神戸電鉄では、1月13日、プレスにて2017年3月25日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.shintetsu.co.jp/release/2016/170113.pdf )。今回はこれについて見ていく。
1. 粟生線はさらなる減便
今回のダイヤ改正では、粟生線に大きな変化が起こる。
1つ目は平日朝ラッシュ時の粟生→新開地の普通列車が急行に格上げされることにより、7分所要時分が短縮する。しかし昼間は現状新開地~粟生間で毎時1本、新開地~志染間で毎時3本であるものの、このうち志染発着毎時2往復について西鈴蘭台発着に短縮する。しかもこれまで毎時2本の急行が設定されていたが、これが新開地行きは準急、粟生方面は普通列車に格下げとなる。特に新開地~西鈴蘭台間の列車は粟生線沿線のニュータウンというより神戸市の鈴蘭台周辺と中心部付近のみの利用であり、もはや粟生線の列車とするにはやや抵抗がある列車となってしまった。西鈴蘭台行きは3両編成が原則とはいえ、粟生線の昼間の3両化率が上昇している。平日夕ラッシュ時は変更は行われていないことから昼夕輸送力比(適正値60~78%程度)は西鈴蘭台以北で73.7%から36.9%に大幅悪化し、近い将来夕ラッシュ時の減便が避けられない状態となっている。
なぜここまで大幅な減便を行ったのか。それは神姫バスの三宮直通バスの存在である。神戸市の中心部は新開地ではなく三宮。神戸電鉄有馬線の場合は谷上で北神急行に乗り換えれば到着するのでかなりスピーディーに移動できるが、粟生線の場合は新開地まで出て神戸高速線に乗り継がなくてはならない。これが煩わしいらしく、神姫バスが木幡~恵比須間の沿線から三宮直通バスを運行している。昼間は毎時2本であるが、平日夕ラッシュ時は毎時4本の運行となり、粟生線の需要を減らす要因となっている。また神姫ゾーンバスにより地下鉄西神中央駅より多くのバスが日中毎時4本、平日夕ラッシュ時毎時9本の運行となっている。西神中央での乗り換えは必要なものの、地下鉄は湊川にも三宮へも行けるし本数が昼間毎時8本、平日夕ラッシュ時毎時11本運行されることから、現状でも粟生線の倍程度の運行本数がある。そのため周辺団地の住民の一部は地下鉄に流れているものもあると考えられ、粟生線は経営に行き詰っているようだ。
ちなみに昼間の急行から準急に格下げされたことで、しれっと長田停車列車が増加した。
2. 接続改善で運行時間拡大
今回のダイヤ改正では三田発着列車でJR宝塚線との接続を図る。そのため初電の繰り上げや終電の繰り下げが公園都市線などで発生している。
3. 結び
神戸電鉄はかつては準大手私鉄であったが、いまでは中小民鉄にまで規模が縮小してしまった。これには、沿線人口の低迷や周辺の鉄道整備などもあり、国や沿線自治体に応援を求めるほど運営に行き詰まっている。今後の動向に注目したい。
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