回の2022年3月12日ダイヤ改正より一週間先駆けて2022年3月5日より315系を運転することとなった。
愛知県内の都市鉄道で8両以上の固定編成を投入するのは初めてのこと。
なお今回の2022年3月12日ダイヤ改正より名古屋~中津川間は全列車8両編成の運転となる。これにより315系は増備し次第既存の列車をすぐに置き換えることができるようになる。救済として10両運用があった平日朝は8両減車に伴い3本増発ずることとしている。
E131系3両固定編成登場へ
前回の2021年3月13日JR東日本ダイヤ改正で2両固定編成で千葉支社に登場したE131系であるが、今回のダイヤ改正までに新番台を設定し勢力を拡大する。
まずは相模線。2021年11月18日よりE131系500番台4両固定編成による運用を開始したが、今回のダイヤ改正で相模線の全列車がE131系4両固定編成による運転とし、ワンマン運転を開始する。
次に宇都宮線・日光線。今回のダイヤ改正よりE131系600番台3両固定編成による運用を開始し、日光線では3両、宇都宮線(一部小山~)宇都宮~黒磯間では3両または2本つなげた6両で運転し、いずれもワンマン運転を開始する。
なおJR東日本では10両以内の奇数両数の電車を投入するのは15両中の付属編成5両以外では珍しく、ほかに鶴見線の205系3両編成くらいしかない。
消滅する列車愛称
2022年3月12日ダイヤ改正で消滅が確実な列車愛称は以下の4種。
- 信越
- あがの
- サンライナー
- アクアライナー
今回廃止するのはいずれも快速列車の列車愛称で、特急列車の愛称消滅はなかった。
ただし信越本線快速信越は2021年3月13日JR東日本新潟支社ダイヤ改正でおはよう信越とらくらくトレイン信越を着席整理券方式から全車指定席に変更するために列車名称を変更したのだが、たった1年で廃止することとなった。
また山陽線快速サンライナーの廃止により、岡山支社管内での117系運用も消滅する見込みだ。
さらに山陰本線快速アクアライナーは、JR西日本米子支社プレスリリースにて米子~益田間の快速が全列車なくなることから、今回のダイヤ改正での廃止が決まった。
このほか相模線列車の八王子乗り入れを廃止するほか、制度面として宇都宮線宇都宮~黒磯間で普通列車グリーン車の営業を全面廃止する。
新設する列車愛称
今回の2022年3月12日ダイヤ改正で新設する列車愛称はない。ただし、小田急電鉄では6両編成の赤●急行(新松田~小田原間の各駅に停車)の運転を復活する。
結び
今回の2022年3月ダイヤ改正では、2形式の定期運用がなくなるほか、3列車の列車愛称がなくなることとなった。
ただこの変化は前回の2021年3月ダイヤ改正と比べると小さく、列車の運行本数が大きく減る割に車両や列車愛称だけで見ると変化が小さい。
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