JR旅客各社及び私鉄各社は2023年12月15日に2024年3月16日ダイヤ改正プレスリリースの一斉公表を行った。「ダイヤ改正」はTwitterトレンド日本6位・世界11位となったが、今回はその中から消える列車・消える車両を中心に見ていく。
今回のダイヤ改正で消える車両
車両の引退についてダイヤ改正プレスリリースに明記している会社は少ないが、今回はプレスリリースから情報を拾い出し、消えるであろう列車・車両についてまとめる。
なおこの記事はあくまで廃形式になる車両を4か月かけてゆっくり追って行ってほしいと思いまとめたもので、運転最終日に密になって撮影するためのものではないことはご留意いただきたい。
JR北海道石北本線・釧網本線からキハ40系・キハ54形消滅へ
今回の2024年3月16日JR北海道ダイヤ改正では、石北本線・釧網本線の全列車が新型気動車H100形での運転となる。
これにより石北本線・釧網本線で運転しているキハ40系・キハ54形が引退となる。
JR北海道では新型車両H100形の置き換え対象をキハ40系のみならず国鉄末期に投入したキハ54形も対象となっている。もっともJR北海道のキハ40系は廃車が進んでいるし2025年3月までにすべて引退させる方針のためキハ54形の運用変更によるキハ40系の廃車も進むだろうが、近い将来キハ40系のみならずキハ54形も順次廃車になっていくのだろう。
このほかプレスリリースには触れられていないが、函館本線函館~長万部間のキハ40系をキハ150形に運用変更しキハ40系運用が消滅する可能性が高い。
JR東日本255系定期運用消滅へ
今回の2023年3月18日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、総武本線特急「しおさい」を中心に、外房線特急「わかしお」や内房線特急「さざなみ」でも運用している255系が定期運用から引退する。
なお総武本線特急「しおさい」では255系9両編成をE259系6両編成に、外房線特急「わかしお」や内房線特急「さざなみ」ではE257系5両+5両編成や255系9両編成をE257系5両編成に置き換え、それぞれ減車する。
これにより255系の定期列車運用が消滅する。
ただJR東日本では急速な減車に多客時に対応できるか判断しかねるため255系は当分の間臨時列車用として残す見込みだ。
このほかJR東日本千葉支社では京葉線で1運用削減することから、1本しかない209系10両編成も引退する可能性がある。
(2024.2.13.追記)なお255系について総武線特急「しおさい」からは撤退するも外房線特急「わかしお」と内房線特急「さざなみ」では少なくとも2024年6月まで存続することとなった。
JR西日本681系6両編成定期運用消滅(3両編成は存続見込み)
JR西日本金沢支社では北陸新幹線金沢~敦賀間延伸に伴い特急「サンダーバード」「しらさぎ」の運転区間を短縮、車両運用数が減少する。
これにより名古屋方面特急「しらさぎ」の運用数が減少するため定期運用用の681系6両編成が運用を離脱、廃車になる可能性が極めて高い。
一方681系3両附属編成の一部は車両更新を行っており、今後も増結用として運転する可能性が高いとされる。また場合によっては特急「サンダーバード」9両中3両で定期運用を持つかもしれない。
このことから、681系について6両編成は消滅する可能性が高いが、3両編成はまだ使うようだ。
JR西日本381系定期運用消滅も臨時列車として存続へ
JR西日本米子支社では、伯備線特急「やくも」に2023年4月6日以降順次新型車両273系を導入、6月までに定期列車の運用をすべて置き換えるとしている。
これにより従来の381系は2023年6月までに定期運用を終了する予定だ。
ただし、新型車両273系は4両固定編成で車両数が少ないため、多客時には381系も運用する見込みだ。このため2024年内は臨時運用として381系が残る見通しだ。
JR西日本201系、大和路線から撤退へ
今回の2023年3月18日JR西日本ダイヤ改正では、大和路線で4ドア車の201系が引退、3ドア車の221系にすべて統一する。
JR西日本221系、JR京都線・JR神戸線から撤退へ
またJR京都線・JR神戸線でも快速用225系投入に伴い221系が引退する。これによりJR京都線・JR神戸線の快速は全車130km/h対応となるが、所要時間の短縮は行わない。
なお近い将来、加古川線や播但線に207系を投入する説がある。もし今回のダイヤ改正以降各線に投入することになれば、各線の103系も引退秒読みだろう(特に加古川線の103系に関しては2023年1月~2月にやたらイベントが多い)。
新たに運転開始する車両
2024年3月16日ダイヤ改正に合わせ運転を開始する形式は1形式だが、2024年内も含めると2形式以上になることが確定している。
山形新幹線「つばさ」E8系運転開始へ!
今回のダイヤ改正より山形新幹線「つばさ」定期列車16往復中3往復をE3系から新型車両E8系に置き換える。
このほかE259系(「成田エクスプレス」型車両)が総武本線特急「しおさい」運用も受け持つようになる。
このうち東北新幹線内で300km/hに引き上げ所要時間を短縮するのは最速達列車の1往復のみで、一部列車は従来の275km/h運転多客時はE3系での代行運用可能としている。
また最高速度を引き上げた1往復を含め特急料金は据え置く。
JR西日本伯備線「やくも」273系運転開始へ!
先述したように、伯備線特急「やくも」が2024年4月6日より新型車両273系で運転を開始、2024年6月までにすべての定期運用を新型車両273系のみで運転としている。
消滅する列車愛称
2024年3月16日ダイヤ改正で消滅が確実な列車愛称は以下の5種。
- 狩勝
- うなづき
- おはようエクスプレス
- おやすみエクスプレス
- ダイナスター
- びわこエクスプレス
このほか列車愛称のない種別の廃止として、JR北海道根室本線快速(狩勝以外の列車も含む)およびJR東日本京葉線通勤快速などがある。
京葉線詳細記事:京葉線通勤快速廃止と快速縮小・勝浦乗り入れ廃止へ! JR東日本千葉支社ダイヤ改正(2024年3月16日)
北陸新幹線が開業した割に廃止となる愛称は<2023年3月ダイヤ改正の5種類と変わらない。
新設する列車愛称
2024年3月16日ダイヤ改正で新設が確実な列車愛称は以下の3種。
- スーパーつがる
- らくラクびわこ
- らくラクやまと
このうち通勤特急「らくラクびわこ」は琵琶湖線特急「びわこエクスプレス」を改名したものである。
なお300km/h運転可能なE8系導入により期待されていた「スーパーつばさ」の運転はおあずけとなった。
このほかJR北海道千歳線で区間快速エアポート、JR東海中央線で区間快速を新設する。
千歳線快速エアポート詳細記事:【新千歳空港が便利に!】快速エアポート毎時6本に増発と区間快速設定へ! JR北海道千歳線ダイヤ改正(2024年3月16日)
一方、JR北海道函館線では区間快速を復活せず、快速エアポートのうち昼間運転の列車および快速ニセコライナーが旧区間快速いしかりライナー同様手稲~小樽間各駅停車となる。
結び
今回の2024年3月ダイヤ改正では、1形式の定期運用がなくなるほか、5列車の列車愛称がなくなることとなった。
ただこの変化は前回の2023年3月ダイヤ改正と同じで、北陸新幹線が延伸開業したわりに
減便により車両更新の必要性が徐々に薄れている中、今後どのようにしていくのか見守ってゆきたい。
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