JR神戸線では2016年3月12日に摩耶、東姫路の両駅を開業する。前回はJR京都線の高槻駅改良と新快速の茨木停車に触れたが、今回はこれに伴う効果とダイヤ予測に触れていく。
1. JR神戸線に2つの新駅開業へ
2016年3月にJR神戸線では2つの新駅が開業する。1つは六甲道~灘間の摩耶駅、もう1つは御着~姫路間の東姫路駅である。
摩耶駅は内側線にしかホームが設置されない見込みであるから新快速は停車できないし快速も停車しないものと思われる。東姫路駅も普通列車のみの停車であろう。
2. 摩耶駅には競合私鉄が…
摩耶駅の周辺では阪神電車と阪急電車が近くを走っているが、近隣に阪急電車の駅はない。あるのは阪神電鉄の西灘駅や大石駅がある。いずれもジェットカーしか停まらない駅で、この両駅の利用者を狙っていると思われる。
JRの場合三ノ宮までは3.3kmで160円になると思われ、神戸も5.8kmで同額の160円で行ける見通しとなる。対する阪神は西灘や大石から神戸三宮まではJRより安い140円だが、高速神戸までともなると250円となり、明らかに割高となる。但し通勤定期券の場合、三ノ宮まででもJRの方が安くなる。大阪・梅田の場合も見ていくと、きっぷでは阪神電車が安いが、通勤定期券はJRが安くなる。摩耶駅は請願駅ではない模様のことから、ラッシュ時の利用を根こそぎ取ろうとするつもりなのだろう。
ただ今回の摩耶駅開業により両隣駅の駅名標は取り換えられる。そのうちの1つである灘駅は、隣に三ノ宮という大規模な駅を構えているが、この「三ノ宮」という表記について以前から疑問視されている。よみは「さんのみや」ではあるが漢字表記は正しくは「三宮」であり、「ノ」は入らない。同様の例としてJR中央線の四ツ谷駅や、かつての西ノ宮駅が挙げられる。本来駅名改称の場合には両隣駅の駅名標も取り換えなければならないし、路線図も取り換えなければならないため費用がかさむが、今回摩耶駅が開業となれば路線図の取り替えは1度で済むし、駅名標も灘駅の分は変えてくれるから費用が少なくて済む。西ノ宮駅も隣駅にさくら夙川が開業した際に「西宮駅」に改称されたから、今回のチャンスで三ノ宮も三宮になると思われる。
3. 東姫路駅の効果はいかに
東姫路駅は姫路駅の東1.9kmにできる模様で、競合私鉄はない。加古川~姫路の各駅を見ていくと小学校1つあたりに1駅設置されており、山陽本線が近くを走るにも関わらず駅がなかった姫路市立東小学校のあたりに造るのではなかろうか。
姫路までは現在神姫バスで210円かかるが、JRだと140円で行けるようになる。通勤定期券はおよそ半額に、通学定期券は4割程度の額になる。ただ本数は少ないことから、需要は限られるものと思われる。
4. それではどのようなダイヤになるのか
停車駅が増えればそれだけ所要時間が増える。朝ラッシュ時は内側線は普通電車、外側線は新快速と快速が棲み分けをしているのでほぼ影響はない。しかし昼間時間帯は接続を取らなくてはならない。須磨発着の普通電車は須磨で快速と接続するし、その快速は加古川で新快速と接続する。また普通電車は三ノ宮で新快速と接続する。時刻を見ていくと東姫路については姫路以東の時刻をずらせば問題なさそうだが、摩耶駅がらみの場合は少し厄介で、姫路方面行きは普通から新快速に、大阪方面行は新快速から普通に接続できなくなってしまう可能性がある。接続できるようにするには新快速を遅くするほかなく、どうなるか注目である。
5. 結び
新駅ができ、鉄道利用が促進されることはいいことである。最近ではパークアンドライドにも注力して、定時性を生かした鉄道のメリットをより発揮して需要の拡大につなげてほしいと思う。
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