京成電鉄とそのグループである新京成電鉄、北総鉄道、および直通運転を行っている都営浅草線は、10月22日のプレス( http://www.keisei.co.jp/keisei/kouhou/news/151022_01.pdf )で京急電鉄のダイヤ改正に合わせて2015年12月5日(土曜日)にダイヤ改正を行うことを公表していた。そして昨日18日に公式サイトから各駅時刻表が検索できるようになった。詳細な時刻表は、京成・北総の場合は京成電鉄公式サイトの駅別時刻表から入っていただき、「2015年12月5日からのダイヤはこちらから」をクリックすると閲覧することが出来るので参照していただきたい。
1. 昼間時間帯
昼間時間帯では、シティライナーの廃止以外に目立った変化は見られない。
2. 平日朝ラッシュ時間帯
朝ラッシュ時間帯は事前のプレスにもあるように、モーニングライナーの京成船橋停車が実現する。これによる他列車の時刻変更はあるものの、減便はない。
また新京成電鉄ではくぬぎ山→新津田沼および新津田沼→松戸の各1本を増発する。
3. 平日夕ラッシュ時間帯
今回のダイヤ改正で最も変化したのは、北総直通列車ではないだろうか。改正前では夕ラッシュ時はアクセス特急、急行(押上線内快速)、普通だったが、急行(押上線内快速)のうち3本(京成高砂発18~19時台)は急行(押上線内普通)へと格下げし、残る急行2本と普通2本は特急4本に格上げされる。京成高砂基準で18時半~20時までは、アクセス特急毎時2本、急行毎時2本、普通毎時4本となり、普通列車の運行本数は減るものの等間隔化してわかりやすいダイヤになっている。京成押上線内では北総線内急行列車の種別格下げ(快速→普通)により遊蕩列車通過駅での利用チャンスが増えたが、北総線内では利用チャンスが減少する結果となった。
その他本線普通列車では、京成上野・日暮里基準で17時台、19時台に各1本減、23時台に1本増となり、総じて京成上野~高砂間で1本減となっている。その他の列車では、イブニングライナーが京成船橋に停車するほかは1~2分程度の時刻変更はあったが大きな変更はなかった。
4. 昼夕輸送力比
今回も昼夕輸送力比(適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を求めていくと、京成本線京成高砂~京成津田沼間では昼間は8両特急毎時3本、8両快速毎時3本、6両普通が毎時6本で毎時84両であるが、平日夕ラッシュ時は8両快特毎時6本、8両快速毎時1本、6両普通毎時6本となり毎時92両となる。つまり昼夕輸送力比は91%となり、普通列車を中心に空気輸送ということになる。
対して京成津田沼~京成うすい間では昼間は8両特急毎時3本、8両快速毎時3本、6両普通が毎時3本の合計毎時66両となるが、平日夕ラッシュ時は8両快特毎時6本、8両快速毎時1本、6両普通毎時5本となり毎時86両となる。つまり昼夕輸送力比は77%となり、適正値内に入る。快速の運用上6両での運用は難しいので致し方ないところもあるのだろう。
本線の都区内区間である京成上野~青砥間では、昼間は8両特急毎時3本、6両普通が毎時6本で合計毎時60両であるが、平日夕ラッシュ時は8両アクセス特急毎時2本、8両快速毎時1本、普通毎時10本(6両と仮定)となり、合計毎時84両となる。つまり昼夕輸送力比は71%となり、適正値内となる。
最後に押上線。ほぼ全てが8両編成であるが、昼間は通過運転を行う快特・アクセス特急・快速などが毎時6本、普通が毎時6本の合計毎時12本であるが、平日夕ラッシュ時は快特が毎時6本、普通が毎時12本の合計毎時18本となる。昼夕輸送力比は67%となり、適正値内となった。
5. 結び
今回のダイヤ改正で浮き彫りになったのは、必要なところに輸送力を回すということではなかろうか?
今回の主だった改正はライナー停車駅増と夕ラッシュ時の輸送量にみあった適切な本数の運行ではなかろうか?押上線のように輸送量が多く各駅の沿線需要も多い路線では優等列車を格下げして利用チャンスを増やしたが、本線や北総では逆に優等列車への格上げを行うことにより時間短縮を図っている。利用客数の多い京成船橋へのライナー停車はライナー券の購入率を増やすための施策であり、これに伴う減便は行われていないことから利便性の向上につなげているものと思われる。
今後のダイヤ改正でどのような展開になるのか見守てゆきたい。
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